白のお狐しげるさん!
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「推して駄目なら、引いてみろ!アカギ!」
「それなら、揺さぶるのはどうだ?」
という安岡の言葉を信じて
実践してみることにした
白のお狐しげるさん!
其の拾肆
「ただいま……(電気点いてる)。」
「あ、しげるさん…おかえりなさい。」
南郷、安岡と麻雀して遊んだ後、深夜帯に帰宅したアカギ…。
夜は12時を軽く回っていたため、てっきり彼女は就寝しているかと思って小声で入ってきたのだが、
廊下の先、リビングには明かりが点いており、部屋に入ると寝間着姿のyouがいつも通りの声色で「おかえり」と挨拶をしてくれた。
「まだ起きてたんだ?」
「あ、うん……もう寝るとこでしたけど……お茶でも淹れますか?」
「いいの?」
「あ、でもポットのお湯さっき流しちゃったから……もしよかったら先にお風呂入ってきません?その間に湧くと思うし。」
「・・・分かった、そうする。ありがと。」
夜半に遊んで帰宅した男に対し、何とも丁寧な気遣いをする奇特な女だと、改めて感心してしまうアカギ…。
その気遣いに礼を告げて、浴室へと向かった…。
そこまで時間も掛からなかったため、アカギが風呂から戻ってくる頃にちょうどお湯も沸き、
あたたかなお茶がリビングに着席した彼の前に差し出される…。
「あ、でもお風呂上りだから結果的に冷たいお茶の方が良かったですね。」
「ううん、オレはこれでいいよ。」
「冷たいのも飲みます?」
「…じゃぁ、ちょっと。」
アカギの反応に「ですよね」と小さく笑いながら冷蔵庫を開けるyou。
新しく出したグラスに冷たいお茶を注ぎ、それを戻ってきて差し出せば、
更なる自分への気遣いが嬉しくて、思わず「ありがとう」と共に抱きしめたくなる衝動をアカギはぐっと堪える…。
「ぁ…ありがと…。」
「?」
微妙にぎこちない反応に彼女は少しばかり不思議そうな顔をしたものの、
決まりも文句のような感謝の言葉なので、さほど気にはしないようだった。
そうして、冷たいお茶で少しだけ冷静さを取り戻したアカギ。
この後、彼女が先に寝るからとベッドに向かってくれれば、
ゆっくりあたたかなお茶を飲んで、心を落ち着けてから自分もそちらへ向かえばいいと考える。
が、しかし…。
「今日も雀荘に行かれてたんですか?」
「!」
そう言って、youは徐にアカギの隣に腰を下ろした。
どうやら、少し会話をする気らしい…。
「しげるさん、いつも帰ってきたら「ちょっと出掛けてくる」しか言わないから…。」
「・・・心配してくれてるの?」
「ん?ええ、まぁ…そりゃ色々……距離離れて大丈夫かな?とか、お金持ってるよね?とか喧嘩してないかな、とか…。」
「オレそんな不安要素多い?」
「寧ろ自覚無いのがおかしいかと。」
「…その中に"浮気"の心配って入ってないの?」
「そ…それは……だって、別に我々は…そういう関係じゃないですし…。」
「じゃぁ……youはさ、オレがこうやってずっと一緒にいて、アンタのこと好きだって、嫁になってって言ってるのに、他のヤツと「そういう仲」になってもいいワケ?」
「…良いって言うか……不誠実だなとは…思いますけど…。」
「じゃぁ、不誠実な男にさせないでよ。」
「しげるさん…。」
「オレ、you以外と「そういう仲」になりたくないんだけど。youはなってほしいの?」
「それは…つまり、敢えて他の方と付き合って不誠実な男になる…という事…?」
「うん。」
「わたしへの当てつけに…?」
「そうなるのか……ああ、まぁ、そうなるな。」
「そんな……わたしの気持云々より、霊獣のしげるさんがそんな行動を取っていいんですか?!な、何か神様に叱られちゃうんじゃ…。」
アカギの本来の霊獣としての存在を考えると、
不誠実や不義理を働いてしまってはいけないのではないか…と、youはハッと思いついたため、口に出す。
当のアカギ本人は全くそのような心配はしていなかった上、
彼女のその言葉を体の良い「逃げ」だと判断したらしい…。
ジロリと睨んで、強めの言葉で指摘する。
「今、そういう話してないだろ。」
「でも…!」
「オレはずっと素直にアンタが好きだって伝えてきてるだろ、捻じ曲げさせようとしてるのはyouじゃない……不義理?不道徳?不誠実?神の意に背く?そうかもね、でもオレはyouの心が手に入るなら……好きになってもらえるなら、汚い方法選んだって構わない…。」
「しげるさん…。」
「何なのアンタ……本当面倒くさいんだけど……。」
「…っ…。」
よく「ガードが固くて面倒な女」などという言葉が恋愛に於いて使われることがあるが、
彼女自身、なんとなくだが自分はそうなのだろう、と自覚はしていた様子。
ただ、このイレギュラーな「霊獣」、考え方の異質な「赤木しげる」が相手だから…と、
「普通の恋愛はできない」と、言い訳をしてそこを考えないように過ごしてきたのだろう…。
そこをストレートに指摘され、悪い意味で思わず目頭が熱くなる…。
「…っ、すみませ…。」
「けど、それでも……。」
「…?」
「あの時アンタの命を救って、今こうして惚れちまってる事を……オレは微塵も後悔してないよ。」
「し、げ……るさ…ん。」
「…好きだよ、you。」
「…!」
優しくそう告げたアカギの言葉に、とうとう零れるyouの涙…。
それを長い指で一度そっと掬ってやった。
「…この通り、オレはオレが言える限りの気持と言葉使ったから……あとはyouが判断して。」
「・・・。」
「おやすみ。」
そう言って、アカギは立ち上がり、寝室へと入って行った。
残されたyouはその場でポロポロと涙を零しながら、アカギの言葉や自分の気持を整理する…。
『命を助けたのだって、守るって言ったのだって、アンタが気に入ったから。』
『アンタはオレの嫁……誰にも傷付けさせないよ。』
『オレはyouの心が手に入るなら……好きになってもらえるなら、汚い方法選んだって構わない』
『あの時アンタの命を救って、今こうして惚れちまってる事を……オレは微塵も後悔してないよ。』
『…好きだよ、you。』
思い返してみても、アカギのどの言葉にも拒絶や嘘は見当たらない。
冗談交じりに伝えた言葉でも、いつだって正直な気持ちだっただろう。
「イレギュラー」が根底にあったとはいえ、今までの期間、
一度もきちんと向き合わず、有耶無耶にしていた自分を省みて、申し訳無さで次々と涙が零れ落ちた。
『じゃぁ……youはさ、オレがこうやってずっと一緒にいて、アンタのこと好きだって、嫁になってって言ってるのに、他のヤツと「そういう仲」になってもいいワケ?』
「やだ…。」
『オレ、you以外と「そういう仲」になりたくないんだけど。youはなってほしいの?』
「ダメ…。」
敢えてであっても、なくても……結局は同じこと…。
いつも傍にいるアカギが「ちょっと出掛けてくる」と、他の相手と恋愛をしに行くと仮定した時…。
許容など、できるはずもないのだ。
そう気付けばもう、youは狭い部屋の中寝室へと走り出していた。
10秒と掛からずに寝室のドアを開け、そのまま閉めることもせずにベッドへと向かう…。
既に電気を消して布団の中に入っているが、アカギが寝ているかどうかまでは分からない。
しかし、今の彼女の心境はぐちゃぐちゃで…。
あるのは「兎に角アカギに自分の気持を伝えること」のみ…。
故に、寝ていようがいまいが関係ない!とばかりに、彼女は勢いよくその布団を剥ぎ取るのだった。
「しげるさんッツ!!」
「は……え…?you…?」
どうやら若干寝入り始めていた様子のアカギ…。
突然の彼女の乱入に、茫然とした表情と声で対応する…。
「なに…どうしたの…?」
「神様に叱られてくださいっ!」
「あ?」
泣きながらそう伝えてきたyouに、微妙にアカギの眉間に皺が寄る…。
つまるところ、先程の話で言うと「不義理を働く」際に彼女が心配した事なので、
自分を好きでいながらも、他の相手と付き合うように言ってきたのか…と、そう解釈したのだが…。
「わたしも一緒に叱られますからぁ…!」
「??」
「だからしげるさんの事……好きって、言わせてください…。」
「you…。」
「かみさまごめんなさい、わたし…しげるさんが好きです…。」
「待って待って…。」
めそめそとアカギに抱き着きながら、神様への許しを請いながら、それでもってアカギへ告白をするyou。
器用なようで、器用ではない…寧ろ感情と、彼女の礼節さが入り混じって支離滅裂の様子。
アカギはハァーっと盛大な溜息を吐いた後、彼女の両頬をがっしり掴んで視線を無理矢理自分と合わせた。
「伝える相手が違うだろ。」
「しげるさ…。」
「やり直して。」
「………わたし、しげるさんが好きです…。」
「うん、で?」
「うっ…浮気しないでください…。」
「うん、しない。」
「しげるさん…。」
「なに?」
「わたしをお嫁さんにしてください…。」
「もう嫁なんだってば…。」
いつものように「馬鹿なの、youは」と、言うものの、それは初めての表情だった。
困ったように眉根を寄せて、それでいて唇は嬉しそうに上を向く…。
最後に「ありがと」と言葉にして、ゆっくりと唇を落とした。
・
・
・
・
「あの…。」
「ん?」
「でもまだその……キス以上は……待って、ほしい、かも。」
「・・・。」
「だめ…ですか?」
「この状況で言えないだろ……ダメって。」
「う、すみません…。」
「仕方ないから待つけどさ………分かんないよ、いつまで我慢できるか…。」
「です、よね…。」
以降黙ってしまったアカギに、youは少しオロオロするが、
当のアカギ本人は、今回彼女のの気持の天秤が傾いてくれた件だけでも十分満足はしている様子。
ただ、それを理解していない彼女はまたちょっとばかり彼の機嫌を損なう発言をする…。
「あの……そもそもですけど、夫婦になるとか、そういうことするとか……そういうのは…大丈夫なんですか?神社のこととか…神様のこととか…。」
「・・・you。」
「はい…?」
「今後そういう心配二度としないで。したら、ペナルティ付けるから。」
「!!!」
ビクッと肩を跳ねさせて警戒心を上げるyouの身体をそっと抱き寄せ、
少し緊張を解かせた後……彼女が好きだと言う声を用い、耳元でアカギはそのペナルティを伝えた。
約束破ったら、
丸一日抱き潰すよ?
words from:yu-a
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