真実の愛を選んだら婚約者に呪われて一日が200文字になった騎士の話

 あと少しでセイを捕まえられたのに。
 町の騎士隊を呼ぶまでそこにいろと、納屋にぶち込まれた。
 縄で手足を縛られて動けない。食事もくれやしない。

 カナリ嬢は「役立たず」と俺を罵り、どこかに行ってしまった。助けろよ。あんたのために動いたのに。

 昨年の暮に妻が死んでから、長年の取引先が離れていって借金だけが残った。

「セイが逃げなければ店を立て直せたのに。親不孝者め!」

 扉の外から、見張りのジジイのため息が聞こえた。
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