第35話 帰って来れる場所があるだけ幸せだ。
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楽しい時間はあっという間に過ぎていき、時間は深夜1時になっていた。
お店には酔っぱらって潰れた人たちや、騒ぎ疲れた人たちがソファーやカウンターで眠っており、琴音は風邪を引かない様にとお登勢が持ってきた掛け布団を上からかけて回った。
「お登勢さん、すみません遅くまで。
それと今日は本当にありがとうございました。
私…凄く楽しかったです」
カウンターではお登勢がタバコを吹かしており、寝ている人たちの姿を見て小さく笑みを浮かべた。
登「琴音が喜んでくれたんなら、あたしゃそれで満足だよ。
…それにこいつらだって、今日のこの日をとても楽しみにしてたからね」
「クスっ…退院祝いだけど、まるで誕生日をお祝いされてるような気分でしたよ♪」
登「それだけ心待ちにしてたって事さ。
琴音の意識が無かったとき、皆生きた心地がしなかったんだよ……特に銀時。
…アイツは特に琴音の側から片時も離れようとはしなかったからね」
「…銀ちゃん」
登「他の奴等だってそうさ……誰かが毎日毎日お見舞いに来て、今日こそは、今日こそはって願いを抱きながら病室に来てたんだよ。
…琴音、アンタは幸せ者だよ。
皆に想われ、愛され。
そしてアンタの笑顔でコイツ等が笑顔でいられる」
「私の笑顔で……」
【琴音殿は皆を笑顔にする…幸福を与えてくれる…守りたいと思わせてくれる…。
ーーーー琴音殿だからこそ…。】
「…クスっ」
登「ん?どうかしたのかい?」
「いえ、前に言われた事を思い出しちゃって。
私何も出来ないけど、私が皆を笑顔にしてるって言われた事があって…。
お登勢さんも同じような事を言うもんだから、なんだか可笑しくて」
登「フッ…じゃあそれは皆が共通して思っているってことさ」
「本当、私は幸せものですv
あ、私上でお布団を敷いてきますね。
せめて神楽ちゃんだけでもちゃんとお布団で寝かせないと風邪引いちゃうから」
琴音は寝ている人たちを起こさない様に静かに出て行くと、一人カウンターに残ったお登勢がタバコを吹かしながら口を開いた。
登「盗み聞きとは感心しないねぇ」
銀「フン…ババァのデケー声で目が覚めちまっただけだ」
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