白のお狐しげるさん!
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「youッ!!」
「わぁっ?!し、しげるさん?!お、おかえりなさい…。」
夜中、帰宅後早々にいつもの姿のアカギに抱き着かれた。
白のお狐しげるさん!
其の拾弐
アカギとyouの奇妙な共同生活が始まってから約数週間経過した頃…。
相変わらず自由を満喫しており、現代日本の大体の過ごし方をほぼほぼマスターした様子のアカギ…。
勿論それなりに人と関わることも覚え、少年のしげるとの繋がりで顔見知りになった南郷や安岡といった知人と夜な夜な雀荘に赴いたり…。
そして本日は…。
「あ、安岡さん、お久しぶり~!」
「おう、久しぶりに金が入ってな!コイツのお陰でよ!」
「キャー!イケメンン!!皆、安岡さんが凄い子連れてきたー!!え、アタシ入っていい?ていうか入る~!」
「おいおい、久しぶなんだから、俺も歓迎してくれよ?!」
実入りの多かった日などに安岡が顔を出すことがあるのだろう…。
煌びやかな店で、煌びやかな女性たちが出迎え、
卓ごとに区切られたテーブルへと2人を案内した…。
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そうして、夜の繁華街での特殊な飲食が終わったのち、帰宅したアカギが取った行動が冒頭のもの…。
「you!!」
「わぁっ?!し、しげるさん?!お、おかえりなさい…。」
帰宅後早々にいつもの姿のアカギに抱き着かれた…というものだ。
youの背中に両手を回し、がっちりとホールドしたかと思えば、
アカギはそのままスーハーと彼女の肩口に顔を埋めて大きく息を吸っては吐くを繰り返す…。
「あ…あの、しげるさん…?」
「はぁぁ……youだ……オレの嫁……youの匂いだ…。」
「ど、どうしたの……ていうかお酒臭い…。」
至近距離で話さなくても分かる程、酒気を帯びた匂いがするアカギ。
酒を飲むのは別段悪い事ではないが、強すぎる匂いにyouは少しだけ眉間に皺を寄せた。
「今日、安岡さんに頼んで女の子いっぱいいる店連れてってもらった。」
「んー…キャバクラとかでしょうかね?」
「そこで沢山話したよ、you以外の色んな女と。」
「綺麗な方ばっかりだった?それとも可愛い感じ?皆明るくて話上手、聞き上手だったんじゃないですか?」
「うん、確かにそう。」
「良かったですね、まぁ、流石に先にそっちを知っちゃうと、おもてなしの精神が群を抜いてると思うので、他の女性にそこまでの気遣いはきっとできないだろうし……必然、女性に求めるハードル上がっちゃうんでしょうけど…。」
「それはそうなんだけど、事はそう単純な話じゃなかった……無理だった。」
「?」
「やっぱりオレの嫁はアンタだ、you。」
「は…。」
「youがいい。youしかいない。youじゃなきゃやだ。」
「あ、あの…ちょ、しげるさん??」
「やっぱりyouを助けた、嫁にした、オレの判断は、最初から間違ってなかった…。」
「嫁になった覚えないですって。」
「だってオレ、一人一人とちゃんと話したよ。」
「!」
アカギいわく…。
youのことを「嫁」と称するたびに「わたしでなくても良い」、「他の方とも対話して改めて考えて」とのらりくらい躱すので、
自分の感情を確かめる為にも、自分が正しい判断をしているのかを知る為にも、
彼女以外の相手と男女関係なく言葉を交わし、考えてみようと試みていたのだと言う。
そうして得た、その結果がこれだ…。
「何か交代で色んなヒトと色んな話した。色々聞かれたし、顔とか声とか、いっぱい褒めてもらった。」
「そうですか。そうでしょうね。」
「あと、何かよく分からないけど髪とか身体とかいっぱい触られた…。」
「そっ、そうなんですか?そういうことってあるんですか?!ま、まさかしげるさんも逆に触ったりしてないですよね?」
「しようと思わなかったから、してないよ。いや…「思えなかった」が正しいか…。」
「そうですか……そうですよね、お触りは禁止って聞きますもんね、そういうとこ。」
「さぁ、知らないけど…。」
「何か…しげるさんの方がわたしより深い感じで人間を知っていっている気がする……。」
たとえばよく行くコンビニやカフェの店員と仲良くなって世間話をするとか、そういう凡そ一般的な関わり方ではなく、
ある意味で選ばれし職業の方々と初手から対話するというようなことは、なかなか無い話。
良い事か悪い事かは判断でき兼ねるが、ただ、普通ではない事に「凄いな」と感心するyouに、
アカギは首をふるふるとやんわり横に振って、否定の意を示した。
「でもその結果、youだった。」
「わたし?」
「顔とか声が素敵だからって言って、少し恥ずかしそうにオレと話すyouの方ががいい。」
「え…?」
「オレ、人にベタベタ触られるの……好きじゃないみたい。でもyouは別、こっちから触りたくなる。」
「い、色々ツッコミどころが…。」
「矢継ぎ早に話し掛けられて困ったし……youみたいに話したい時に聞いてくれて、そうでない時はあったかい空気みたいに其処に居てくれる方がいい……。」
「しげるさん…。」
「頬っぺたでも口でも、youにしかキスしたくないし、されたくない…。」
「…しげるさん、酔ってる…。」
「酔ってない。」
「何か饒舌だし…。」
「違うよ、態々体験しに行った結果を、ちゃんと報告してるだけ。」
「と、とりあえず明日は休みなので、また明日酔いが覚めた状態で聞きますから…。」
「酔ってないって。」
「しげるさ……んっ…!?」
抱きしめ続けていた身体を素早く離したかと思えば、アカギはそのまま、何か意見しそうに開かれたyouの唇を塞いだ。
拒絶しようにも、いつの間にかがっちりと後頭部に手を添えられ、逃げられず…。
しかも、口を開いていたことで、そのままぬるりと彼の舌の侵入を許してしまう。
「ん…んっ!」
「ん…。」
何処でそんな技を覚えてきたのか小一時間程詰問したくなるくらいの技量で、
アカギはyouの逃げ惑う舌を絡め取り、蹂躙する…。
時たま開く唇との隙間を縫って入ってくる酸素だけでは到底呼吸は難しく、
息が苦しくなったyouは自分を支えきれず、くらりと膝を折ってしまったのだが、
それをも逃げと認識するのか、アカギは彼女の背中を玄関先の廊下の壁に押し付け、腕の力で身体を支えつつ、口付け続ける…。
「ん…っ…はぁ…。」
「は…。」
もう十分、いやまだ足りないとせめぎ合う気持ちの中、アカギは少しだけ唇を離した。
眼下には、呼吸が苦しかったため、顔を赤らめ、肩で大きく息をする涙目のyou…。
もう止めて、の意味合いを込めて絞り出した小さな声は彼の名前だった。
「は…ぁ、…しげるさ…。」
「っ…!」
瞬間、アカギの身体に異変が起きた…。
否、実際にはキスに夢中で気が付かなかっただけで、
先程から起こっていて、その異変に今気付いたというのが正しいだろう。
「クク……ああ、成程……「こういうこと」ね。」
「は…ぁ…。」
「you…ごめん………オレ、やっぱアンタを手放せそうにない。」
「ぇ…。」
「オレ、アンタに発情してる。」
「!?!」
「他のヤツじゃなくて……youとしかしたくないキスで、youとしかしたくないHがしたいみたい。」
「い、い、いけません…だめ、だめだめ!」
涙目で首を振って拒否するのは、相手が人間ではないからなのか、
この状況下で流されるのが怖いからなのか、はたまたアカギを好きになっていないからなのか…。
何にせよ、彼女の気持ちは置いておいて…。
とうとうアカギは知ってしまった。
「you、本当にオレの嫁になって。」
そう言葉にしたものの、アカギの言うその真意は確実に「もう逃がさない」の意味であろう。
気付いたyouの顔は、赤色からサーっと蒼く染まっていくのであった…。
近付くは
恋愛としての延長の愛情
words from:yu-a
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