第59話 退職届
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近「………琴音ちゃん……すまなかった
折角脚まで運んでもらったのに…」
「………いえ。
トシさんも総悟も当然の反応だと思います。
……私も……正直どうしていいか…分からなくて
……銀ちゃん達も…総悟と同じ様な事…言ってました。
勝手にこの世界に来ておいて、勝手に帰るだなんて……本当信じられませんよね。
帰りたくないなら帰らなければいい……そんな事関係なく銀ちゃん達と…これからも…っ……もっと…ぅう……もっといたかったです」
近「…琴音ちゃん」
「こんな私を好きだと言ってくれた…ヒクッ…こんな私を仲間だと言ってくれた……ヒクッ…ぅう…こんな私を…ヒクッ…家族だと…ヒクッ…言ってくれた。
私には…ヒクッ…勿体なさすぎるぐらい嬉しい言葉でした…ヒクッ…皆と過ごした時間は…私にとって最高の時間でした…こんな日々がずっと…続けばいいと思っていましたが…ヒクッ……でも…いつか終わりが来る…ヒクッ…帰らなければいけない定めなら…ヒクッ…私は…従わなければならない…ぅ…。
もう…逢えないなら…二度と戻ってこられないのなら…ヒクッ…私は……私は………っ!」
”ギュ!”
「っ!?……………近…藤…さん」
琴音の瞳からは止まる事の無い涙が流れていると、近藤は彼女を包み込む様にしてギュッと抱きしめた。
突然の事に驚いた琴音は大きく目を見開くと、近藤はそっと口を開いた。
近「……こういうとき…俺もどうしていいか分からねぇ
出来る事なら『行くな』と言って、君をこのままこの世界に繋ぎ止めておきたい。
だが…そんな俺たちの我が侭で琴音ちゃんを困らせたくないってのもまた事実だ。
他の奴等も口にはしなかったが、心の何処かでいつかこういう日が来るってことを思っていたのかもしれない。
思っていたからこそ、今余計に動揺を隠しきれないんだろう」
「……っ」
近「…琴音ちゃん…。
…俺も…気持ちはトシ達と同じだよ。
この世界には君が必要だ。
…いや……俺も琴音ちゃんが必要なんだ」
近藤は抱きしめていた体を琴音から引き離すと、人差し指で彼女の涙をすくった。
近「琴音ちゃん…今言う事じゃないと思うが……最後なら聞いてほしい」
「…なんでしょうか」
近「俺は琴音ちゃんの事が大好きだ。
だがそれは娘のようだからとかそんなもんじゃなく、一人の女性として」
「っ!/////……えっ…。」
近「琴音ちゃんが万事屋の事を好きなのは分かっている。
俺の事を見てくれとかそんな事は言わない。
だが、トシや総悟もちゃんと自分の気持ちを伝えてるのに、俺が何も伝えないのはどうも腑に落ちなくてな
伝えられるときにちゃんと伝えたかったんだ。」
近藤は今まで抱えていた思いを琴音に告げると、優しい笑みを浮かべ彼女の頭を優しく撫でた。
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