第73話 先生の教えはいつまでも心に残っている
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「桂さん勝手な事してすみません」
攘夷志士のアジトを後にした琴音は、真選組に見つからないよう隠れながらその場所を移動した。
裏路地や抜け道等を使いながら周りを見渡すと、遠くの方ではまだパトカーが巡回していた。
その間にも時間だけがどんどん過ぎて行き、空高く登っていた太陽も西に沈みかけ、空は一面オレンジ色とブルーのグラデーションが広がっていた。
遊んでいた子供達は既に自宅へと帰っており、日中賑わっていた公園は誰一人おらず、ただ静けさだけが当たりを包みこんでいた。
そんな中、琴音は今日焰と会った小高い丘の上にやって来た。
人気は無く、殆ど日が沈んでしまったその場所はとても薄暗く、周りに立っていた街灯に明かりが点きだした。
【必ず私の元へやってくる。】
そんな筈は無いと思ていたけど…
やっぱり焰さんの言う通りになっちゃった。
焰「そろそろ来る頃だろうと思っていたよ」
ザワザワと風で草木が揺らぐ中、彼女の背後から声が聞こえ、後ろを振り向くとそこには焰の姿があった。
「……勘違いしないで
私は貴方や高杉に従うわけじゃない」
焰「ほぅ…では何だと言うんだい?」
「私は高杉に話しがあるだけ。
私は、私自身の力で皆の記憶を戻してみせる」
焰「クスっ、記憶を戻す…か。
何か答えでも導きだせたのかい?」
「…正直これからどうしていいかなんて私には分からない。
ーーでも、目の前の敵に立ち向かわないと、私はこの先また迷惑をかけちゃうから…。
ちゃんと向き合わなければ行けない時は、私だって己の拳を握りしめて相手を殴り飛ばす覚悟を持たないといけないから」
焰「ほぅ…普通の小娘かと思っていたが、高杉が目をつけただけの事はあるな」
「私だって万事屋の一員よ。
守られてばかりじゃないわ!
さぁ!私を高杉の所に連れて行って!!」
焰「良いだろう…ついてくるがいい
高杉も船で琴音さんのことを待っているだろう」
焰は小さく笑みを浮かべると、彼女に背を向け歩き出し、琴音も彼の背中の後ろから着いて行った。
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