第52話 愛は盲目
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マルコの記憶が戻ってからの翌日、朝日が差し込み始めたモビーディック号の甲板には早朝の澄んだ潮風が吹き抜けていた。
今日も一日気持ちのいい穏やかな天候で、ナースやクルーたちが各々の持ち場に散っていく中、マルコは船内をキョロキョロと見回していた。
マ「…おかしいよい。
さっきまでひなみは甲板で洗濯物干してたはずなのに…どこ行ったんだよい…」
彼はまるで子供のように不安げな顔で甲板から厨房、果ては航海室にまで足を運んではクルーに声をかけていた。
マ「なぁ、ひなみ見なかったかよい?」
クルー「いや、みてないっすね」
マ「そうか…
あ、おいビスタ!
ひなみ見なかったかよい?」
ビス「ん?ひなみならさっき廊下ですれ違ったが」
マ「どっちだ!?」
ビス「確か…医務室に方に向かっていたような」
マ「助かったよい!」
その言葉を聞くなり、マルコは一目散に医務室の方向へと走っていった。
(…あの落ち着き払ってたマルコがこんなに慌てるとは…愛の力ってすげぇ)
ハル「ビスタどうしたの?
なんかマルコ凄く焦っていた感じに見えたけど」
ビス「おぉ、ハルタ
——いや、ひなみを探しているだけみたいだったから医務室に行っているのを見かけた事を教えたんだが」
ハル「え?ひなみならさっき食堂に向かっているのを見かけたよ」
ビス「Σそうなのか!?
マルコに申し訳ない事をしてしまったか」
ハル「別にいいんじゃない?
いずれ見つけることはできるよ!」
ビス「…それもそうだな」
2人はハハっと笑いながらそれぞれの持ち場に戻っていった。
その頃マルコはビスタからの情報を頼りに医務室の扉を開けた。
「……ひなみ?」
中を覗き込むが部屋には彼女の姿はなく、整頓されたままのベッドと薬品の匂い、そしてオーウェンと数人のナース達の姿があるだけだった。
マ「……ついさっきまで、いたって感じだな」
マルコはベッドの端に腰掛け、無意識に自分の髪をかき上げた。
ベッド横にあるサイドテーブルに置かれた湯呑の中には飲みかけの薬湯が残っており、完全に冷めきっていないことからほんの数分前までここに彼女がいたのは間違いなかった。
「またどっかに歩いて行ったのか……
まったく、せめていく場所ぐらい報告してくれよい……」
呆れたようにため息をついたが、その瞳の奥には焦りの色がにじんでいた。
彼女がどこに行ったのかまるで見当がつかない。
だが、何か胸騒ぎのようなものが、マルコの背中を微かに撫でていった。
オ「おやマルコ隊長なにか用かい?」
医務室をキョロキョロを見渡すマルコの姿に気づいたオーウェンは彼に話しかけた。
マ「あ、いや…ここにひなみが来てたんだろ?」
オ「ひなみならここにいたが」
「本当かよい!?
それでひなみはどこだ!?」
オ「診察してどこも問題がなかったが、念のため薬を飲ませたんじゃが…
おーいカミラ、ひなみの居場所は知っておるか?」
カミラ「ひなみならドクターが処方した薬が苦いからって、飲み物を貰いに行くと言ってたわよ
…そんなことよりもマルコ隊長…
あなた私の可愛いひなみを随分泣かせてくれたわね!#
正直私もリリーもルーナも、もちろん他のナース達も全員アナタを許したわけじゃないからね#」
マ「…ゔっ∪」
マルコはカミラ含め、周りのナース達に視線を向けると、今にもマルコにメスや注射器を投げつけてきそうな怒りの黒いオーラを発しており、彼も薄ら冷や汗をかいていた。
オ「マルコ隊長、ここは早く逃げておいた方が良さそうじゃな
ナース達がキレると、ワシでも止めることはできんからのぉ」
オーウェンは苦笑いを浮かべると、マルコも「面倒ごとはごめんだよい」とだけ言い残し医務室を後にした。
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