第5話 いかにして彼らの確執は生まれたか
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
まだ電話越しに愚痴愚痴と文句を言う鬼灯の背中にすでに引き上げた閻魔と桃太郎を追うように、「お先帰りますね」と声をかけた。しかし、それを聞いた鬼灯はかっと目を見開きm私の腕を無理矢理掴んだ。
「あなたはどっちだと思いますか?」
聞かれると思った。他人の喧嘩に巻き込まないでもらいたい。
「どっちでもイイです。」
「許しません、そんな答え。」
「じゃ、どうでもいいです。」
冷たい返事だと思われるかもしれないが、かれこれ30分は電話ごしに言い合いを続けているのを側で見ていたら、本当にどうでもいいことで喧嘩していると思えてくる。この確執を1000年も続けているという事実にも馬鹿馬鹿しく感じてくる。
【あ~、白鷺ちゃんいるの?】
甘い声が携帯を通して聞こえる。
【白鷺ちゃんは、どっち?もちろん、僕だよね。】
「何を言ってるんですか。私に従いますよね?」
「なんだか根本的に間違ってるんですけど。そうですね…。」
私は携帯と鬼灯を見比べる。
「私は白澤様の方針は好みますね。」
私の言葉に鬼灯の顔が険しくなると同時に、
【白鷺ちゃーん!流石僕の大好きな子だよぉ!】
画面の向こう側から熱烈なリップ音が聞こえる。
「やっぱり心を優先に考える所が、すごく自分の方針と似ています。」
世の中には異性に憧れを抱く人もいる。それは性的な憧れではなく、そのもの自体になりたいと言う憧れ。それを囃し立て、馬鹿にする人は少なくない。そんな世の中を見てきたからこそ、白澤の発言は私にとっては好印象である。
「この白豚の味方をするんですか、貴方は。」
思っていた返答とは違ってご機嫌斜めな鬼灯。
【じゃ、やっぱり僕の勝…】
「でも、白澤様も悪いですよ。女子の胸の大きさで遊ぶなんて。」
勝利を宣言しようとする白澤の言葉を遮る。大小なんて、どうでもいいでしょ。確かに大きいものは魅力的ではある。でも、なんだか許せない。
「白鷺さんは、以下ですからね。」
「うるさい、言うな。」
私は胸を張る。乳なんてどうだっていい。
「鬼灯様も鬼灯様で、なんです。阿呆らしい。鬼神というものでありながらそんなことで熱くなられて。」
私の深いため息に鬼灯がむっとする。
「つまり白澤様は事の発端を作った人物としてプラスマイナス0。よって両者引き分け。」
私はパンっと手を打つ。
【えー、それはないよー白鷺ちゃーん。】
「つべこべ言わないでください。」
私は鬼灯の袖を掴むと豆鉄砲を食らったような彼を引っ張った。
「喧嘩は仕事をしながらでも出来ますから帰りますよ。そして仕事をしてください。」
ぎゅうぎゅう引っ張ると彼の襟元が僅かに肌けて、逞しい首筋が見える。
「わかりました。わかりましたから。」
鬼灯は軽くため息をつくと、電話の相手に軽く挨拶をしてから携帯を閉じた。
「ちゃんと仕事します。」
「はい、そうしてくださ…」
その時鬼灯の顔が僅かに緩んだ。いや、歪んだ。何かを企む、嫌な歪み。
「そこまで言うんです。貴方も手伝ってくれますよね?」
「はぁ?私の仕事はもう…終わって…」
「上司を働かせて部下は働かないとは、どういう事ですか。」
袖を掴むと私の腕を反対側の手でネジ上げて鼻先に顔を近づけた。
「喧嘩は仕事をしながらでも出来ます…から…ね?」
.
「あなたはどっちだと思いますか?」
聞かれると思った。他人の喧嘩に巻き込まないでもらいたい。
「どっちでもイイです。」
「許しません、そんな答え。」
「じゃ、どうでもいいです。」
冷たい返事だと思われるかもしれないが、かれこれ30分は電話ごしに言い合いを続けているのを側で見ていたら、本当にどうでもいいことで喧嘩していると思えてくる。この確執を1000年も続けているという事実にも馬鹿馬鹿しく感じてくる。
【あ~、白鷺ちゃんいるの?】
甘い声が携帯を通して聞こえる。
【白鷺ちゃんは、どっち?もちろん、僕だよね。】
「何を言ってるんですか。私に従いますよね?」
「なんだか根本的に間違ってるんですけど。そうですね…。」
私は携帯と鬼灯を見比べる。
「私は白澤様の方針は好みますね。」
私の言葉に鬼灯の顔が険しくなると同時に、
【白鷺ちゃーん!流石僕の大好きな子だよぉ!】
画面の向こう側から熱烈なリップ音が聞こえる。
「やっぱり心を優先に考える所が、すごく自分の方針と似ています。」
世の中には異性に憧れを抱く人もいる。それは性的な憧れではなく、そのもの自体になりたいと言う憧れ。それを囃し立て、馬鹿にする人は少なくない。そんな世の中を見てきたからこそ、白澤の発言は私にとっては好印象である。
「この白豚の味方をするんですか、貴方は。」
思っていた返答とは違ってご機嫌斜めな鬼灯。
【じゃ、やっぱり僕の勝…】
「でも、白澤様も悪いですよ。女子の胸の大きさで遊ぶなんて。」
勝利を宣言しようとする白澤の言葉を遮る。大小なんて、どうでもいいでしょ。確かに大きいものは魅力的ではある。でも、なんだか許せない。
「白鷺さんは、以下ですからね。」
「うるさい、言うな。」
私は胸を張る。乳なんてどうだっていい。
「鬼灯様も鬼灯様で、なんです。阿呆らしい。鬼神というものでありながらそんなことで熱くなられて。」
私の深いため息に鬼灯がむっとする。
「つまり白澤様は事の発端を作った人物としてプラスマイナス0。よって両者引き分け。」
私はパンっと手を打つ。
【えー、それはないよー白鷺ちゃーん。】
「つべこべ言わないでください。」
私は鬼灯の袖を掴むと豆鉄砲を食らったような彼を引っ張った。
「喧嘩は仕事をしながらでも出来ますから帰りますよ。そして仕事をしてください。」
ぎゅうぎゅう引っ張ると彼の襟元が僅かに肌けて、逞しい首筋が見える。
「わかりました。わかりましたから。」
鬼灯は軽くため息をつくと、電話の相手に軽く挨拶をしてから携帯を閉じた。
「ちゃんと仕事します。」
「はい、そうしてくださ…」
その時鬼灯の顔が僅かに緩んだ。いや、歪んだ。何かを企む、嫌な歪み。
「そこまで言うんです。貴方も手伝ってくれますよね?」
「はぁ?私の仕事はもう…終わって…」
「上司を働かせて部下は働かないとは、どういう事ですか。」
袖を掴むと私の腕を反対側の手でネジ上げて鼻先に顔を近づけた。
「喧嘩は仕事をしながらでも出来ます…から…ね?」
.