第56話 結界の町
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八「何か御用でしょうか?」
「はい、えぇ
名高いお坊様がこの町にいらしたと聞いて、是非ご挨拶したいとーーーー蒼真様が」
男はにこやかに答えると、昼間町の人から聞いた『長』蒼真の名を出した。
めんどくさいと思いつつ、三蔵一行は蒼真のいる屋敷へと出向くと、気品のある男が三蔵達の前に現れた。
蒼「桃源郷最高位の僧侶であらせられる三蔵法師様が、我が町にお立ち寄りめされるとは誠に光栄の至りですな。
一言頂けましたら安宿ではなくこの屋敷にお泊まり願ったものを」
三「気遣いは無用だ」
蒼「遠慮深いお方ですな」
三「ーーーこの町は貴殿の貼られた結界により妖怪は足を踏み入れる事が無いと聞いたが」
蒼「元々が大きな町でしたが、妖怪の被害は甚大なので二年前、たまたま立ち寄った私が呪術を施した事で成り行き場町を統括する長を務める事になりました」
「へ~~…これだけの敷地内に結界をはるぐらいなら結構な能力をお持ちなんですね?」
蒼「ははは恐れ入りますな」
「じゃあ蒼真さんは妖怪が制御装置をつけてこの町に入ってきたとしても、すぐに分かってしまうんじゃないんですか?」
幸恵は蒼真の話しを聞きながら、どう返事を返してくるかを観察していた。
(自分から先の事を皆に言う事はできないけど、何らかのヒントぐらいなら)
蒼「勿論、私ぐらいの術者となれば人間かそうでないかは一目でわかりますからな」
浄・八「「……っ!」」
「さて、三蔵そろそろお暇(いとま)しましょうか。
明日の出発に備えて準備だってあるんだし…
蒼真さん、貴重なお時間をありがとうございます。
今夜はお祭りがあるみたいなのでそっちも楽しませて頂くわ」
出されたお茶を飲み干し、幸恵は4人をつれて部屋から出て行こうとした。
三「ーーーー長」
蒼「はい?」
三「「この町に三蔵法師が入った」と誰から聞いた?」
蒼「……お姿を拝見すれば判りましょう
我が町の民は皆、信心深いですからな」
薄らと微笑む蒼真を見て、5人は部屋を後にした。
END