真実の愛を選んだら婚約者に呪われて一日が200文字になった騎士の話

「明日にはカナリ様が来る。お前を渡せば1000万Nもらえるんだ。悪く思うなよセイ」

 扉の向こうから父の声がする。

「僕はヒイロだけを想う。金で動く貴方の息子だなんて思うと鳥肌が立つよ」
「ほざけ。剣がなきゃ何もできないだろ」

 人の気配が消えて、換気口の向こうに星が見える時間。
 扉を叩く音がする。

「待っててセイ。今、助けるから!」

 ヒイロが鉈で扉を壊してくれた。

「ありがとう、ヒイロ」

 手を取り、あてもなく逃げた。
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