真実の愛を選んだら婚約者に呪われて一日が200文字になった騎士の話

「本当にありがとうヒイロ。惚れ直したよ」
「どういたしまして。昔、私が村の男の子に意地悪されて閉じ込められたとき、セイが助けてくれたでしょ。あのときのこと思い出した」
「僕も」

 村を出た僕らは、ゼン領の領主様がいる町を目指していた。いくらカナリが貴族でも、他家の領主の前で横暴はできないはず。

 繋いだ手が温かい。逃げることができてよかったと心から思う。
 剣もヒイロが取り戻してくれた。
 追手が来る前に先を急ごう。
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