第106話 本気になった恋
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髪を乾かしてもらったののかに引き続き、マルコがシャワーを浴びてくると言ってリビングを出て行った。
彼が戻ってくるまで何もする事がなかったののかは窓の方に視線を送るとテラスにはデッキチェアが置かれていた。
ののかは夜風に当たろうとテラスに出てくると、心地よい風が彼女を包み込み、空を見上げれば満天の星空が空一面に光り輝いていた。
「…綺麗
こんな綺麗な星が海以外からでも見れるなんて」
近くにあったデッキチェアに座り背を預けるようにして空を眺めていた。
いつもは船の上なので風と波の音が一緒に聞こえてくるが、ここは海と違って余計な音は一切聞こえてこず、かわりに鈴虫のような心地いい虫の音が聞こえていた。
「…静かだなぁ〜」
私がいた世界と全然違う…。
車の音、町を行き交う人々の声、店から漏れ出るサウンド。
全てが煩くて…騒音でしかない世界に対して…。
この世界は全てが違う…。
マ「こんな所にいたのかよい」
「あ、マルコさん」
マ「姿が見えねぇから心配したよい」
風呂から上がったマルコはののかの姿が無かった事に少し心配になったが、外にいた彼女を見つけてホッとしていた。
「すみません心配かけちゃって
…星がとても綺麗だったので」
マ「星なんて船からでも見れるだろ」
「そうなんですけど、船から見る星と陸から見る星は少し違う感じがするんですよ」
マルコはののかが座っているデッキチェアの足下に腰をかけると、彼の髪が少し濡れている事に気付いたののかはマルコの首にかかっているタオルを取り、彼の目の前に立って頭を拭きだした。
「マルコさんも人の事言えないじゃないですか
風邪引いちゃいますよ」
マ「っ//////
…俺は別に風邪なんてひかねぇよい」
ののかは少し子供っぽいマルコに「かわいいなぁ」と思ってしまいクスッと笑みを漏らしていた。
「マルコさんって見た目と違って髪フワフワですよね♪」
マ「そうか?
自分じゃあまり気にした事無かったならな
俺なんかよりののかの髪の方が綺麗だと思うよい」
マルコは夜風によってサラサラとなびくののかの髪をそっと手に取り自分の指に絡めた。
「ありがとうございます
髪の事を褒められた事なんてあんまりないから少し照れちゃいますね
ーークシュンっ」
マ「そろそろ中に戻らねぇと、本当に風邪引いちまうよい」
マルコは手を引いて部屋の中に入り、先ほど作っていた珈琲をののかに渡した。
そして、それを一口飲むと、少しばかり冷えてしまった体に暖かな温度が染み渡っていき、ののかは「はぁ〜」っと小さく溜め息を吐いた。
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