白のお狐しげるさん!
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「では、気を付けてくださいね?」
「うん、大丈夫ダイジョーブ。」
先日の事件を思い返せば
明らかに心配する立場は逆なのだが…
白のお狐しげるさん!
其の漆
休みが明けて、自身の職場までアカギとやってきたyou。
自分はそのまま仕事へ赴き、彼はというと…。
「夕方だっけ?とりあえずyouの仕事が終わるまで、この辺りをテキトーに散策してみるよ。」
「あっ、しげるさん携帯とかお金とか持ってないですよね……とりあえず少し渡しておきますね。」
「ん、別に要らないんじゃない?お金とかその辺の木の葉とかで何とか…。」
「なりません。犯罪です。」
即時、その辺の木の葉を金に擬態させて何とかしようと目論むアカギを制止するyou。
曲がりなりにも神に仕える存在がそんなことをしてはいけません、とド正論で窘められる。
「はは、冗談だよ(半分)。」
「目が笑ってないんですって!はい、とりあえずこれ……昼食とお茶代くらいですけど。」
「悪いな。」
「何か困ったことがあれば、わたしはココ(職場)にいますから……。」
「誰かに「旦那が呼んでる」ってyouに伝えてもらえばいい?」
「色々と困るので、霊獣化で呼びに来てください。」
勿論、もし表沙汰になれば、同僚からのツッコミの嵐が一番困るのだが、
会社として名義や配偶者登録等の手続きで困ったことになるかもしれないから!と、
真面目な理由を前面に押し出して何とかアカギの暴挙を事前に防ごうと立ち回るyouであった…。
「できるんですよね?霊獣の姿だと、誰にも見られないんですよね?」
「まぁね。」
「迷子になったりしませんかね……携帯ないからちょっと心配…。」
「ああ、それは大丈夫。離れてもパスが繋がってるからyouの場所は分かる。パスが切れる程遠くには行かないから安心して。」
「そっか……それなら安心ですね。でも、初めての外ですし……気を付けて。」
「フフ、ありがと。」
「それじゃあ、わたしは今後増えていきそうな我が家のエンゲル係数を稼ぐため仕事に行ってきますので!!」
「よく分からないけど、頑張って。」
じゃ!と、右手を少し上に掲げて仕事へ向かうyou。
アカギも同じように手を上げ、彼女を見送って近辺の散策をすべく足を踏み出した…。
・
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「えっ、嘘……凄い雨雲…。」
昼過ぎ、迫りくる雨雲に気付いてからは早かった。
ゴロゴロと雷が唸り、晴天だった朝の姿は影も形も無くなり、すぐに土砂降りの雨模様となってしまったその日の午後…。
「(どうしよう……こんなに天気崩れるなんて…しげるさん傘持ってないのに…。)」
どこかで雨を凌いでくれていればいいが…。
状況を確認しようにも自分からの連絡手段が無いことに今更気付き、youは眉を八の字にして懸念の表情を浮かべた…。
ひとまず、ずぶ濡れで現れたのなら帰りじなに全力で謝ろうと、そっと心に決めるyou…。
そんな彼女の心配は見事に的中するのだが、それは意外な形での的中であった。
「あ、you。」
「えっ……し、しげるくんっ?!!」
そう、終業後自身の仕事場に迎えに来ていたのは予想通りずぶ濡れではあるのだが、少年の姿のアカギであった。
意識の統括ができないからと、変幻することを避けるようにしていたアカギに一体何があったのだろうかと、youは少し身を屈めて彼に尋ねる。
「しげるくん、どうして此処に?大きい方のしげるさんじゃなくて??」
「ああ、うん……ちょっと色々あってね…。」
「色々…。」
「話しながら帰ろう。」
「そ、そうだね……あ、ひとまず謝らなきゃ…ごめんね、こんなに天気が崩れると思ってなかったから傘とか渡せなくて…。」
「仕方ないんじゃない?朝晴れてたんでしょ。」
「そうなんだけど……折り畳み傘はいつも持ってるから、渡しておけば良かったなって…。」
「なんだ、なら良かった。youは濡れないね。じゃ、それ差して帰ろ。」
「しげるくん…!」
フフ…と、幼い姿で男前な台詞をサラリと吐いて、軽く笑うアカギ。
幼い姿の彼に対して好印象しか抱いていないyouは思わずキュンとしてしまうのだった。
「折り畳みで狭いけど、我慢してね。」
「オレはいいよ、もう濡れてるし。そもそも変幻解いたら乾くし…。」
「でも、今すぐには解けないでしょ?」
「それはまぁ……そうだけど。」
「はい、じゃあ一緒に帰ろう。」
「・・・ん。」
傘を半分ほど傾けてアカギへ微笑むと、彼は素直にその半分の中に入ってくれた。
それから、youは歩きながら本日のアカギの散策に関して話を聞いたのだが…。
「午前中、youの職場の周りの散策の時は大人のオレの姿だったみたい。オレが代わったのは雨が降ってから。」
「雨が降ってから?」
「多分……雨宿りしたかったんじゃないかな……でも、大人の姿で入るとマズイ場所だったみたい。」
「な、何それ……そんな場所近くにあったかな…。」
「いや、大人の姿だと…。」
「だと…?」
「金を取られる。」
「・・・あ、そういう…。」
「変幻したらほぼ軒の無い雀荘の前に立ってた。」
「何て?」
「変幻したらほぼ軒の無い雀荘の前に立ってた。」
「き、聞き間違いじゃなかった…。」
何で雀荘?そもそも昼間からそもそも営業しているの…?
謎が謎を呼ぶアカギ(大人)の行動にyouは頭を悩ませるが、少年のアカギは淡々とその後起きた話を続ける…。
「とりあえず入れってことかと思って、雀荘に入ったんだけど……割と歓迎された。」
「そうなんだ…。」
「うん。「ガキの来る所じゃねェ」とか言われたけど、珍しかったのか…何だかんだタオルとか貸してくれて飲み物とか奢ってくれた。」
「よ、良かったね…。」
確かに、未成年(正確には違うが)が雀荘を訪れるなど、基本は皆無…。
寧ろ入店禁止が世のルールである。
恐らくは昼間だったことと、土砂降りの雨に打たれた姿に同情してのことだろうと、youは悟った。
そして、その流れを予想して雨宿りを効率的に行おうとした結果、大人から少年の姿に変幻したのだろう…とも。
「んで、休憩するだけのつもりだったんだけど、世話焼いてくれた南郷と安岡ってオッサン達に麻雀教えてもらってさ…。」
「よっぽど気に入られたんだね、しげるくん。」
「負け続けてるからちょっと代理で打ってみてって言われて代わったら、バカみたいに勝っちまって、小遣いもらった。面白いね、麻雀。」
「ちょっとその2人の連絡先聞いてもいいかな?」
実年齢は違うとはいえ、明らかな未成年に昼間から賭け麻雀をさせるとはどんな非常識な大人だ!と、youは静かに怒りを顕わにする。
そんな彼女の心情をすぐに察したアカギは「あらら」と小さく呟いて、話を誤魔化すことにした。
「連絡先は知らないけど、大丈夫ダイジョーブ。安岡ってオッサンはたまたま休みで雀荘来てた刑事らしいから。」
「え、え…それって刑事さんが…。」
「刑事公認ってことだから、補導されることもないし、許容の範囲内だってことでしょ。」
「そ、そう…なの?そうなの…かな…。」
本当はそんなワケないのだが、ギャンブルを取り締まる刑事がそういう判断をしたのであれば…と、アカギの言葉に無理矢理納得させられてしまうyou…。
「そうだよ。何なら金額の確認する?もらった小遣いもyouに渡しておこうか?」
「ううん、それはいいよ…それはお2人がしげるくんに感謝の意味で渡したお小遣いなんでしょう?」
「そうだけど…。」
「しげるくんが大事に使ったらいいと思う。」
「そう……お布施みたいなモンだね。」
「うーん……ちょっと違うかな~…。」
「はは。」
賭け麻雀のレートも知らないyouは、その行為自体が「健全ではない」くらいの認識しか持ち得ていないため、
ひとまずは麻雀を打って一緒に遊んだ上、少年の姿のアカギによって勝利をもたらされたので、おじさん達が「ありがとう」の意味合いでお小遣いをくれた…と素直な流れで納得することにした。
しかしそれでも、何とも不安で不満そうなyouの様子を見て、アカギはそれよりももっと眉を寄せながら彼女を見上げる。
「心配掛けてゴメン、you…。」
「し、しげるくん…。」
「でも、傘のこととか、雀荘のこととか・・・オレのこと心配してくれてありがとう。嬉しかった。」
「うっ…!!」
トドメとばかりに、ふわりと微笑めば、再びyouの胸がキュンと鳴り、
顰めていた眉は解かれ、口元も思わず緩んでしまう…。
「本当は今日一日、youと離れて過ごしたし、今もこの姿だから早めに本来の姿に戻った方がいいんだけど…。」
「……。」
「できれば長くyouといたいからさ……家に帰るまでは、オレのままでいていい…?」
「えぇえ……いいに決まってるよ……わたしも嬉しい。」
「フフ、良かった。ありがとう。」
今の姿のアカギは素直で可愛い弟や甥っ子というイメージなので、そのように甘えられて嬉しくないはずがない。
youはそうやって、デレデレしながらアカギを見つめ返したのだが…。
「じゃぁ、元の姿に戻った時の弁解、よろしくね。」
その一言に絶句するのであった・・・。
それにしてもどうして
雨宿り場所を雀荘なんかにしたんだ…
words from:yu-a
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