第64話 カエカエの実
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「…お父さん……お母さん……お兄ちゃん」
目の前の鏡にはののかと、彼女の両サイドに両親と兄の姿があった。
ののかは驚きのあまりバッと自分の両サイドを見たが、当然彼等の姿は無く、あくまでも鏡にだけ姿が映っているだけだった。
ののかは鏡にそっと触れると、その隣にいた母親が鏡の中でののかの事をギュッと後ろから抱きしめ、父親は優しい笑みを浮かべて彼女の頭を撫で、兄はののかを見てニカッと笑っていた。
「っ……」
も、……もう…逢えないと思ってた
あの日から…何度もう一度逢いたいって思った
「っ…ぅ……ヒクッ……お父…さ…ん…ぅう…お…母さん……ヒクッ…お兄ちゃ……ヒクッ」
ののかの瞳からはボロボロと大粒の涙が流れ落ちた。
(ののか……長い事待たせたな)
(お母さん達ずっと貴方に逢いたかったのよ)
(悪い…泣かせちまって)
(今度はもう皆一緒だ)
(ののかを一人になんてしないわ)
「皆と…一緒……」
あぁ…これでまた
お父さんとお母さんとお兄ちゃんと一緒にいられるんだ
また四人で……あの家で暮らせるんだね。
もう一人にしないで
もう私のもとからいなくならないで
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