ユーメシ! 〜ゲーム実況ユーチューバーの異世界メシテロ〜
剣術を習うようになり、雨の日はドロシーばあさんのところで勉強、晴れたら剣の特訓というスケジュールができた。
この世界で生きていくためにはどちらも必要なことだ。
朝の日課である畑の水やりに出て、オレは歓声をあげてしまった。
ここにきたばかりの頃に植えた種が、ついに収穫できるまでに実ったのだ。まるまる太って、見るからに美味しそうな赤みがかった野菜だ。
「うおっしゃああああ!! ミミ、ミミーー! 来てくれ、あの野菜、ずいぶんデカくなったぞ!」
「キムランうるさい」
朝ごはんの支度の真っ最中だったから、ミミの眉間にシワがよる。そんなミミの手を引いて、畑に戻る。
「ごめーん! でも見てくれよ。これもう食える?」
「うむ。ココロカブがたべごろ」
ミミは長く伸びた葉っぱを両手で掴んで引き抜く。土に隠れていた野菜の本体がお目見えした。
熟れたマンゴーを思わせるような赤みの強いピンク色で、甘い匂いがしていて、ハート形。日本で収穫できたならオンスタ映えで人気になること間違いなしの見た目だ。
「これってココロカブって言うのか。確かにハート形だもんな。今日もう食ってもいいやつ? それとも天日干ししたりする?」
「せっかくだから、あさごはんにする」
「やったーーーーーー!」
「キムランうるさい」
今日何度目かのお叱りを受けてしまったい。とりあえず食べごろサイズになっているものは全部収穫した。けっこうな力仕事だったけれど、ここ最近剣の特訓をしているから体力がついてきたのか、一人で全部こなせた。
井戸水を汲んできて、ココロカブの泥を丁寧に落とす。
かごに入れて、キッチンに立つミミのところに運ぶ。
「ミミ、洗い終わったぞー」
「じゃあ、はっぱをおとして。カブは、ちょっとあつめにきる」
「おっけー!」
包丁でざっくりと葉を切り落として、ココロカブを半分に切り、厚さ2センチくらいに切り分ける。なんとココロカブの皮の内側、中心部はきれいな黄色だった。
「切ったよ」
「そしたら、いためる」
ミミが取り出したのは海ヒツジのミルク……のようでいてそうではない。液体ではなくプリンのような塊になっている。
「ミルクかためたやつ。ひをとおすとあぶらになる」
「へー、あっちで言うバターかな」
ミミがフライパンに海ヒツジのバターを入れて、溶けたところに香草とカブを入れる。
じっくり炒めて火が通ったら裏返し、ウラ面もしっかり焼き色を付ける。味付けはシンプルに、塩だ。
この時点でもうヨダレがとまらん。
切り落とした葉は昼に肉と一緒に煮込むらしい。朝飯はカブのバターソテー、そして昨日ドロシーばあさんがくれた手作りパンだ。
皿に盛ったら二人でお祈りして、いただきます!
「うおおぉぉぉーー! うんめぇーー! なんだこれ、このカブすっごいホクホク! 噛めば噛むほど味が出てくるし、なんでこんなに柔らかいの!?」
「ココロカブ、ミルクとこうそうのあじしみる」
「へぇ〜。良いな、これ。すっげー美味いし、気に入った!」
「それはよかった」
パンも軽く焼いてバターを塗って食べる。ジャムによく使うモリベリーが練りこまれているから、ほんのり酸っぱい。
昨日からミミが煮込んでいた豆のスープで喉をうるおし、カブのソテーを食べる。どれも美味くて心も体も大満足だ。
ミミもココロカブが好きみたいで、大口を開けてかぶりついている。
よーし、満腹になったし、軽くストレッチして今日も剣術の特訓がんばろう!
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この世界で生きていくためにはどちらも必要なことだ。
朝の日課である畑の水やりに出て、オレは歓声をあげてしまった。
ここにきたばかりの頃に植えた種が、ついに収穫できるまでに実ったのだ。まるまる太って、見るからに美味しそうな赤みがかった野菜だ。
「うおっしゃああああ!! ミミ、ミミーー! 来てくれ、あの野菜、ずいぶんデカくなったぞ!」
「キムランうるさい」
朝ごはんの支度の真っ最中だったから、ミミの眉間にシワがよる。そんなミミの手を引いて、畑に戻る。
「ごめーん! でも見てくれよ。これもう食える?」
「うむ。ココロカブがたべごろ」
ミミは長く伸びた葉っぱを両手で掴んで引き抜く。土に隠れていた野菜の本体がお目見えした。
熟れたマンゴーを思わせるような赤みの強いピンク色で、甘い匂いがしていて、ハート形。日本で収穫できたならオンスタ映えで人気になること間違いなしの見た目だ。
「これってココロカブって言うのか。確かにハート形だもんな。今日もう食ってもいいやつ? それとも天日干ししたりする?」
「せっかくだから、あさごはんにする」
「やったーーーーーー!」
「キムランうるさい」
今日何度目かのお叱りを受けてしまったい。とりあえず食べごろサイズになっているものは全部収穫した。けっこうな力仕事だったけれど、ここ最近剣の特訓をしているから体力がついてきたのか、一人で全部こなせた。
井戸水を汲んできて、ココロカブの泥を丁寧に落とす。
かごに入れて、キッチンに立つミミのところに運ぶ。
「ミミ、洗い終わったぞー」
「じゃあ、はっぱをおとして。カブは、ちょっとあつめにきる」
「おっけー!」
包丁でざっくりと葉を切り落として、ココロカブを半分に切り、厚さ2センチくらいに切り分ける。なんとココロカブの皮の内側、中心部はきれいな黄色だった。
「切ったよ」
「そしたら、いためる」
ミミが取り出したのは海ヒツジのミルク……のようでいてそうではない。液体ではなくプリンのような塊になっている。
「ミルクかためたやつ。ひをとおすとあぶらになる」
「へー、あっちで言うバターかな」
ミミがフライパンに海ヒツジのバターを入れて、溶けたところに香草とカブを入れる。
じっくり炒めて火が通ったら裏返し、ウラ面もしっかり焼き色を付ける。味付けはシンプルに、塩だ。
この時点でもうヨダレがとまらん。
切り落とした葉は昼に肉と一緒に煮込むらしい。朝飯はカブのバターソテー、そして昨日ドロシーばあさんがくれた手作りパンだ。
皿に盛ったら二人でお祈りして、いただきます!
「うおおぉぉぉーー! うんめぇーー! なんだこれ、このカブすっごいホクホク! 噛めば噛むほど味が出てくるし、なんでこんなに柔らかいの!?」
「ココロカブ、ミルクとこうそうのあじしみる」
「へぇ〜。良いな、これ。すっげー美味いし、気に入った!」
「それはよかった」
パンも軽く焼いてバターを塗って食べる。ジャムによく使うモリベリーが練りこまれているから、ほんのり酸っぱい。
昨日からミミが煮込んでいた豆のスープで喉をうるおし、カブのソテーを食べる。どれも美味くて心も体も大満足だ。
ミミもココロカブが好きみたいで、大口を開けてかぶりついている。
よーし、満腹になったし、軽くストレッチして今日も剣術の特訓がんばろう!
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