第85話 約束と決意、そして2年後に向かって
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その頃ののかは一人、船から離れた岩場で海を眺めていた。
日中はずっとこの場所で何をかをするわけでもなく、一日中ボーッと何かを考えていた。
エース……。
私は何も出来なかった…
何も守れなかった…。
そんな不甲斐無い私は…これから先何かを守る事は出来るの?
……こんな私が……。
ーー私が……。
「……っ……ぅ…ぅう……」
ののかの脳裏にはエースの姿がちらつき、彼の姿を思い出す度に彼女の瞳には涙が溢れ、その視界は涙で歪んでいた。
頬に伝うとその雫は下へ落ちていき、乾いた岩場を濡らしていった。
その時だった。
突如後ろから手が伸びてきたかと思うと、彼女の体は引き寄せられるかのように後ろへと下がり、一瞬驚いた表情を浮かべ、気がついた時には背中に温もりを感じていた。
「っ!」
”ギュ”
「…シャ…ン…クス…さん」
シャ「風に当たりすぎだ……体がこんなにも冷えてしまってるじゃないか」
「……ゴメン…なさ…ぃ」
シャ「いや………俺の方こそすまない」
「…え」
シャ「今は気持ちが落ち着くまでそっとしておこうと思っていたが、ののかが辛い今こそ側にいてあげるべきだった」
「そ、そんなこと……」
シャ「そして…また泣かせてしまったな」
シャンクスはののかの体を反転させ、自分の方に向かせると、目から流れ落ちた涙を指ですくった。
「……辛いのは私だけじゃない………私なんかよりルフィの方がどれだけつらいか……
どれだけ悔しいか…
こんなときルフィの側にいてやる事が出来ないなんて……私は自分が嫌になってしまいそう」
シャ「以前俺は『もうこれ以上自分を憎まないでくれ』と言っただろ?
大切な人を失った気持ちは忘れられないし、忘れようとしなくてもいい。
だが、今この場に止まって時を止めたままでいいのか?
新たな一歩を踏み出さない限り、ののかはこの先も弱いままだ」
ーー弱いまま
私は…私は……
【ーー私はいつも皆から守られてばかりだった。
ーー私はいつも皆の足手まといだった。
ーー私はいつも見ていることしか出来なかった。
でも能力者になって、少しずつだけどやっと皆と同じ場所に立てた。
皆と一緒に戦うために、大切な人を守る為にこの能力を使いたい!!】
私の決めた思い…
皆と戦うため…
大切な人を守るため……
シャンクスの言った言葉で、ののかは能力者になった本来の目的を思い出した。
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