第86話 新たな世界に向かって
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穏やかな波が一面に広がり、空高くには暖かな太陽と心地よい風が辺りを包み込んでいる中、海鳥達も気持ち良さそうに羽ばたいていた。
そんな中レッドフォース号の船首には、サラサラと髪をなびかせ、風を感じている一人の女性の姿があった。
シャ「ののか…行くのか?」
「シャンクスさん……うん、この島にルフィ達がいるんでしょ?」
エースを失った淋しさ、そして誰も守る事が出来なかった悔しさから、ののかはシャンクスの元で必死に修行をした。
そして、あれから2年の年月が経った。
雨の日も風の日も、嵐が来ても雪が降っても、ののかは少しでも強くなるように、毎日休む事無くシャンクスやベンに修行を付けてもらい、今日のこの日を待ち望んでいた。
2年前に比べて能力は使いこなせるようになり、新しい技も取得する事ができ、彼女が成長する度に赤髪海賊団のクルー達は自分の事のように喜んでくれた。
シャ「あぁ、情報が確かならな
まだはっきりと分かってないんだし、まだ此処にいたらどうだ?」
「クスっ、本音は?」
シャ「…まだののかを手放したくない」
ルフィ達が今向かっている島にいるという情報を手に入れたのでやってきたが、いざののかが船を降りるとなると、シャンクスは手放したくない気持ちでいっぱいだった。
後ろからののかの事をギュッと抱きしめると、彼の温もりと香りが伝わってきた。
「私も此処を離れるのはとても淋しいよ
ーーでも私はルフィ達の所に戻らないと…」
ベン「ののか、準備は出来ているか?」
「うん、いつでも大丈夫!」
上陸が近くなった事を知らせにきたベンに気づきののかは振り返ると、そこにはクルー達全員の姿があった。
ルウ「ハァ〜…ののかがいないと淋しいなぁ」
ヤソ「可愛い娘の旅立ちか…」
シャ「やっぱり降りるのはもう少し先が良いんじゃないか!?」
ベン「お頭、往生際が悪いぞ」
「私、シャンクスさんや、ベンさん…そして皆さんにはとても感謝しているよ。
こんな私の為に2年間も力を貸してくれてありがとうございました。
そして、私を此処まで強くしてくれてありがとうございました」
ののかは深々と頭を下げ皆にお礼を言うと、シャンクスは彼女の頭にそっと手を乗せた。
シャ「俺達はいつもののかの見方だ。
いつでも遊びに来い
ーーそれと、あまり無茶はするなよ
じゃないと、心配で夜も眠れなくなってしまうからな」
「っ!」
ベン「フッ、そう言う事だ
此処はののかの居場所でもある」
「シャンクスさん…ベンさん…本当にありがとうございました!
皆さん!行ってきます!」
ニコッと笑みを浮かべののかは船から降りると、彼に背を向けて島の方へと歩みを進めた。
本来なら彼女の腕を引っ張ってでも、この船に止めておきたかったが、その気持ちをグッと堪えてシャンクスはののかの背中を見送った。
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