第42話 散行く雪の中で…
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耶「…なんとかなる……って、夢見ていたのは俺の方かもしれねぇな」
そして耶雲はしゃがみこむと血で濡れた梁をマフラーで巻き、抱え上げた。
耶「そんな資格ありゃしねぇのに」
浄「――耶雲、お前……」
空「ど…ど―ゆ―事だよッ、俺全然……」
耶「殺してきたんだ……人間を襲う前に――暴走しちまった子供を……何度も…何度も俺が……っ!」
「――…言わなくもいいよ
…分かってた…あのお墓を見たときに
……全部…分かってた…」
幸恵は梁と耶雲を包み込むようにして抱きしめた。
そのことに驚いた耶雲は目を見開いた。
耶「っ…嬢ちゃん…」
「一番…苦しいのは耶雲なのにね…ヒクッ……でも資格がないなんて言わないで?…ヒクッ…これからも守ってあげてよ…今度は守り抜いてみてよ…ヒクッ…」
耶「ありがと…嬢ちゃん…俺の変わりに泣いてくれて……嬢ちゃんは他の人間とは違って暖かいな」
耶雲は幸恵の涙を指ですくうと梁を抱えて歩き出した。
浄「……おい、どこ行くんだ」
耶「――戻る…人間を一人逃がしちまった。
もう黙っちゃいねぇだろう」
――俺は
何かを間違っただろか?
生きるための住処を与えながら
暴走した子供は殺していく
それが……矛盾だって事は判ってた
――だけど
こうするしかねーじゃねぇか
俺はただ
ただ守りたいと…………
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