『アカギ』 赤木しげる(青年)
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「アカーギさんっ!」
「ん?」
「お願いがあるの!」
ぎゅーってして!
そう言ってアカギの背中に抱き着いてきたyou。
別段嫌そうな顔もせずにアカギは彼女の方に顔を動かした。
背中にぴったりと顔を付けているので彼女の頭の天辺あたりしかアカギの視界には入らないが、
その旋毛に向かって一言「なに?」と言って彼は再び前を向く…。
「あのね、お願いがあるの!」
「うん、だから何?」
「今、ヒマ?」
「…暇じゃない。これから昼寝するから。」
「世間一般ではそれを暇って言うんです!」
「youも一緒に添い寝する?」
「あ、それならいいかな……って、ダメー!!」
一人でノリツッコミをした後、アカギから身体を離して正面に回り込むyou。
ムスッと膨れっ面でアカギの眼前にカードの束を差し出した。
「コレをやってみたいんです!」
「…なにコレ。」
「Eカードというものです。」
「・・・。」
「うわ、そんなにおもっくそ興味無さそうな顔しなくても…。」
「だって興味ないし…。」
「付き合ってくださいよー!折角借りてきたのに…。」
「誰に。」
「ん、カイジくん。」
「あぁ、アレね。」
カイジという二人の共通の知り合いに借りたカードを
ギュッと握ってyouはアカギを見上げた。
それだけなら上目遣いで可愛くアピールという線なのだが、
彼女はそのまま両手でパンっとカードを挟んでアカギを拝んだ…。
正直ちょっとだけガッカリしたアカギであった…。
「お願い!一緒に遊んでください!」
「……はぁ、普通はやんないんだけどね。他ならぬyouの頼みなら聞いてやらないこともない。」
「ホント?!」
「ああ、でも何か賭けての勝負だ。」
「げ。」
「嫌なら諦めるんだな。」
「やだ、やる!でもお金は無いからダメ!」
「金はいい、youのから…」
「身体は認めません!はい、じゃぁルールを説明するね。」
「・・・。」
今にも「やめた」と宣言してごろ寝しそうなアカギだったが、
youが一生懸命にルールを説明する姿がいじらしく思えて
そのまま素直に流されることにしてやった。
しかし、説明が進むにつれて段々と真剣に聞くようになるアカギ…。
それはつまりこのゲームを「面白い」と認識したからだろう…。
「…と、いうルールです。」
「何となく理解。まぁ、習うより慣れろっていうしな。」
「あー、それって遠まわしに私の説明が下手って言ってます?」
「遠まわしか?」
「むー!遊んでやらんぞ!」
「それこっちの台詞だから。」
「うそです、遊んで。」
「はいはい。」
そんな会話を交わしながら、youがカードを配っていく。
Eカードとは、「皇帝」(1枚)「市民」(8枚)「奴隷」(1枚)の3種類(計10枚)のカードを使って行われる2人用ゲームである。
これらのカードにはジャンケン同様三すくみの関係があり、「皇帝側」と「奴隷側」に分かれ、時間差で1枚ずつ出し合って勝敗を決める。
「皇帝」は「市民」に勝ち、「市民」は「奴隷」に勝ち、「奴隷」は「皇帝」に勝つ
(「市民」同士であった場合はもちろんあいこであるが、4回連続で「市民」同士なら残りは「皇帝」と「奴隷」だけになるので「奴隷側」の勝ち)。
※Wikipedia参照
(カイジ「違うっつの!オレが教えたんだっつの!」)
そして、ジャンケンで勝ったアカギが皇帝を選びゲームが開始された…。
一回戦目
「じゃ、開くよ…せーのっ!市民…!」
「市民だな。」
二回戦目
「次はどーだ…せーのっ!ハイ市民っ…!」
「市民。」
三回戦目
「ドキドキしてきた……せー…のっ、…市民っ…!」
「市民。」
四回戦目
「まさかここまでくるとは予想外でした…ここで決まりますよ、ラストバトル…です!」
「…だな。」
「いきますよ…。」
「・・・。」
ゴクッと生唾を飲み込んでyouはカードを捲り…
アカギもまたカードをめくった。
(ただしアカギの場合は無表情で)
そして出したカードは…
「「市民っ…!」」
お互いに市民を出していたyouとアカギ。
これで必然的に残ったカードの勝敗で「奴隷」のカードを持つyouが勝者となった。
何をやらせても負け無しのアカギに初めて勝ったのだ…
勿論手放しで喜ぶyou。
「うわぁあー!!勝った!アカギさんに勝ったのー!!」
「・・・・。」
「凄く嬉しいよー!凄いよー!!!」
「おめでとう。」
「ありがとーーうっ!」
テーブルをバンバンと叩き、興奮した様子でアカギに言葉を返したyou。
さて、その逆にアカギはというと…。
歓喜の声を上げるyouを愛しそうに見つめ、笑っている。
そして、頬杖を付いて彼女に呼びかけた。
「それで?」
「はいっ!」
「賭けに勝ったyouはオレに何を願うの?」
「はっ、そうでした!!お願い、聞いてくれるんですか?!」
「だってそういう約束だろ?」
「えーっとですね…じゃぁですね……あのー…。」
「……。」
アカギに願いを告げるのをどうにも恥らうyou。
「あのー」や「そのー」と…曖昧な言葉で躊躇っている。
いい加減アカギが飽きてきた頃、youが俯いて何か呟いたのだが…。
あまりの声の小ささに思わず素で「は?」と聞き返したアカギ…。
するとyouは再びゴニョゴニョと小さな声で何か言い、
アカギを一瞬チラッと上目遣いに見上げる…。
最終的に…これはもう至近距離でないと聞き取れないと理解したアカギは
席を立ちyouの傍までやってきた。
「何、you、本当に聞こえないんだけど。」
「あの…。」
「うん?」
「恥ずかしい。」
「結論だけ言われてもねぇ。」
「うう…。」
「何が恥ずかしいの…理由を言わなきゃ分かんないよ?」
誘導尋問さながらのアカギの攻めに、頬を真っ赤に染めながらも
微かな声でyouは自分の願いを告げた…。
「ぎゅーって、して…くだ‥さひ…。」
「・・・。」
「………ぁぅ。」
「襲われたい願望でも?」
「ないです。」
「だったら発言を自重してくれ……これはお前…普通の男なら押し倒すフラグだぞ。」
「だめ…ですか。」
「いや、だからそうじゃなくて……。」
「うっ、ウルサーーイ!いいから勝者のお願い聞いてくださいっ!」
居た堪れなくなったyouは命令語と敬語を混ぜて使うくらい混乱している様子。
それを見てアカギは目を点にして彼女を見つめた…。
林檎のように頬を真っ赤に染め、アカギをじっと睨みつけているつもりのyou…。
ただそれはアカギに言わせれば全てに於いて「可愛い」と思う要素であろう。
彼は軽く笑ってyouの腕を掴んで引き寄せる…。
ぽすっと音を立ててアカギの腕の中へ収まるyouの身体…。
急なアクションに少し驚いていたyouだが、すぐに猫のようにアカギの胸板に擦り寄った。
「…アカギさんあったかーい…。」
「こんなんでいいのか、本当に…。」
「いいのです、満足です、幸せです、ぎゅーーー。」
「欲の無いヤツ…。」
「何かこれ眠くなってきますね。」
「寝るな。襲うぞ。」
「でも離れるのは勿体無くてイヤ。」
「どーすんだよ。」
「…一緒に添い寝でもしませんか?」
「…上等じゃん?」
ニッ…と笑ってアカギはyouと一緒に机を離れ、
押入から出した一枚の毛布に包まって2人で昼寝を決行するのだった…。
勝利の真相は…↓
you自身が手に入らないなら、勝負に勝っても楽しくないからな。
どうせならyouがオレにどんな願いをするのかを聞いてみたくて
結局、皇帝は最後に取っておいたんだ。
それでyouが自爆するようなら「馬ー鹿」って笑うくらいだった…かな。
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