真実の愛を選んだら婚約者に呪われて一日が200文字になった騎士の話

 使い魔を振り切り、日暮れ前にゼン領の村についた。
 ヒイロをこれ以上野宿させたくなくて、おじいさんに声をかける。

「すみません。一晩泊めてもらえませんか。せめて、ヒイロだけでも」
「だ、だめよセイ。セイも休まないと」
「僕はいいんだよ。ヒイロは休んで……」

 二人で言い合っていると、おじいさんが笑う。

「この村にゃ宿がねぇからな。二人ともウチに泊めてやる」

 ご厚意で一晩泊めてもらえることになった。
 優しい人で良かった。
5/14ページ