六畳一間の魔王さまの日本侵略日記
正月も過ぎて、二月になりました。
魔王がリュウを育てるようになってから、かれこれ十ヶ月が経ちます。
リュウの離乳も進み、離乳食も細かく切った豆腐や煮込んだ野菜など、柔らかめの固形物も食べられるようになってきました。
魔王は手作りした野菜と豆腐の煮込みをリュウの口に運びます。
「よしよし。偉いのぅ、リュウ」
「だう」
はじめのころより随分と表情ゆたかになった未来の幹部。ごはんのあと、元気にはいはいをはじめます。
「まー」
「ぬ。どうしたのだ、リュウ」
魔王に向かって手を伸ばし、口をモゴモゴします。
「まーま」
リュウの口から出てきた言葉は、赤ちゃんが初めて喋る言葉リスト上位にランクインする、ママでした。
あいにくママに該当する人間がここにはいません。
魔王を見てママと言っているのです。
ママでもパパでもとりあえず喋ったことに違いありません。
「おお! リュウが喋ったぞ。なんと賢いことか! さすが我が配下だ!」
『ぬぬぬ、人間にしてはやるなリュウめ! しかし魔王様の一番の配下はこのサンダーバード!』
「ワンワン!」
ケルベロスもナンバーツーの座は渡さない! と吠えます。
「トメ、トメー! 来てくれ! リュウが喋ったぞおおお!」
魔王は感激のあまりリュウを抱っこして、のどか荘中の人にお知らせしてまわりました。
もうどこからどう見ても子煩悩パパですが、本人に自覚はありません。
たまたま遊びにきたケンとショウも大喜びです。
「喋れるようになったなら歩くまであと少しだなリュウ! そしたら俺たちの秘密基地にとくべつにショータイしてやる!」
「基地に入るときにはリーダーにあいさつするんだよ!」
「あー」
ようやく単語一つ喋れるようになったばかりなのに気の早い兄貴分たちです。
でも、リュウが二人と遊び回るようになるまでそう時間はかからないだろうと魔王には思えました。
魔王がリュウを育てるようになってから、かれこれ十ヶ月が経ちます。
リュウの離乳も進み、離乳食も細かく切った豆腐や煮込んだ野菜など、柔らかめの固形物も食べられるようになってきました。
魔王は手作りした野菜と豆腐の煮込みをリュウの口に運びます。
「よしよし。偉いのぅ、リュウ」
「だう」
はじめのころより随分と表情ゆたかになった未来の幹部。ごはんのあと、元気にはいはいをはじめます。
「まー」
「ぬ。どうしたのだ、リュウ」
魔王に向かって手を伸ばし、口をモゴモゴします。
「まーま」
リュウの口から出てきた言葉は、赤ちゃんが初めて喋る言葉リスト上位にランクインする、ママでした。
あいにくママに該当する人間がここにはいません。
魔王を見てママと言っているのです。
ママでもパパでもとりあえず喋ったことに違いありません。
「おお! リュウが喋ったぞ。なんと賢いことか! さすが我が配下だ!」
『ぬぬぬ、人間にしてはやるなリュウめ! しかし魔王様の一番の配下はこのサンダーバード!』
「ワンワン!」
ケルベロスもナンバーツーの座は渡さない! と吠えます。
「トメ、トメー! 来てくれ! リュウが喋ったぞおおお!」
魔王は感激のあまりリュウを抱っこして、のどか荘中の人にお知らせしてまわりました。
もうどこからどう見ても子煩悩パパですが、本人に自覚はありません。
たまたま遊びにきたケンとショウも大喜びです。
「喋れるようになったなら歩くまであと少しだなリュウ! そしたら俺たちの秘密基地にとくべつにショータイしてやる!」
「基地に入るときにはリーダーにあいさつするんだよ!」
「あー」
ようやく単語一つ喋れるようになったばかりなのに気の早い兄貴分たちです。
でも、リュウが二人と遊び回るようになるまでそう時間はかからないだろうと魔王には思えました。