第63話 不意義な鏡
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「此処から何としてでも逃げ出さないと」
部屋に一人残っていたののかは、扉を少し開けて当たりをキョロキョロ見渡すと、そこに誰もいない事を確認した。
よし、誰もいない!
見た感じ見張りはいないみたいだし、今なら何とかして逃げられるかもしれない!
ののかは部屋を飛び出すと念のため見つからない様に、廊下を曲がる時は壁に背を向けて慎重に当たりを見渡して先へと進んだ。
「このヒールじゃ廊下に音が響いて直ぐに気付かれちゃうかもしれない∪」
廊下を走っていると辺りが静かな分、ののかの履いていたヒールがカツン、コツンと音を立てて響き渡り、これでは誰かに気づかれてしまうと思ったののかはヒールを脱ぎ捨てた。
ののかが連れてこられたお城は思ってた以上に広く、先ほどまで誰もいなかったのに、歩みを進めるにつれて城内を巡回している人たちの姿が目立ってきた。
「どうしよう∪
見つからない様にしないと」
カ「どうかしましたか?」
「あ、うん
此処から逃げたいんだけど、出口が分からなくて……Σって、ぇぇええ!!∪」
カ「逃げられると思いましたか?」
ののかは前方にばかり気が行っていたため、背後から声をかけてきたのがカイザである事に気づかず、普通に逃げています宣言をしてしまっていた。
しかし、気づいた時には既に遅く、カイザはののかが逃げない様に首根っこをガシッと掴んだ。
「離して!はーなーしーてー!!#」
カ「それは出来ません。
ギルビア様の命ですので」
「…っていうか何で此処が分かったの?#」
カ「この城にはギルビア様の能力で作られた鏡があります。
その鏡を通じてギルビア様が監視されているのです。
なので貴女様の行動は筒抜けだったんですよ」
カイザは城の屋根付近を指差し、ののかもそちらに視線を向けた。
すると確かにそこには丸い金の額に入った鏡が飾られており、ののかはよくよく辺りを見渡すと、同じ様な鏡がある事に気づいた。
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