第60話 ありがとう、さようなら…大好きだよ
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「銀…ちゃん……ありがとう…ヒクッ…ありがとう!!」
銀時の大きな体で全身を包み込まれる様にして抱きしめられた琴音は、抱き返す様に彼の背中に腕を回し同じ様にギュッと抱きしめた。
その時だった。
部屋中にアラーム音が鳴り響き、彼等はテレビの画面に視線を向けた。
”ピー!ピー!ピー!ピー!”
『お帰りの時間です』
【00:02:59】
【00:02:58】
【00:02:57】
神「残り2分アル!
…Σっ!!…琴音!…琴音の体が!!」
残り時間2分になってしまった時だった。
神楽は琴音に視線を向けると驚きの表情を表した。
土「か、体が…消えかかっている」
…本当だ…。
手も脚も…どんどん消えていってる。
もう…これで本当にお別れなんだ
「皆、今まで本当に有り難うございました。
私、自分の世界に戻っても皆の事応援しているから!」
刻一刻と時間は進んでいき、残り時間1分となった。
銀「琴音…俺も琴音の事を応援している。
だから…いつも笑っていろ」
”チュ”
「ンっ/////……うん。約束するよ!」
銀時は最後に琴音の唇に自分の唇を重ねた。
彼女の体は先ほど以上に透けており、殆ど消えかかっている状態だった。
『お帰りの時間です』
【00:00:10】
【00:00:09】
【00:00:08】
「ありがとう……皆…
…ありがとう……神楽ちゃん新八君…
……ありがとう……銀ちゃん…
みんな……大……好き……」
そして琴音は消えてしまった。
銀「……………」
新「……行っちゃい…ました…ね」
銀「…………」
神「……銀…ちゃん」
銀「…………」
新、神「「っ!」」
琴音が元の世界に帰った後、銀時は彼女が先ほどまでいた場所を一点に見つめていた。
新八と神楽が銀時に声をかけても返事が無く、彼の顔を覗き込むと、銀時の瞳からは一筋の涙が流れ落ちていた。
それを見た神楽と新八は驚きの表情を浮かべた。
土「……おい…万事屋」
銀「…あぁ……分かっている。
…悪ぃな……」
銀時は流れ出た涙を拭き、無造作に自分の頭をガシガシと掻きむしると、皆を心配させまいと小さく笑みを浮かべた。
登「ったく…そんな間抜けな顔してたんじゃ
琴音とのさっきの約束もあったもんじゃないよ。
今日はごちそうしてやるから皆店に来な」
神「マジでか!?
銀ちゃん!ご飯でも食べて元気出すネ!」
新「そうですよ銀さん!
いきましょう!」
銀「そうだな。
よっしゃババァ!!酒もちゃんとサービスしろよな!!」
登「調子ぶっこいてんじゃねーぞ!!」
琴音…今までありがとうな。
オメェがくれた時計とともに
俺もこれから時間を刻んでいくから。
どんな時でも
俺は
ーーー忘れねぇから
END
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