第34話 君を感じさせて
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この世界の空は……
こんなにも美しかったのか…
この世界の海は……
こんなにも広かったのか…
この世界の空気は……
こんなにも澄んでいたのか…
私が居た世界は……
見えない所で汚れきっていた…
今宵の夜空は雲一つ無く、月明かりに照らされた海は鏡の様に空を映し出し、満点の星空はまるでプラネタリウムのようにキラキラと輝いていた。
もしかしたら流れ星でも流れてくるんじゃないだろうかと、空をしばらく眺めていたがいっこうにそんな気配もなく、ただ心地よい波の音と風の音がののかの耳を通り過ぎていった。
「私のいた世界に比べたら…この世界は本当に綺麗だ…」
私のいた世界……
お父さん、お母さん、お兄ちゃん…
もし皆が今でも生きていたら、私はこの世界に来なかったのかなぁ?
もしかしたら、あの家で皆でまた笑って暮らしていたのかなぁ?
そっと瞳を閉じると、瞼の向こうでは楽しそうに食卓を囲む自分たちの姿があり、2年たった今でも思い出すと涙が止まらなかった。
母(いつもごめんね一人にさせてしまって)
母(お母さんね、いつも空を眺めてたわ
陸は繋がってなくても、空は繋がってるからね…。)
空は……繋がっている…
「繋がっている筈なのにん……
なんでこんなにも遠いのかなぁ?」
ののかは目に熱く込み上げてくるものを感じた。
それは自然と頬を伝いポタポタと下を濡らしていった。
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