第1話 地獄大一番
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「閻魔大王ッ!」
「阿鼻地獄で、川が氾濫していますっ」
「天国から要請書が…」
「黒縄地獄は、財政が破綻しそうですっ」
多くの鬼たちに詰め寄られ、お手上げの閻魔大王を横目に判子を押すだけの仕事。一枚押したら、次の一枚…また押したら次の一枚…と同じ作業が続く。無心で完全作業化したいところだが、中には無理難題を、さも当然と書類に出してくる輩がいるから、気が抜けない。
「大王ーッ、また亡者がドッと…」
「うわーッ、今いっぱいだよッ」
戦後の行動経済成長によって一気に人口が増加した日本。犯罪も凶悪化している。それにより、あの世と言われる天国・地獄が今、大混乱を起こしているのだ。
「白鷺様!衆合地獄で亡者が一揆をおこそうとしています。」
「そっちで片付かない?」
「無理です!」
私は仕方なく終わったばかりの資料をまとめると、重い腰を上げた。固まった腰が悲鳴を上げる。「あぁ~」と伸びる腰に手を当てて、反り返れば時計がちらりと目に入り、既に2時間もこの態勢であったことに気付かされる。
「あぁ~白鷺ちゃん。阿鼻地獄にも顔出して来てー」
「えぇ?もう勝手にやらせておけばよいでしょう⁉川の氾濫位でぎゃーぎゃー言わない!今はどうにもできないんだから、水が引いた後の対処を考えて!」
私は一喝を残すと獄卒に袖引かれるまま衆合地獄へと向かった。
一方地獄の一端では、
「だからよォ!」
一人の男が奇声を上げていた。
「ここで一番強い奴、連れてこいっつってんの!」
唾を飛ばして怒鳴りあげている。
「困りますよぉ~。そういう事は受け付けを通して頂いて…」
必死に抑え込みに入る獄卒も男の文句には肩をすくめるしかなかった。
「っか――ッ!そういう事しかいえねぇのかよっ、このマニュアル獄卒!」
ギャアギャア騒ぐ男の死角で二人の鬼がヒソヒソと顔を寄せ合っていた。
「オイ、今鬼灯様いらしてるよな?」
「え…はい確か視察で…」
「ちょっと呼んできてくれ。俺たちじゃどーにもなんねーよ」
→
「阿鼻地獄で、川が氾濫していますっ」
「天国から要請書が…」
「黒縄地獄は、財政が破綻しそうですっ」
多くの鬼たちに詰め寄られ、お手上げの閻魔大王を横目に判子を押すだけの仕事。一枚押したら、次の一枚…また押したら次の一枚…と同じ作業が続く。無心で完全作業化したいところだが、中には無理難題を、さも当然と書類に出してくる輩がいるから、気が抜けない。
「大王ーッ、また亡者がドッと…」
「うわーッ、今いっぱいだよッ」
戦後の行動経済成長によって一気に人口が増加した日本。犯罪も凶悪化している。それにより、あの世と言われる天国・地獄が今、大混乱を起こしているのだ。
「白鷺様!衆合地獄で亡者が一揆をおこそうとしています。」
「そっちで片付かない?」
「無理です!」
私は仕方なく終わったばかりの資料をまとめると、重い腰を上げた。固まった腰が悲鳴を上げる。「あぁ~」と伸びる腰に手を当てて、反り返れば時計がちらりと目に入り、既に2時間もこの態勢であったことに気付かされる。
「あぁ~白鷺ちゃん。阿鼻地獄にも顔出して来てー」
「えぇ?もう勝手にやらせておけばよいでしょう⁉川の氾濫位でぎゃーぎゃー言わない!今はどうにもできないんだから、水が引いた後の対処を考えて!」
私は一喝を残すと獄卒に袖引かれるまま衆合地獄へと向かった。
一方地獄の一端では、
「だからよォ!」
一人の男が奇声を上げていた。
「ここで一番強い奴、連れてこいっつってんの!」
唾を飛ばして怒鳴りあげている。
「困りますよぉ~。そういう事は受け付けを通して頂いて…」
必死に抑え込みに入る獄卒も男の文句には肩をすくめるしかなかった。
「っか――ッ!そういう事しかいえねぇのかよっ、このマニュアル獄卒!」
ギャアギャア騒ぐ男の死角で二人の鬼がヒソヒソと顔を寄せ合っていた。
「オイ、今鬼灯様いらしてるよな?」
「え…はい確か視察で…」
「ちょっと呼んできてくれ。俺たちじゃどーにもなんねーよ」
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