第73話 先生の教えはいつまでも心に残っている
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焰が出て行った後室内は一瞬静かになったが、高杉は窓の縁に腰を下ろすと、その鋭い眼光で琴音を見つめた。
高「久しぶりだな琴音」
「……っ」
高「ククク…暫く見ねぇ間に随分とまた俺好みになったじゃねぇか」
「私は世間話をしに来たんじゃない」
高「……俺に、話しがあるんだってな?」
「……っ」
高杉の髪は夜風とともにサラサラと靡くと、時折見せるその瞳に琴音は言葉を詰まらせそうになった。
「…貴方がどんなに強い人と手を組んで私の事を手に入れようとしても、私の心は貴方には靡いたりしないわ
ーー私の心は…いつも銀ちゃんのところにあるから
どんなに忘れられても、どんなに嫌われても……私は銀ちゃんを嫌う事は出来ない。
この世界に居場所を与えてくれたのも
この私を家族だと言ってくれたのも
この私に光りを与えてくれたのも
ーーー全ては銀ちゃんだから」
琴音の目は真っすぐ高杉に向き合っていた。
そんな真剣な彼女の目を見た高杉は、立ち上がるとその脚でゆっくり琴音に近づいて来た。
高「だから何だ。
そんな事で諦めろと?
…いいか、オメェの意思と俺の意思は関係ねぇ
欲しいものは奪い、邪魔なものは消す
琴音の中で銀時が邪魔しているというなら、俺は容赦なくアイツを斬る事だってできる
銀時だけじゃねぇ……琴音の周りにいる奴等も、琴音に関わって来た奴等も全員斬る事は雑作もねぇんだよ
……琴音を手に入れる為ならな」
高杉は琴音の頬にそっと触れると、彼女は全身に身の毛がよだった。
高杉から離れようとしたが、震える体はまるで大木のごとくその場から動く事が出来ず、その間も彼の品やかな指先が頬から唇へと滑る様に移動していた。
「……っ……奪うばかりじゃ何も得られない……壊すだけじゃ何も掴めない。
高杉……貴方が私の為に壊そうとしている事は…奪おうとしている事は、貴方自身を余計に苦しめているだけよ」
高「苦しめている…か
上等じゃねぇか
俺ァ、苦しみや悲しみ、憎しみと後悔を背負って今まで生きてきたんだ
これ以上何に苦しめというんだ?
今更そんなもん怖かねぇよ」
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