15話 小さな嫉妬
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3時になり俺は見回りから帰ってくると、その脚で名無しの居る部屋へと向かった。
足取りはとても軽く、彼女に会いたいと思う気持ちが先走ると、廊下を歩いていた脚はいつの間にか駆け足になっていた。
沖「名無しいやすかィ?」
「ん?…あ、総悟見回りお疲れ様
約束通り一緒にお茶しよう♪」
名無しは手持っていた筆を置き、今朝約束していたお団子とお茶を用意し始めた。
沖「あれ?ーーそういや土方さん達はいねぇのか?」
「うん、今日は松平さんに呼ばれているからね
もしかしたら遅くなるんじゃないかな?」
ーー遅くなる…。
じゃあ今は俺が名無しを独占出来る…。
誰にも邪魔されず。
そう考えた瞬間とても嬉しくなった。
いつもは近藤さんや土方の野郎に邪魔されて、名無しと二人っきりでいたくても、そんな機会すらなかったから…。
俺は今この時間を満喫しようと出されたお茶に手を伸ばそうとしたその時だったーー。
土「今戻った」
沖「………っ」
「あ、お疲れ様です土方さん」
運悪く土方が帰ってきやがった。
何でこうも邪魔が入るんだ?
この世に神様ってもんはいねぇのかもしれねぇなーー。
「今丁度お茶にしようとしてた所なんですよ
土方さんも一緒にどうですか?」
土「あぁ、そうだな
じゃあ俺も一緒にーーーーーって、何だよ総悟」
俺は不満気な表情を浮かべ、目の前に居る土方を睨みつけた。
テメェさへ居なければ名無しと一緒に居られたのに…。
テメェさへ居なければ名無しを独り占め出来たのに…。
そんな事思っていると俺の中のイライラが膨れ上がってしまい、団子を食う食欲なんて無くなってしまった。
沖「ーー別に何でもありやせんよ。
俺、急用思い出したんで部屋に戻りやす」
「えっ?総悟お団子は!?」
沖「食欲ないから土方さんと食べてくだせぇ」
「総悟!?」
名無しは俺の名前を何度も呼んでいたが、こんな情けねぇ顔見せられるわけも無く、俺は何も返事をしないまま彼女の部屋を後にした。
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