『アカギ』 赤木しげる(青年)
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「ね、アカギさん……今日、泊まってってもいい…かな?」
そう上目遣いでyouが質問してきて思わず押し倒しそうになったが、
何とか理性を保ってその意図を聞こうと試みた。
SAKURA-RAIN
「あぁ、別にいいけど。」
「ありがとうっ!」
「何かあるのか?」
とりあえず平静を保った顔でyouに質問してみると、
彼女の口から思いがけない提案をされた。
「あのね、今からアカギさんと出掛けたいの。」
「出掛ける?もう夜だぞ?」
「うん、夜だから。お酒持って、シート持って。暖かくして、行くの。」
「……花見か。」
「正解っ!」
満面の笑みでアカギにVサインをするyou。
既に満開の時期は去り、今は桜の最後の時。
ただ役目を終えた花弁が、ハラハラと散っていくだけの期間なのである。
「何でまた…。」
「いい場所見つけたんです!それに、桜が散り始めてる今だから……桜吹雪がすっごい綺麗なんですっ!」
「成る程ね…。」
「ね、ね?行きましょー!」
「はいはい。」
「やたーっ!嬉しい!アカギさんとお花見~!」
ニコニコと、この上なく嬉しそうにはしゃぐyouを見て、
ふっと微かな笑いがアカギから零れた。
それから色々と準備をして外出し、数十分後you目的の場所に到着した。
のだが……。
「おい……めちゃくちゃ多いぞ、人。穴場じゃなかったのか?」
「はい!ここは毎年人が多いお花見スポットですもんねー!」
ニコニコと笑顔でアカギに返答すると、youは更に話しを続ける。
「私達はもう少し歩きましょ!」
「……。」
てくてく、とアカギの先を歩き始める。そんなyouの後ろをアカギは何も言わずについていく……。
そして10分弱歩いたくらいで目的の場所に着いたようだ……。
youがアカギの服の袖をクイクイッと引いて、2人の眼前、その先を指差した。
「見て、アカギさん!着きました!」
そこにあったのは中振り、小振りの桜の木がそれぞれ一本ずつ。
寄り添うようにして立ち、桜のアーチを作っていた。
「ヘェ……こりゃ見事なモンだ。」
「でしょー?」
「一体いつ見つけたんだ、こんな奥まった場所……。」
「秘密、ですよ。」
「……。」
「なーんて、実はたまたま偶然なんです。買い物の帰りに寄り道してて…
…この花見公園を散策してたら、辿り着いちゃったんですよ。」
「そうか…。」
「あんまり可愛くて綺麗だったから……どーしてもアカギさんに見せたくなっちゃって。
我が儘言ってついてきてもらって……すいませんでした。」
「こんなの、我儘のうちに入らないだろ。」
「……よかった!」
にっこり笑って、桜の木下に持ってきたレジャーシートを敷くyou。
アカギもそれに続いて、袋から数種の酒を取り出した。
「花見会場とは違うから、流石に暗いな。」
「えへへー、実はそう分かってましたので…。」
youは自分の鞄をゴソゴソと漁り、乾電池式のライトを取り出した。
普段は部屋に置いて、灯りを楽しむ用の可愛らしい作りのものだった。
スイッチをオンにすると、思った以上に明るく輝いて
薄ぼんやりと白かった桜が、くっきりとその姿を夜闇に映し出した。
「きーれーーい!」
「凄いな…。」
「アカギさん、乾杯しましょうか!」
「あぁ。」
2人はプルタブを開け、お互いの缶の縁をコツンと当てて乾杯をした。
風が少し強めに吹いたので、youが少しアカギの方へと移動する。
控えめな性格の為、自分でも一歩しか縮まらない距離をもどかしく思う。
そんな彼女の全てを見抜いているのがアカギという男。
腕を掴んで自分の方へと引き寄せる…。
「きゃぁ!」
「寒いんだろ、くっついてろ。」
「は……はひっ…///」
アカギに後ろから抱きしめられ、その両足の間に挟まるような状態になった。
それから舞い落ちてくる花びらをうっとりと眺めながらの花見を続けた。
最初は尽きないと思っていた話題も、時間が経つにつれ減っていき……
酒の酔いも乗算されて、桜を眺める時間が次第に増えるようになってきた。
そして思い出したように桜の木の天辺を見上げ、
呟くように話を始めたyou。
「そうそう、この桜の木なんですけど……」
「まるで番(つがい)だな。」
「そうなの!背が高いのと低いのと……!」
「「まるで俺とお前みたい。」だろ?」
「アカギさん……えすぱー?」
「…まぁね。」
不敵に笑うアカギの横を「嘘よウソ」と、笑うように
ヒラヒラ、ヒラと桜の花びら達が横切った…。
実は俺もそう思ってたから。
(アカギしゃーん、眠いー。)
(……何だ、誘ってんのか?)
(……アカギさんいいにおいするー。)
(……オイ、襲うぞ。)
(アカギさーん、もっとくっつく。)
(……やべ、勃ってきた。)
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