第0話 始まりは大釜から
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それからというもの、毎日のように酷いアプローチを受け続けることになる。それは世にも恐ろしいストーカーのようであった。
【あ、お疲れ様です】
【あ、じゃありませんよ。なんでいるんですか】
【そんな照れないでくださいよ。夜はこれからなんですから】
【意味が解らないんで出て行ってもらっていいですか】
【いやです】
【こっちが嫌です】
寮に帰ると何故か部屋にいたし、
【今日こそは…】
【お疲れ様です白鷺さん】
【鬼灯様、仕事はどうなさっているんですか。逆に心配なんですけど】
【お気になさらず】
【気になりますよ。毎日いたら】
どれだけ時間をずらしても必ず昼休みには食堂にいたし、
ついには閻魔大王を土下座させるとも言いだした。流石に天下の閻魔大王に土下座させることは出来ず、
「わかりました、わかりましたから!」
おでこに大きなタンコブをつけた閻魔大王の首根っこをつかんで、引きずって来る鬼灯に私はついに白旗を振った。
「え、閻魔大王に土下座させなくて良いんですか?」
「当たり前です!そこまで行くとなんだか申し訳なくなりますよ。というか、閻魔大王を土下座させようとする貴方の思考がわかりません!」
急に連れてこられたのか、現状に驚きを隠せないでいる閻魔を尻目に鬼灯は私の手をとった。
「私の妻になってくださるのですね。」
「違います。」
油断も隙もありゃしない。余計なことをぶっ込んでくるのだから。
「チッ、私の部下になってくださるのですね。」
「チッって言いましたよね。……はい。」
そう言わざるを得ない。私は小さく肩をすくめた。
「え、何の話?」
閻魔が巨体を鬼灯の後ろから覗かせる。こう見ると私よりはるかに大きな鬼灯が小さく見えてしまう。
「この方が新しい補佐官ですよ。」
「え?鬼灯君辞めちゃうの?聞いてないよ。」
「え、良いんですか。なら今すぐにでもお暇を頂きますけど。」
「冗談だよぉ!」
閻魔は苦笑いを浮かべる私にニコリと微笑みかけた。私も軽く会釈を返す。
「君が鬼灯君の言ってた子だったんだね、白鷺ちゃん。」
「お久しぶりです。150年ぶりでしょうか。」
私の裁判以来である。
「君はとっても印象に残る子だったよね。別に天国に行っても…」
「閻魔大王。それは…」
しーっと人差し指を唇に当てる。相手も悟ったのか小さく頷いた。
「まぁ、大変だけど頑張ってね。」
彼の大きな手が差し出される。西洋式の挨拶だ。
私がその手に重ねると大きさが一目瞭然。彼の親指が私の掌の大きさである。そっと握り合う。
「よろしくお願いします、閻魔大王様」
逃れられない運命には逆らわず、流れるまま身を任せるのが私の性格だ。急に湧いてきたやる気に彼はそっと微笑んだ。
「私にはよろしくして下さらないんですね。」
拗ねたように唇を尖らすお茶目な顔をした鬼灯。珍しいその表情に少々可愛らしさを感じた。
「はい、頑張ります。鬼灯様」
そっと微笑む。今日から始まる新しい生活に。
「改まって”鬼灯様”と呼ばれると、ムズ ムズ します」
「あれ、幻聴が!?」
.
【あ、お疲れ様です】
【あ、じゃありませんよ。なんでいるんですか】
【そんな照れないでくださいよ。夜はこれからなんですから】
【意味が解らないんで出て行ってもらっていいですか】
【いやです】
【こっちが嫌です】
寮に帰ると何故か部屋にいたし、
【今日こそは…】
【お疲れ様です白鷺さん】
【鬼灯様、仕事はどうなさっているんですか。逆に心配なんですけど】
【お気になさらず】
【気になりますよ。毎日いたら】
どれだけ時間をずらしても必ず昼休みには食堂にいたし、
ついには閻魔大王を土下座させるとも言いだした。流石に天下の閻魔大王に土下座させることは出来ず、
「わかりました、わかりましたから!」
おでこに大きなタンコブをつけた閻魔大王の首根っこをつかんで、引きずって来る鬼灯に私はついに白旗を振った。
「え、閻魔大王に土下座させなくて良いんですか?」
「当たり前です!そこまで行くとなんだか申し訳なくなりますよ。というか、閻魔大王を土下座させようとする貴方の思考がわかりません!」
急に連れてこられたのか、現状に驚きを隠せないでいる閻魔を尻目に鬼灯は私の手をとった。
「私の妻になってくださるのですね。」
「違います。」
油断も隙もありゃしない。余計なことをぶっ込んでくるのだから。
「チッ、私の部下になってくださるのですね。」
「チッって言いましたよね。……はい。」
そう言わざるを得ない。私は小さく肩をすくめた。
「え、何の話?」
閻魔が巨体を鬼灯の後ろから覗かせる。こう見ると私よりはるかに大きな鬼灯が小さく見えてしまう。
「この方が新しい補佐官ですよ。」
「え?鬼灯君辞めちゃうの?聞いてないよ。」
「え、良いんですか。なら今すぐにでもお暇を頂きますけど。」
「冗談だよぉ!」
閻魔は苦笑いを浮かべる私にニコリと微笑みかけた。私も軽く会釈を返す。
「君が鬼灯君の言ってた子だったんだね、白鷺ちゃん。」
「お久しぶりです。150年ぶりでしょうか。」
私の裁判以来である。
「君はとっても印象に残る子だったよね。別に天国に行っても…」
「閻魔大王。それは…」
しーっと人差し指を唇に当てる。相手も悟ったのか小さく頷いた。
「まぁ、大変だけど頑張ってね。」
彼の大きな手が差し出される。西洋式の挨拶だ。
私がその手に重ねると大きさが一目瞭然。彼の親指が私の掌の大きさである。そっと握り合う。
「よろしくお願いします、閻魔大王様」
逃れられない運命には逆らわず、流れるまま身を任せるのが私の性格だ。急に湧いてきたやる気に彼はそっと微笑んだ。
「私にはよろしくして下さらないんですね。」
拗ねたように唇を尖らすお茶目な顔をした鬼灯。珍しいその表情に少々可愛らしさを感じた。
「はい、頑張ります。鬼灯様」
そっと微笑む。今日から始まる新しい生活に。
「改まって”鬼灯様”と呼ばれると、ム
「あれ、幻聴が!?」
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