第26話 この広い世界で
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自分の名前を呼ばれたと同時に突然腕を引っ張られたので、土方は視線を前に向けると、そこには自分の腕をつかんで走っている凛の姿があった。
ーーー凛
「ハァッ…ハァッ…∪
ここまで来ればもう大丈夫だね∪」
近くの公園に逃げ込んだ凛は周りを見渡すと、もう誰も追いかけてきてない事にホッとした。
土「…り…凛…何でここに」
「サンジ君から電話があってね。
トシさんが私の財布を届けに行ったって!
大分前に家を出たのに会ってないから、もしかしたら何処かで迷ってるんじゃないかと思ってね
ゴメンね。
不安な思いをさせてしまって」
土「……な、何で俺の居場所が…分かったんだ?」
「居場所は分からなかったよ。
分からなかったけど、名前を呼ばれている感じがしたから」
土「ーーぇ…?」
「まぁ、そんな感じがしただけだから!
それにーー。
何処にいても…どんな場所でも…私は見つけ出してみせる
…例えそれが遠くても…見えない暗闇の中でも…。
絶対に独りにはさせないから。」
凛はニコッと微笑むと、今度は土方が彼女の身体をギュッと抱きしめその腕の中に閉じ込めた。
「っ/////…ト、トシさん!?/////
どうし「少しこのままでいさせてくれ」
正面から抱きしめられていたため、彼の表情を見る事はできないが、発せられた声を聞いて少し震えているような気がした。
そして凛も、そんな土方を落ち着かせる為に彼の背中に腕を回して抱きしめ返した。
この広い世界にいる…俺なんかの為に…。
ーーこんなに必死になって…。
どれだけ走った?
どれだけ心配してくれた?
「トシさんは独りじゃないよ
…大丈夫。
私がちゃんと側にいるから…。
だから安心していいよ」
土「っ!」
何でコイツは…俺が欲しい言葉をくれるんだ…。
何でコイツは…そんなに一生懸命なんだ…。
凛にそんな事言われちまったら…
認めちまうじゃねぇか…
俺は……
凛が好きなんだと…
END