白のお狐しげるさん!
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「人に追われててさ、youに迷惑が掛かるといけないと思って。」
帰宅後、寝る準備を一通り終わらせた後、
茶の間のテーブルでお茶をのみながら2人は語る…。
白のお狐しげるさん!
其の拾壱
「じゃぁ…よく分からない人達に追われてたから、あの壮年のしげるさんの姿で行動しろって事だったんですか…?」
「まぁ、そういう事になるね。」
「何ですかよく分からない人達って!!」
「知らないよそんなの……麻雀覚えたからちょっと雀荘で遊んでたら「いい加減にしろよテメェ!こうもアガりが続くなんておかしいだろ、イカサマしてんじゃねェ」って掴みかかって来られたんだ……向こうが悪い。」
その一言だけで、恐らく雀荘でアカギが限度を超えた連戦連勝を続けて荒稼ぎをしたのだろうと察しがつき、youは顔を蒼くする…。
「ちなみにイカサマは…。」
「2回か3回くらいかな。」
「しとるんかい!!」
「相手3人が通しで潰しに掛かってきたから仕方ないじゃない……雀卓上での正当防衛だよ。」
何だ雀卓上での正当防衛って…そんなの聞いたことないぞ…!と眉間に皴を寄せるyou…。
「その後どうしたんですか?」
「………負け犬が何言っても見苦しいだけだからやめなよって言ったけど。」
「・・・それで逆上された、と。」
「思わず手が……こう、パァニと……顔面に…。」
「~~!」
まさかの殴られる前に殴る精神をお持ちだった霊獣に、youはとうとう頭を抱える…。
額に手を当てて俯き黙った。
「昼間から乱闘騒ぎを?」
「物は壊さなかったよ、雀卓じゃない方に向かって殴ったから、誰も怪我してないし。」
「いや殴られた方怪我してますやん。」
「それはアイツが悪い。何か追加で仲間呼んで数人でリンチしようと追っかけてきたし…。」
「えっ?!そ、そうなんですか…?」
それで「よく分からない人達に追われていた」となるわけか…と、経緯を察するyou。
「しげるさん、怪我は…?」
「オレは無いよ。心配してくれてるの?」
「当たり前じゃないですか……まぁ、しげるさんだけじゃなく、しげるさんに殴られた方も心配ですが…。」
「youはオレの嫁なんだから、オレの心配だけでいいの。」
「またそんな……でも、何にせよ無事で良かったです……あまり人の反感を買うような行動は慎んでくださいよね。」
「えー…。」
「そうじゃないと、しげるさん、しげるさんの姿のままでいられませんよ?ずっとしげるくんや壮年のしげるさんの姿で生活することに…。」
「・・・分かった、大人しくする。」
意識の統括ができないため、そのような事態は流石にマズいと思ったらしい…。
youの言葉に割と素直に頷くアカギであった。
「それはそうと……ジジイのオレはどうだった?多分ガキの姿のオレよりは分別あると思うんだけど……ちょっと性格が違い過ぎて合わないんだよね…。」
「確かに…とても明朗な感じでした。違い過ぎて最初は本当にしげるさんか滅茶苦茶疑ってしまいました…。」
「ハハ……だろうね。」
「でもお話してみたら凄く楽しかったです、会話のキャッチボールがスムーズで、沢山笑わせていただきました。」
「・・・。」
凡そ予想通りの彼女の反応に爽やかに笑ったのも束の間、
「凄く楽しかった」と伝えるyouの表情が本心からのもので、
自分が出会ってから今までの期間では見た事もないような嬉しそうな表情だったため、それを見たアカギは思わず言葉を噤んだ。
「神社での出来事を説明した時も、凄く気遣ってくださって……年上の安心感と包容力みたいなのも凄かったです…。」
「・・・。」
「でも最後にちょっとだけ……う、困った…けど……。」
「?」
「でも、あちらののしげるさんとは、一緒にいて楽しかったです!」
一瞬言葉に詰まって頬を赤らめた部分然り、そしてトドメのあちらののしげるさん「とは」一緒にいるのが楽しかった、という言葉により、今のアカギのイライラは一気に上昇…。
いつの間にかムスッとした表情で笑顔のyouに不満を垂れた。
「ああそう、それでただ家に帰るんじゃなくて楽しく2人で飯食って帰ってきたってワケね。」
「し、しげるさん…?」
「・・・。」
「ええと、ご飯はあちらのしげるさんのリクエストで……そこで色々話して人となりが分かったという感じですけど…。」
「経緯なんてどうでもいい。要はオレよりガキやジジイのオレの方が、youは一緒にいて楽しいって結論なんだろ?」
「そ、そういうワケでは…!」
「じゃあどういうワケ?何さっきの「あちらののしげるさんとは、一緒にいて楽しかった」って。悪かったね、オレといてもつまらなくてさ。」
「(す、すごい拗ねてる!!!)」
「でも絶対代わらないから。燃費悪いし。youが代わってほしいなら、尚の事代わってあげない。」
「・・・しげるさん…。」
「・・・。」
「もう、しげるさんってば。」
「・・・。」
「こっち向いてください。」
プイッとそっぽを向いて言葉を交わすのを拒否するアカギ。
youはというと、出会ってからずっとあまり感情の抑揚の無かったアカギが
幼い姿や壮年の姿と自分(you)が対話することで、自分(アカギ)自身に本気で嫉妬しているという部分が面白おかしかったようで…。
緩む口元を壊さないよう頑張って堪えつつ、youはアカギの肩を掴んで少しだけ揺らした。
「しげるくんの時も言ったと思うんですけど……覚えてませんか?」
「・・・。」
「勿論、しげるくんとはラクに話せるし、先程のしげるさんとは楽しく話せました。でも、だから今のしげるさんよりお2人の方の方が好きだからとか、嫌いだからじゃないですよって。」
「オレと話すのは緊張するって言ったのは確かだろ。」
「まぁ、それは……はい、緊張しますけど。」
「それって、他の2人と話す方がいいってことじゃない。」
「お2人と話すのは勿論楽しいですけど、今はもう…しげるさんとも話してて楽しいですよ、わたし。」
「ウソ。」
「本当ですよ。」
「だって、you、オレと話してても笑わないじゃない。」
「うーん…それは話す話題にもよるから何とも言えませんけど…。」
「ほら…。」
一度話すために合わせていた顔を再びフイっと横に向け、拗ねるアカギ。
youは先程から掴んでいたアカギの肩をゆるりと離すと、四つん這いで移動し、背けた顔のある側にやってくる。
再び顔を合わせて、くすっと笑った。
「・・・なに。」
「確かに話題の問題でいうと笑うような場面は少ないかもですけど……きっと他の皆は見てない、今のしげるさんしか知らないわたしの表情もあるんですし……ね?」
「・・・オレしか見てないyouの表情…。」
「うん。」
「それってどんなの。」
「驚いたり、心配したり、怒ったり、は多いかな…?」
「微妙なんだけど……。」
「あとは……照れたり…も、多いと思います…。」
「それはまぁ……悪くないな。」
「もう、悪趣味!」
「だって、youとは恋しないとだし。」
「はい?」
「脱「仮面夫婦」と「偽装結婚」だから。夫婦って、恋愛としての延長の愛情が無いと、成立しないって、youが言ったんでしょ。」
「うっ……ていうか何故しげるさんは…わたしとの関係性にそんなに固執するの…。」
「youが好きだからだよ。でも特別で大事な好きな相手だっていうのに、youは「違う」っていう。オレはそのトクベツにちゃんとした意味と名前を付けたい。単純にそれだけだよ。」
「それは別に……わたしじゃなくてもいいのでは…。」
「・・・それはそうなんだけど…。」
「ですよね。沢山時間があるみたいですし……ひとまず男女関係なく、色んな方と知り合ってみてはどうでしょう。」
「・・・考えとく。」
要約すると折角外界にやってきたのだから、色んな経験の中の1つとして「恋愛がしてみたい」とかそういう話なのでは…と思い、
そのように解釈したyouが「自分以外でも対象になれるだろう」と提案しただけのこと。
アカギもその提案を否定はせずに、享受したように見えたのだが…。
「you…。」
「?」
「ちょっと、ごめん。」
そう言うと、アカギは顔を合わせているyouの頬に片手を添えて距離を詰め、そっと彼女に口付けた。
数秒の間唇を重ねて、ただそれ以上はなく、口付けた時と同じくらいゆっくりと唇を離す……。
「っ……?!」
「やっと、youとキスできた。」
「なっ、何す…!?」
「you、顔真っ赤。」
「う、うるさいですよっ!!」
「次はHだね。」
「絶対しませんっ!!」
「あらら…。」
拗ねたからと言って、丁寧に慰めるんじゃなかった!!と…。
調子に乗ったアカギの行為を窘めるのであった…。
だって ちょっとだけ
嬉しくなったからさ。
words from:yu-a
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