俺は小さく震える手で名無しの事を抱き返した。





沖「ーー違う…。」




「え？」





沖「違うんだ！
名無しは何も悪くねぇ！！
俺が勝手に突っ走って、俺が勝手に……勝手に！」




「ううん、私にも責任はあるわ
大好きな人を傷つけちゃったんだもん」





沖「……ぇ？」





次の瞬間、名無しの言った言葉が耳に入ってこず、俺は名無しに聞き直してしまった。






沖「…い、今……何て…？」





「聞こえなかった？

ーー私も総悟の事好きだって/////」





沖「名無しが……俺の事を…？」





「うん、ずっと好きだったの総悟の事ーー。
私は私なりに貴方の事をずっと見守ってきたつもりだったわ。

一番隊隊長である貴方が危険な場所に出向く度に、私は何度神様に祈った事かーー。
次危険な場所へ行ってしまったら、もう二度と逢えないんじゃないかって…。


だから頑張ったの
副長補佐になれば私も総悟と同じ場所に行ける
貴方を少しでも護ってあげる事が出来るんだって」





沖「ーーそ、そんな…
でもあんなに土方と仲良くーー。」






「土方さんと一緒にいる時間が多かったのは、総悟の負担が少しでも減る様に二人でいろんな策を練っていたから」






沖「で、でも今日だって…」







「今日は総悟がどんな所でいつも油売っているのか教えてもらっていたの。

副長が毎日総悟を探しにいくのは大変だし、副長補佐である私も知っておいて損は無いでしょ？
何かあった時は私も直ぐに総悟のサボりスポットに行く事が出来るしね」







……じゃあ今までは俺の勘違い…？




俺だけが勝手にイライラしてーー。




俺だけが勝手に不安になってーー。





俺だけが勝手に嫉妬してーー。






何だか俺ーーーーかなり恥ずかしい奴じゃねぇか












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