第54話 矛盾
夢小説設定
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「言っておくけど、さっきのことは謝まらないから」
「ええどすよ」
コトリと音を立てて机にコーヒーを置くと、コップからは湯気が上へと舞い上がっていった。
「………三蔵と話をしてたでしょ?
…言っておくけど三蔵と手を組もうとしても無理だよ
あの人は堅物だから」
ヘイ「あんさんはどんなことでもお見通しなんやね……ほんま興味が増すわ」
「私はあんたに興味はないわ
嫌いだから…どんなことがあっても交わることは無いわ」
ヘイ「どんなことがあっても…ねぇ」
”ドサッ!”
「え?」
ヘイゼルに背を向けた瞬間グイッと腕を引かれ、幸恵はベッドに押し倒されてしまった。
「ちょっ!何す…っ!んっ…んぁっ!んん!」
クチュ…チュ
やっ!
やだやだやだ!!
ヘイゼルの下が幸恵の口内に侵入してくると、彼女の舌に絡めクチュクチュとリップノイズを室内に響かせた。
”カリッ!”
ヘイ「っ!」
突然口内に痛みが走り、ヘイゼルはとっさに放すと口から赤い血を流していた。
ヘイ「なにしますのん?」
「それはこっちの台詞よ!//////…何考えてるの」
ヘイ「さっきも言いましたやろ…「興味が増す」って
…うちは陰陽の姫さんをえろ気に入ってしもうてん♪
せやから三蔵はんと同時に、幸恵はんにもうちと手を組んでほしいんや」
「…私は昔っから悪徳商法や、しつこい勧誘はお断りなの。
あんたの思い通りにはならない。
私が皆を守ってみせる」
ヘイ「クククっ…気ぃ強いん女性は嫌いやないよ」
ヘイゼルはそっと幸恵の頬に手を沿えて白い肌をなでていった。
頬から首筋、胸元へと徐々に手を移動させていき、幸恵の着ていた服のボタンに手をかけると、ヘイゼルは首もとに気配を感じた。
惷【兄は我の主に何をしている?】
「惷涯!」
ヘイゼルの首元には鋭く光る青龍刀が食い込まれており、惷涯から放たれる殺気は重苦しいものだった。
ヘイ「主思いの優秀な守護神や」
ヘイゼルはそっと体を起こしベッドから起き上がり降参のポーズをとると扉の方に向かった。
ヘイ「今夜は遅い時間に堪忍なぁ。
今日はおいとましますわ」
「ヘイゼル、貴方は……
貴方の中には妖怪と人間が共存できる時代がいつかは来るって思ってる?」
ヘイ「そんなんあり得へんよ。
妖怪は妖怪や…妖怪に存在価値はあらへん」
「それが子供であっても?」
ヘイ「……………おやすみなさい」
”パタン…”
「……ヘイゼル」
昔みたいに
種族の壁すらなく
ともに生きてきた時代があったように
彼の中でも変わってくれたら………
end