第7話 四神刀の歴史
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昼が過ぎた頃、琴音は近藤に頼まれ資料室で数冊の書類を探していた。
女中の仕事は掃除、洗濯、料理などの仕事は当たり前だが、琴音には資料室の整理や仕事の雑務といった事も任されていた。
「近藤さんが言ってた資料って……多分この辺りだと思うんだけど…∪」
琴音が持っていたメモには近藤が必要としている資料名が書かれており、琴音はそれを見ながら一つずつ探しているが、目的のものがなかなか見つからずにいた。
「…ん?……これって」
琴音は自分の目の前にあった資料を手にした。
「…かぶき町の歴史?」
資料室の片隅に埃をかぶった分厚い本が置かれていた。
琴音はその本の名前を見て、何か手がかりになる事が書かれているかもしれないと思い本を開いた。
「なになに?……古来日本には東西南北に四神と呼ばれる守り神が奉られていた。」
【北に玄武、西に青龍、南に朱雀、西に白虎。
これらは四神は天の四方の方角を司る霊獣であり、また、五行説に照らし合わせて中央に麒麟を加え、数を合わせた上で取り入れられている。
日本でも古く平城京・平安京は四神相応の都とされ、四神は、それぞれ木、火、金、水に当てはめられている。
かつて平安時代に陰陽道の占術に卓越した才能を示し、宮廷社会から非常に信頼を受けた安倍晴明が出ると、民間では室町時代頃から陰陽道の浸透がより進展し、占い師、祈祷師として民間陰陽師が活躍した。
しかし陰陽道が栄え出した頃、平安京には鬼の軍勢が攻め込んできた。
その軍勢に立ち向かえる事が出来るのは四神の聖なる力である事を知った安倍晴明は、東の鴨川、西の山陰道、南の巨椋池、北の船岡山。
それぞれの場所に眠っている四神刀を手に、中心の平城京に封印されている幻の刀、神刀麒麟を解放した。
五つの刀の力は膨大で、玄武は雷、青龍は水、朱雀は炎、白虎は風、麒麟はその四つの能力を兼ね備え、妖怪達はその力欲しさに安倍晴明に襲いかかった。
しかし、安倍晴明はその力で妖怪の軍勢を消し去ると、これ以上刀を悪用されない様に京都から東の都へと移し、それ以来、北の玄黒寺に玄武、東の青東寺に青龍、南の紅南寺に朱雀、西の白西寺に白虎を今日まで封印してきた。
しかし、麒麟の封印場所に関しては記録に残されておらず、
様々な学者や専門家からは将軍家の手によって厳重に封印されているという諸説もある】
琴音はその資料に眼を通すと、桂の言葉を思い出した。
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