第52話 愛は盲目
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
マ「サッチお前、最初から知ってんだろ……ひなみがどこ行ったか」
サ「えぇ〜?
いやいや、さっきまでここにいたのは確かだけどさ。
出て行くときも特に何も言わなかったしな〜」
マ「…お前、嘘ついてねぇよな?」
サ「嘘なんてそんな〜
俺はパン作ることとひなみちゃんの笑顔しか興味ないからな〜」
サッチは軽く口笛を吹きながらパンにバターを塗り続け、そのとぼけた態度にマルコのこめかみがピクッと再び跳ねる。
マ「ふざけてんじゃねぇよい……!」
声が低くなり睨みつけるような目がサッチに突き刺さる。
サ「おいおい、そんなに睨まないでくれよ。
厨房では俺はただのコックだぜ? 」
エ「てかマルコ、お前……なんか様子おかしくねぇか?」
マ「おかしくなんてねぇよ!」
エースの問いかけにマルコは思わず強い語調で返してしまい、食堂の空気がまた凍りつくと、彼は髪を乱暴にかき上げてグルグルとその場を歩き回り始めた。
明らかに落ち着きを失っている。
マ「朝からずっと探してるのによい
……見つからねぇ
…あいつの声も気配もねぇ
俺はただ、顔を見て……話をして……それだけでいいのによい……」
サ「それ“だけ”って言いながら、完全にひなみ欠乏症じゃねぇか」
エ「あぁ、ちょっと怖いレベルで依存してるぞマルコ……∪」
マ「うるせぇよ!」
マルコはテーブルをドンッと叩くと、パンくずが跳ねると同時にコップの中の紅茶が揺れ、マルコの中で溜まっていた想いが爆発した。
マ「お前らは分かってねぇ!やっと記憶が戻ったんだよ!
やっと……やっと、ひなみの事ちゃんと想い返せたのによい……!
記憶がない間、俺はひなみの側にすらいれなかったんだぞ!」
サッチとエースは顔を見合わせた。
エ「……おいおい、本格的に“取り憑かれてる”っぽいぞ∪」
サ「今のマルコは、ほんとこえぇな∪」
マルコは拳を握り締め肩を震わせながら呼吸を整えるようにゆっくりと吐息をついた。
マ「……探しに戻る」
エ「お、おい、待てよ!」
だが、マルコはもうエースの言葉すら届かず、鋭い眼差しのまま食堂の扉をバンと開けて出て行った。
その背中は、まるで“鬼”のように異様な気配を放っていた。
END
