第61話 頭の中でいつもあの人の声が聞こえていた
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”ピピピピピピピ!”
「………っーーぁ、さ」
頭上で目覚ましの音が鳴り響き、その音で目を覚ました琴音はボーッとした頭で目覚ましをストップさせた。
カーテンの隙間から日差しが差込み、布団の中で大きく背伸びをすると、ゆっくりと体を起こし頭をポリポリとかいた。
またあの夢だった。
…此処最近同じ様な夢を見る。
私の事呼んでいるのに…相手の名前が聞こえない。
顔も見えない…。
「ーー別に怖い夢じゃ無いからべつにいいんだけど。
…でも……あの人は一体…」
琴音は此処最近同じ夢ばかりを見ていた。
それはいつも決まって同じ内容で、目の前にいる男性の顔や体には白い靄がかかっており、相手の名前を聞こうとしても、その部分だけ何かに邪魔されて聞く事が出来なかった。
「琴音〜!そろそろ起きなさーい!!
今日は名無しちゃんと出かけるんじゃなかったの〜!?」
1階の階段の下から母親の声が聞こえ、琴音は今日友人の名無しと久々に出かける事を思い出すと、準備をし始めた。
琴音が自分の世界に戻って1年が経った。
今まで銀魂の世界にトリップしていた琴音だったが、元の世界に戻った当初は皆の事を忘れない為に、銀時から貰ったロケットを毎日首からぶら下げており、コミックやDVD等も集めてた。
彼等がいないこの世界で、琴音はコミック等を通じてしか彼等の事を応援することしか出来ず、時々銀時達の事を思い出しては、今頃何をしているのだろうかと考えたりしていた。
しかし、月日が立つに連れて彼女の中でかぶき町にいた頃の記憶は徐々に薄れていき、彼から貰ったロケットもいつの間にか机の引き出しの奥へと仕舞い込まれていた。
そして今では自分が銀魂の世界にいた事もすっかり忘れていってしまい、以前と変わらない普通の生活の日々を過ごす毎日だった。
「おはよう」
母「おはよう琴音
今日は何時にでるの?」
「あぁ〜確か10時に駅前で待ち合わせだったはず」
「あら、あと1時間じゃない」
「うん、まぁ駅なんて近いしそんなに急がなくても大丈夫だよ」
琴音はリビングに下りて来ると、既に朝食の準備ができており、美味しそうな香りが彼女の食欲をそそらせていった。
本来、日曜である今日は昼までゆっくりと休んで、午後からショッピングでもしに行こうと思っていたのだが、昨晩名無しから連絡が入り、「バイトが休みになったから遊びに行こう!」と急な誘いがあった。
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