第107話 この思いーー好きだという気持ち
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焦る気持ちを胸に抱き、足を止めた目の前には色鮮やかな花々に包み込まれるように”エドワード・ニューゲート”と書かれた大きな墓石と、その墓石に寄り添うように”ポートガス・D・エース”と書かれた小さな墓石がののかを出迎えた。
ののかはそっと近くまで歩み寄り彼等の墓石の前に佇むと、その美しい景色に言葉すら失い何も話す事ができないでいた。
すると、少し遅れてやってきたマルコはそっと彼女の隣に寄り添うと沈黙を破るようにして口を開いた。
マ「……綺麗だろい?
ここはオヤジやエースにとっては楽園だよい」
「……っ」
エース……
やっと……やっと会えたね
ののかの瞳からはポタポタと止めどなく涙が流れ落ちると、そのまま彼等の墓石の前でゆっくりと座り込んだ。
「…マルコさん……私は…ずっとエースの言葉を胸に……この2年間を……過ごして…きました……。」
【……ハァッ……ののか…。
自分を…責めるなよ……ハァッ……俺の為に……頑張って…戦ってくれた事……スゲぇ嬉しかった……。
これからも……ハァッ……ハァッ……俺の為に……笑顔で…いてくれ…ハァッ……】
涙の所為で言葉は途切れ途切れになっていたが、それでもののかはゆっくりとハッキリとした言葉で話しをした。
「エースの…最後の願いが……私が…笑顔でいる事なら……っ…わ、私は……彼の為にも……泣いては…いけないんだって…っ…。
ーーだから…今日もエースに会ったら……笑顔で…っ……笑顔で「私は元気だよ」って……言いたかったのに…」
言葉を発する度に涙は止まる事を知らず、どんなに我慢をしようとしてもそれは寧ろ逆効果だった。
ーーそして次の瞬間…。
”ギュ”
突如ののかの視界は真っ暗になり何が起こったのか分からないでいると、全身に優しい温もりを感じたと同時に自分の事をギュッと抱きしめる感触を感じた。
「……っ!
ーーマルコ…さん…?」
マ「…無理して笑おうとすんじゃねぇよい
泣きたい時には思いっきり泣けば良い……嬉しい時には思いっきり笑えば良い…。
そんな作られた笑顔を見てもエースは心から喜んだりしねぇよい」
どうして一人で全てを背負い込もうとするんだい?
どうして一人で頑張ろうとするんだい?
どうして無理して笑おうとするんだい?
「っ…ヒクッ…でも…ぅう…でも!」
マ「…ののか……エースがののかの笑顔を…これからも笑っているののかを望むというなら、それは俺だって同じだよい
でも、それでもののかが悲しくて、苦しくて、どうしても笑えない時があるというなら…俺が側にいてやるよい
ののかがこれから少しでも笑っていられるなら」
「マルコ…さん……」
ののかはマルコの事を見上げると、マルコもまた彼女に優しい笑みを送った。
「ーーどうして…そこまで…?」
ーーどうして?
さぁ…どうしてだろうねい
どうしてか分からねぇけど
マ「ののかの事
ーー好きになっちまったんだよい」
END