第72話 一人ぐらい救世主はいるものだ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
土「Σしまった!!
あの女を逃がすな!!」
彼女が走り出した後、土方達は琴音を逃がすまいと彼女が走っていった方向に走っていった。
屯所内では土方や沖田達の声に反応した隊士達が、琴音を捕まえようとして追いかけて来た。
「そこの女待て!!!」
「あの女は高杉の手下だ!!!
逃がすなぁああ!!!」
琴音は小柄な体型を活かし、裏路地をすり抜けてひたすら走り続けた。
遠くの方ではパトカーのサイレンや隊士達の声が町中に響き渡り、琴音自身もこれから先どうしていいのか分からなくなっていた。
…どうしよう
銀ちゃんも駄目…真選組も駄目ーー。
一体何でこんな事に……
走り疲れた琴音はその場で崩れると、壁に背中を預ける様にして地面に座り込み、不安な表情を浮かべていた。
しかしその時だった…。
「琴音殿ではないか」
突然聞き慣れた声が聞こえてきた。
「…Σっ!
……か、桂さ…ん」
顔を上げると目の前には桂が立っており、いつもの様に着流しの格好ではなく、ヒップホップのラッパーの格好をしていた。
「っ……うぅ……うわぁあああん!!」
桂「っ!どうしたのだ一体」
琴音は安心したのか、桂の顔を見た瞬間大量の涙が溢れ出し、彼の腰に抱きつくと声をだして泣き出した。
それを見た桂は驚いたが、何か訳ありなのだろうと察知すると、今は何も言わずただ琴音の事を抱きしめてそっと頭を撫でた。
泣き出して10分後、少し落ち着きを取り戻した琴音の目は赤く腫れていた。
「す…すみません桂さん……私…」
桂「案ずるな。
何かあったのだろう?
此処ではなんだから俺のアジトに来るがいい
そこでゆっくり話しを聞いてやろう」
「……はい」
桂は琴音にそっと手を差し伸べると、彼女も桂の手を握り返し、彼等攘夷志士が集まっているアジトに向かう事となった。
.