17話 不器用な俺
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俺は土方を中へ通すと、ソファに置かれた着流しに袖を通し、仕事へ行く準備を始めた。
アイツがいるから平気だ
アイツが側にいるから…だから俺の役目はここまでだ
そう何度も何度も自分に言い聞かせ、それでも落ち着かないこの気持ちは、木刀をギュッと力強く握りしめ気を紛らわせた。
アイツは名無しを泣かせた奴だ
アイツは名無しをこんな目に遭わせた奴だ!
アイツは名無しを!!
”グイッ!”
土「Σっ!?」
俺はギリッと歯を食いしばると、その怒りを露にしながら土方の胸ぐらを思いっきり掴んだ。
銀「……名無しを泣かした事は許さねぇ」
土「っ!」
銀「……名無しをこんな目に遭わせたのも、俺は許さねぇ…」
土「………」
銀「名無しから笑顔を奪う事も!
……俺はテメェが死ぬ程大嫌いだ…………テメェより俺の方が名無しと一緒にいる時間も、生活も、距離も……ずっと近い筈なのに…。」
そんな名無しが見ていたのは
俺じゃなく…
【……土方…さん……昨日は…ゴメン…ね】
ーーコイツだった。
土「…万事屋」
銀「俺は名無しを諦めたわけじゃねぇ……テメェがまた名無しを泣かせるような事があれば、俺は…その時は容赦なく名無しを奪ってやる」
脅しじゃねぇ
この前やってたドラマの台詞でもねぇ
俺は本気だーー。
どんなに名無しが俺の事見ていなくても…。
俺は名無しを諦めるつもりなんてねぇ
土「…そうか…だったら俺だって名無しを奪われるわけにはいかねぇな
名無しは俺の女だ
今も、これから先も……。
もう泣かせねぇよ
もうこんな目に遭わせねぇよ
ーー俺が守るのは、これから先もずっと名無しという惚れた女だけだ」
銀「…フンっ……言ってろ」
俺は身支度を整えるとその場をアイツに任せ、家から出て行った。
認めたわけじゃない
でも…今は……
今は…名無しに必要なのは……アイツだ
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