白のお狐しげるさん!
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「ふぅ……ひとまず携帯の大方の使い方はこんな感じですね。」
「ありがと、大体わかった。後は実際使って慣れてみる。」
有言実行。
資金を入手した翌日、アカギは携帯電話を入手するに至った。
白のお狐しげるさん!
其の玖
youの仕事終わりに2人で携帯のショップへ赴き、
大体の話を聞いたのち、最低限のプランで契約を果たして帰宅…。
夕食後に新品の携帯を開封してあらかたの説明を済ませたあたり…。
「ああっ!忘れてました……メッセージアプリの登録は済んだけど、肝心要な電話番号の登録をしてませんでしたね。」
youはそう言うと、自分からアカギの携帯に電話を掛け、自分のアドレス帳にそれを新規登録し、
その反対、アカギの携帯に残った着信の履歴で自分の番号を彼のアドレス帳に登録するよう説明する。
「そうそう、それでここに相手の名前を入力して「保存」です。他に知り合った方も同じように登録したら「あいうえお」順に連絡先が表示されますよ。」
「分かった、ありがとう……名前んトコに…「嫁」…と。」
「ちょっと。」
「ふりがなにyouって入れとくか。」
「色々おかしい!!」
「おかしくない。絶対変えない。」
「しげるさん!」
「変えない。」
「ぐっ…。」
そもそも自分で(アブノーマルに)稼いだ金で買った携帯なのだから、どう登録しようが自分の勝手…。
そんなアカギの言い分を言われずとも察し、youは悔しそうに歯を食いしばる…。
更に言うなれば、アカギが「絶対変えない」と言ったのだ…。
恐らく絶対変えないだろう…。
「あー何か目が疲れた。」
「霊獣でも疲れ目になるんですか…。」
「今は基本的に人間のスペックだからね。」
「成程……じゃあ、しばらく携帯から目を離して、他の事しましょう。」
「いいね、何しようか。麻雀?」
「しませんよ……ん?っていうかしげるさん昨日麻雀分からないって…。」
「ああ、うん……あの時は分かんなかったけど、ガキの方が覚えたから……覚えた知識は共有できてるみたいでさ。ほら、こないだの風呂の入り方とか。」
「え、便利…。」
「でも、youの言ってたナンゴーとかヤス何とかっていう名前はあんまピンとこねェ感じ。聞いたことあるような?話したことあるような無いような…?みたいな。」
「うーん…しげるさんの力が戻るまで色々と…状態まで手探りですね…。」
「そうみたい。まぁ、でも何とかなるでしょ。」
ケセラセラ、レットイットビー…何とかなるさ…と、軽く笑う。
何ともポジティブなアカギの思考に、ある意味で感嘆してしまうyouであった…。
「なぁ、you。」
「何ですか?」
「電話してみてもいいか?」
「どなたに?」
「オレ、アンタの番号しか登録してないんだけど…?」
「え?わたしに掛けるんですか?」
「掛けちゃダメなの?」
「いや、だって横にいるのに。」
「・・・もういい、youのバカ……コンビニ行ってくる。」
「えええ?!」
ぷいっとそっぽを向き、アカギはその場に立ち上がり、玄関へと向かう。
完全に拗ねたと分かる態度に驚きつつ、youもアカギの背中を追うがタッチの差で玄関のドアが閉まってしまった。
「・・・ていうか…外界への順応早すぎない…?」
夜にコンビニって…と、現代人と同じような行動を取る自由満喫中の霊獣、赤木しげる…。
誰もいない玄関に向かって思わずボソッとツッコんでしまうyouであった…。
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youの態度に拗ねたアカギがコンビニに行くと出掛けて暫く…。
そろそろ帰ってきてもいいのでは…?と思うくらいの時が経過したが、一向に彼が帰る気配が無い…。
流石に心配になって、you本日購入したアカギの携帯へ電話を掛けてみることにした。
幾度目かのコールの後「はい」と、先程まで近くで聞いていた低く凪いだ男性の声…。
「もしもし?しげるさん?」
『そうだよ。』
「今どこですか?もしかして迷子になったりですか?!」
『ならないよ、迷子なんて……youとのパスを辿れば戻れるんだし。』
「じゃぁ、何か事件や事故に巻き込まれてないですか?大丈夫?!」
『心配してくれてるの?』
「心配してますよ!だってコンビニに行くだけと思ってたのに、遅いから!」
『・・・フフ。』
「もう、なに笑ってるんですか?!』
『良かった。』
「何がですか……もう!」
『ちゃんと電話くれて。』
「!!」
『待った甲斐があった。』
「しげるさ…。」
「ただいま。」
ガチャっとドアが開いて、現在耳元で聞こえている声と同じ声が玄関からも響いた。
玄関先に立つアカギと、通話中の携帯の画面を何度か交互に確認し、終話ボタンを押したyou。
アカギに駆け寄り、心配と少しの申し訳なさを思わせる表情で彼を見上げる…。
「しげるさん、あの…いつから…。」
「さぁ、いつだろうね。」
コンビニに行って、帰ってきた後、youから確認の電話があるまで家の外で待っていたのではないか、と問うが、明確には答えてくれず…。
「しげるさん、ごめん……練習でも何でも、素直に電話、掛ければよかったね。」
「オレもごめん。別にどうでもいいことなんだけど、あの時はyouとそうやって遊びたかっただけ。勝手に拗ねて、心配掛けて悪かった。」
「うん、確かにそれはそう、心配しました。」
「悪かったとは思ってるけど、やってよかったとも思ってる……電話も掛けてくれたし、心配してくれたのは嬉しかったよ。フフ、変だね、オレの方が心配してもらうっていうのが不思議な感じ。」
「当たり前じゃないですか……しげるさんはわたしの……わたしの……。」
「youの?」
「い、命の恩人なんですから!」
「…だけじゃないでしょ。」
「現在進行形で傍にいないとダメな存在なんですし…。」
「うん、それってどういうポジション?」
「う…。」
たじろいで一歩後ろへ下がろうとしたyouの腕を未だ玄関に立ったままのアカギががっしりと掴む。
逃げられなくなった状況で、尚もアカギは彼女に迫る。
「さっき携帯使って調べたんだけどさ、喧嘩して仲直りしたら夫婦ってキスとかHとかするんだって。」
「何ですかその偏った情報!!」
「しないの?」
「す…するかしないか、分かりません!知りません!!」
「じゃぁ、してみようよ。」
「ししししませんよ!!!」
「何で、そんな拒否されるとまた拗ねるよ。」
「拗ねてもダメ!絶対しません!!」
「何で。」
「なな、何ででも!!!だ、だいたいしげるさん霊獣なのにキスとかエッ……そっ、その意味分かって言ってるんですか?!」
「接吻と伽だろ。」
「わーお、正解。」
おまけに古風な言い回し…流石霊獣…という感想までが一括りであった…。
真顔で「それが何か問題でも?」と訴え掛けてくる男に、youは心底困った顔で説得を試みる…。
「うーん、冷静に考えてみてもやっぱりダメかな。」
「何で?you、オレのこと嫌いなの?」
「いいえ。でも特別な存在ではあります、色々と。ただ「そういうこと」をする相手ではない、とも思っています。」
「む…。」
「でも、それはしげるさんもそうだと思うんです、わたし。」
「オレ?」
「ええ、しげるさんは毎回わたしのこと「嫁」とかって言いますけど、そこに恋愛としての延長の愛情が無いと、成立しないんですよね、夫婦って。だから、しげるさんにとっても、わたしはそういうことをする相手じゃないと思うんです。」
「恋愛…愛情それってどんなの?」
「む、難しいので…ネットで調べてください……。」
「何だそれ…。」
「兎に角!しげるさんもわたしも、現在の同居と言う形式と状況だけでの「仮面夫婦」であり「偽装結婚」状態なのですッツ!!」
「仮面夫婦!偽装結婚!!!」
「そうっ!」
youのズバリ言い切った態度に思わず腕を掴む手が緩むアカギ…。
色々な事が携帯を使って調べられることになった今、若干それを楽しんでいる様子が見受けられたので、
youは「調べなさい」と言い放ったのだが、意外にも効果はてきめんだった様子。
仮面夫婦と偽装結婚も調べるつもりのようで「分からん…調べたら分かるか?」と呟いている。
「そうですそうです、恋愛とか愛情って難しいですからね~~……よーく調べて、かつ自分で考えて悩まないと。」
「・・・分かった。」
「おお!」
「でもオレ、youと接吻はしたいと思ってるぜ?伽は……やったことないから分かんないけどさ。」
「・・・。」
「アンタのこと助けた時に力を直接体内に送った方が良かったからさ、その時にしたんだけど……死にかけじゃないyouとしたいなって思った。」
「死にかけ…。」
「だから、仲直りのキスだけでもしてくれない?」
「・・・っ?!」
「しようよ、キス。」
「や、だ、ダメ!」
「む、何で。youはまたオレと喧嘩したいの?」
「し、したくないですけど…。」
「じゃぁキスしてよ、ほら。しないとまた外出て心配掛けるよ。」
「そんな…!」
「ん。」
目を瞑ってずいっと、その綺麗な顔を近付けてくるアカギ…。
youは顔を真っ赤にして、ついに、とうとう、軽くではあるが口付けた…。
アカギの頬に。
「・・・・何それ。」
「な、仲直りのキスですけど何か問題でも?!」
「ハァ?」
「っ……キスはキスですからっ!!」
まるで思春期の子どもの言い訳のような台詞を叫び…耳まで赤くさせながら自室へと逃げ込むのだった…。
何だか分からないけど
絶対今度は口にさせてやる
ていうか絶対口にする
絶対口にしてやる
words from:yu-a
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