第61話 頭の中でいつもあの人の声が聞こえていた
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此処最近名無しと休みのスケジュールが合わない事が多く、遊びに行く回数も少なくなっていたため、琴音は名無しからの誘いを断る事はしなかった。
朝食も食べ終わり、琴音は出かける準備を始めた。
春になりポカポカとした気候が此処最近続く様になると、琴音は薄手のセーターに淡いピンク色のジャケットを羽織り、ミニスカートに太ももまでのハイソックスでコーディネートした。
「よし準備OK!
じゃあお母さん私行ってくるね」
「いってらっしゃい。
車には気をつけてね」
「はーい!
行ってきまーす」
鞄を持ち玄関先で母親に挨拶すると、琴音は急いで待ち合わせの場所へと向かった。
一歩外へ出れば温かな日差しと、時折吹く風が桜の木々を揺らし、その度にヒラヒラと花びらが宙を舞いとても綺麗だった。
「桜っていつ見ても綺麗だよねぇ〜♪」
近所の桜並木で花を堪能している琴音は、その桜の美しさに心を奪われていると、彼女の脳裏にある言葉がこだました。
【…また皆でこの桜見に来ようぜ】
「Σっ…え…?」
今…一瞬……声が
聞き覚えがあるような
ーー無いような…。
琴音はその場に脚を止めると、その不思議な声が一体なんなのか考えていた。
その時だった。
”ピリリリリ…ピリリリリ”
「あ、名無しからだ」
”ピッ!”
「もしもし?」
『あ、もしもし琴音?
今何処?私もう駅前に来ているけど』
「え!?
もしかしてもうそんな時間!?」
『ううん、私がちょっと早く来すぎただけだから安心して!
そんなに慌てなくても大丈夫だから』
「よかったぁ∪
でも待たせるのも悪いから急いでくるね!
私も今駅に向かっているから後10分後には着くから」
『わかった!
気をつけてくるんだよ〜』
先に待ち合わせ場所にきていた名無しは、琴音に連絡を入れると、彼女も急ぎ足で駅前へと向かった。
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