第79話 無口でも恋愛だってするんだぁああ!!
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昼食時間が終わり、午後からは近藤に頼まれていた資料探しをするため資料室へとやってきた琴音は、渡されたメモを片手に探していた。
「えっと…この資料はもう見つかったって言ってたから、探さなくていいとして、10年前の攘夷志士の事件資料は確か…。
……げっ∪
あんな高い所にあるのかァ〜」
探していた資料はかなり上の戸棚に仕舞われており、当然そんな高い所に手が届くわけが無い琴音は近くにあった脚立に登る事にした。
一段一段上るにつれて、脚立はギシギシと音を立てながら彼女の体重を支えていたが、脚立そのものの安定がお世辞にもいい物ではなかったでグラついていた。
「あったあった!
10年前の資料が2冊と……7年前の麻薬事件の資料もいるのかぁ〜
それなら多分この辺りだったと思うけど…。」
辺りをキョロキョロと見渡し他の物も探していると、少し離れた所に資料が置かれてあるのを見つけた。
「あんな所に…∪」
琴音はその場から少し離れた所にある資料に手を伸ばすが、指先が当たるか当たらないかの所にあったため、なかなか取る事が出来なかった。
しかしその時だった。
”バキィっ”
「っ!!…キャァ!!」
琴音の乗っていた脚立の足場が突如大きな音を立てながら崩れてしまい、彼女の体は下に向かって落下した。
"ドサッ"
彼女は次の衝撃に備えて体をギュッと強張らせたが、いつまでたってもそんな衝撃は来ず、変わりに自分の事を抱きしめるような温もりを感じた。
「っ…さ、斉藤さん!」
終「……」
「す、すみません!∪
直ぐに退きますから!」
自分の事を庇ってくれた人が斉藤だと言う事に気づいた琴音は、慌てて彼の上から離れようとしたが、彼は彼女の体を離そうとせず、そのままギュッと抱きしめていた。
「…えっと……斉藤さん?
Σっ!…もしかして何処か怪我しちゃいましたか!?∪」
終「っ!/////(ブンブン)」
斉藤が自分を助けたとこで、何処か怪我してしまったんじゃないかと心配した琴音だったが、斉藤はソレを否定するように首を横に降った。
「それなら安心しました」
琴音は安心した表情を浮かべると、斉藤の胸は針に刺されたようにチクッと痛み、彼自身ももう少しこのまま彼女を抱きしめていたいという思いが頭を過ったが、言葉でも伝える事が出来なかったので、そのまま優しく琴音の頭を撫でた。
「斉藤さんは優しいですね
いつも刀ばかり握ってても、無口でも、貴方の優しさが手から伝わってきますよ」
終「っ/////」
琴音はニッコリと笑って彼の手を包み込むと、佐藤は先ほど以上に顔を赤く染めた。
「あ、じゃあ私近藤さんに資料持っていかないと行けないので失礼しますね!
助けて頂いて、本当にありがとうございました!」
琴音は資料を手にして部屋から出て行くと、斉藤は彼女に触れられた手をジッと見つめ小さく溜め息をついていた。
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