君子殉凶キミに恋する / トリップ
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傍にいる理由は
思う以上に
単純な理由だった
秋めく言の葉
君子殉凶シリーズ番外編
「三成さーーんっ!」
「・・・何だ。」
「鍛錬なう?」
「見て分からんのか。」
「ですね…すみません。」
「何用だ。」
「んー……いやね、構ってほしかったから。」
「今は貴様の暇(いとま)に付き合う気は無い。さっさと失せろ。」
「はーい…(何か機嫌悪い?)」
普段より二割り増し冷たい反応を返されたyou。
いつもなら「酷い!」とプンスカ怒って抗議するところだが、
何だか今の三成は機嫌がよろしくないようで、大人しく引き下がることとした。
そもそも、三成に声を掛けたのには理由があった。
それは実に単純な理由…。
「秋らしい事、誰かと何かやりたいなー。」
廊下を歩きながら、その理由をぼやいていると、
曲がり角の先からモクモクと煙が上がっているのを目にしたyou。
まさかの火事か、忍の敵襲か、と慌てて先へ向かえば
そこにいたのは曲者でも何でもなく、楽しそうに焚き木を囲む徳川家康と、その従者である巨大ロボ…否、本多忠勝であった。
「い、家康さん…と、忠勝さん?!」
「おっ、youじゃないか!」
「何してるんですか?大阪城でまさかのボヤ騒ぎかと思いました…。」
「ハッハッハ、スマンすまん!いやな、折角大阪城の植木も色付いてきたし…何か秋らしい事がしたくなってな!」
「うわー…わたしと思考回路が全く同じ…。」
「お、本当か?気が合うなぁワシとyouは!」
バシバシと肩を叩かれ、勢いの良さに思わず顔を引き攣らせるyou。
ちょっとだけ痛みを堪えて、苦笑を浮かべた。
「はは…ですねー……それで、焚き木を?」
「ああ、落ち葉の処理もできるし…おまけに芋も焼ける、まさに一石二鳥だと思わんか?」
「えっ、焼き芋!?」
「ああ、この中に入ってるぞ。」
「きゃー!いいないいなぁ…!」
「後で持っていこうと思ってたから、三成とyouの分も勿論あるぞ!」
「流石家康さん!八割以上が優しさでできてますね!」
「ハハハ!じゃぁ三成は八割厳しさでできているな!」
「ですね!!」
「ハハハ!!」
もしもこの場に三成がいたら…。
とんでもない事になっているのは分かりきっているが、それでもノリという衝動を止められない2人であった。
そんなこんなで、忠勝を交えて3人で待つ事暫く…。
「そろそろいいだろう!」
「わくてかーーー!」
「わくてか?うん、じゃぁわくてか、だな!」
「もう、家康さん……この可愛くて優しくてカッコイイ生き物め!」
「ははっ、今はおだてても芋しか出らんぞー?」
底抜けに明るい笑顔を見せて、youへ言葉を返す家康…。
この時代の人間にしてみれば、youの使う言葉や態度は考えられないものばかりであるはずなのに、
彼はいつもそんなyouを笑顔で受け入れてくれる…。
それがとても有難いことで、彼自身が自分にとって大事な友なのだと、youは家康と話す度に感じるのだった。
「ほら、youの分!熱いから火傷に気をつけるんだぞ?」
「うん!あ、マジあつー!」
何枚か重ねた布に包んで渡してくれた芋だったが、中々の熱さに驚く。
そんな彼女を見て、これは食べきるのにかなりの時間が掛かりそうだな、と笑う家康。
「ホラ、忠勝の分!」
「・・・。」
家康がニコニコ笑いながら忠勝に芋を差し出すと、彼は無言でそれを受け取った…。
そこで気になってくるのが、彼…本多忠勝は焼き芋(というか食べ物)を食べるのかという事…。
youがわくわくしながら忠勝を覗き見ていると、突如、忠勝の足元から爆風が発生する。
途端に忠勝は空高く舞い上がり…否、発進し、あっという間にその姿は見えなくなってしまった。
「に…逃げられた。」
「ははは、忠勝は見掛けによらず照れ屋だなぁ!」
「空に逃げるってどんだけよ!!」
「はははは!!」
まさに権現!ばりに、youのツッコミを華麗にスルーする家康…。
忠勝が焼き芋を食べるところを見てみたかった!と悔しそうな声を上げるyouに
満面の笑みを浮かべて家康が声を掛ける。
「それじゃぁ、今度は栗でも焼いてみるか!」
「おお、第二回秋食べつくしの会ですな?」
「ああ!食べつくしの会だ!」
「いいですね、いいですね~!」
「あとは、秋の三河に来るといい、美味しいものを沢山用意するぞ!」
「きゃぁー!」
「その時は忠勝も一緒に食事をするだろうしな!」
「是非、お呼ばれしたいですー!」
「ハハ、任せろ!」
サラっと小旅行の約束を取り交わし、お互い笑い合っていると
どこからともなく、地の底から沸き立つような低い声が家康の耳に届いた。
「ん?you、ワシのこと呼んだか?」
「いいえ?」
視線を合わせて小首を傾げれば、今度はyouにも聞こえるくらいのボリュームで、家康の名が響いた。
「イ~エ~ヤァ~スゥウウウ……ッツ!!」
「あ、三成!」
「三成さんだー!」
恨めしさを滲ませ、轟々と燃える様な瞳で2人(というよりは家康)を睨む三成。
それに相反し、のほほん、へらりと笑みを浮かべ、三成に手を振る家康とyou。
そのコントラストは絶妙である。
草履に履き替え、屋内廊下から2人の元へ三成が向かってきて、
一歩、また一歩と近づくごとに、三成のオーラに気付いたyouの顔が引き攣る…。
「い、家康さん、何か三成さん凄い不機嫌なんですけど?!」
「ははは、三成が不機嫌なのはいつものことだぞ?」
「そうなんですけどね?!何か今日のはちょっと、一層酷いというか…!!」
「はははは!!」
「い、家康さん!笑ってる場合じゃ…!」
「はははは…忠勝ーーーー!!」
「逃げんのかいッツ!」
途端、先程空へと飛び立った忠勝が超スピードで急降下してきた。
(信じ難い話だが、家康の声は何処にいても聞こえるようだ。)
物凄い風圧に思わずよろければ、いつの間に移動したのか、
三成がyouの背を支えてくれている。
「み、三成さ…。」
「目を閉じろ、粉塵が入る。」
「は、はい。」
家康は流れるように飛んで来た忠勝の背に軽々と飛び乗り、彼等はそのまま上昇していく。
「逃げるのか、イエヤスゥウウッツ!!」
「ははは、そうカッカするな三成、短気は煮干しや炒り子を食べるといいらしいぞ。」
「・・・慙悔ィイッツ!!」
「危ないじゃないか三成!」
「やかましいッツ!!」
「はははは!!」
忠勝が三成の繰り出す技をひらりと交わし、
残撃が届かない程の距離に達したところで、家康の大きな声が降り注ぐ。
「バタバタしてすまなかったなー、youー!三成にアレ、渡しといてくれー!」
「了解ですー!」
「では、三河で待ってるぞーー!!」
「はぁーーい!」
ギュン、と加速したかと思えば、次の瞬間にはもう2人の姿は空には無く…。
ただ、綺麗に伸びた飛行機雲…(正確には忠勝雲)が伸びているだけだった。
そうして、振っていた手を下ろし、youは三成を見上げる。
しかし…。
未だ怒気は収まらないようで…それどころか眉はいつも以上に釣り上がってしまっている。
肩を萎縮させ、恐る恐る「あの~」と声を掛ければ、三成がキッと睨み返しながら言った。
「今のはどういうことだ、you!家康が三河で待つと!」
「ああ、あれは…三河の秋の美味しいものをいただきに…あと、忠勝さんの食事姿を見に。」
「後者は意味が全く理解できんが……何故三河へ…家康の元へ行く!此処にも近江にも美味いものはある!」
「んー、でも、特産品食べたいですしー…。」
「私を裏切るのかッツ!?」
「どうしてそうなる!?」
「私を裏切って…傍を離れるなど……そんなことは許可しないッツ!」
「わー…最高のツンデレ…ごちです!」
「何をワケの分からん事を……っ!?」
「もし三河に行くとしても……三成さんと一緒じゃなきゃイヤよ、わたし…。」
「・・・フン。」
改めて三成に抱きつき、幸せそうにそう笑うyou。
その言葉と態度は満更ではなかったようで、三成の怒気や狂気は一瞬にして掻き消えた。
「そもそも何故、こんなところで家康と話し込んでいたのだ。」
「ああ、そうそう…はい、これ!三成さんの分!」
「何だ、これは…。」
「焼き芋です!」
「・・・。」
「何か秋らしいことがしたくてウロウロしてたら、家康さんが焼き芋をしていたので…それに便乗させてもらってたんです。」
「家康め…秀吉様のおわす居城で芋を焼くなど…!」
「落ち葉の処分が一緒くたにできるからって女中さんに感謝されたみたですよ?」
「・・・だが今は、本多の所為で一層掃除が大変な事になっとる。」
「はは…確かに…。で、次は栗でも焼こうか~って。」
「あんの馬鹿……そんな理由でまた大阪に来るのか…迷惑甚だしい。」
怒る気も失せた…といった様子で、三成は深く溜息を吐いた。
youはすかさず、家康の焼いた芋を三成に持たせ、自身も手に持つそれの皮を剥いて食べ始める…。
「まだ熱っ!でもおいしい!三成さんも食べましょう!」
「いらん。貴様が食え。」
「んー…じゃぁ、半分こしましょう!残りは大谷さんにお土産!ね?」
「・・・。」
「はい、どーぞ。」
一度三成に渡した芋を回収し、自分の分を半分に割って差し出せば、彼は躊躇いながらもそれを受け取ってくれた。
まるで見本を見せるように、三成と目を合わせて食べるyou。
すると、三成は諦めたように芋を口に運んだ。
「・・・美味しい?」
「・・・甘い。」
「うん!甘くて美味しいですよね!正に秋ってカンジ!」
「・・・食欲の秋しか無いのか、貴様。」
「そ、そんなことは…。」
うっ…と言葉を詰まらせるのは、飲み込んだ芋の所為でない事は確かである。
それでもなお、食べ続けながらyouは言う…。
「流石に三成さんみたいにスポーツ…っていうか、鍛錬の秋とはいきませんけどー…。」
「鍛錬は秋でなくてもすべき事だ。」
「はいはい。で、他に秋っぽい事って言ったら…。」
「・・・。」
「読書の秋とか?でも、わたしはこの時代の文字読めません。」
「読めないのなら読み書きできるようになれ。勤勉に励む秋というのも悪くはないだろう。」
「嫌ですよぅ、こんな時代まで来て勉強だなんてー……三成さんがマンツーで教えてくれるなら…そりゃ考えますケド…。」
「構わない。」
「ほらやっぱり「構わない」なんて拒否する~……て、え??」
「真剣に学ぶ気があるのなら、それも吝(やぶさ)かではない。」
「す…する!がんばる!!」
「そうか。」
「うわー…うわー……うれしい……夢みたいです。」
「?」
何故だ?と首を傾げる三成に、youははにかみながらその理由を話す。
「だって、いつも三成さん……忙しいから…ちょっとでも…構ってくれると嬉しいの。」
「・・・っ…か…わ…//」
「えへへー……どうしよう、今から三成さんを独り占めです…しあわせー!!」
「・・・馬鹿が…//」
「読書か、何かな、何がいいかなー、やっぱり物語がいいなぁ!」
「・・・物語など、私は持たんぞ…。」
「え、じゃぁ何なら持ってるんですか?」
「軍略指南書?」
「ほ……他には…。」
「……石高算出の目安書…。」
「ハイ!上げて落とすパターンキタこれ!無理ですから!!読めるかっ!!」
「むぅ…。」
「もー……この時代でしょ?竹取物語とかー、桃太郎とかー、源氏物語とか!誰か何かしら持ってないんですか?」
「源氏の物語なら…確か刑部が…。」
「おお!流石!焼き芋届けるついでにお借りしましょう!」
「・・・そうだな。」
ナイスアイディア!と手を叩き、youは三成を引き連れて大谷の元へと向かった。
・
・
・
・
「これでよいか?」
「ああ、感謝する。」
細い紐で綴られた、この時代特有の「本」を受け取ると、youが両手離しで喜びの声を上げた。
「やったー!大谷さん、ありがとうございます!」
「ナニ、たまたま大阪の城の方に置いたままにしておっただけよ。」
「勉強を兼ねてるので、お返しがいつになるか分かりませんが…。」
「よい。我はもう読む事もなかろう……ヌシにやろう。」
「ほほほほ本当?」
「要るのなら。」
「欲しいです、是非いただきたいです!」
「ならば遠慮無く持っていくがよかろ。」
「大谷さん、ありがとうございますっ!!」
歓喜するyouを横目で一瞬見やり、三成は大谷に声を掛ける…。
「刑部。」
「ん?」
「やる。」
「これは……何ぞ。」
「芋だ。」
「・・芋。」
「・・・。」
「・・・。」
この上なくストレートな説明だが、それゆえに伝わらないことが多過ぎる…。
結局、会話が止まった2人の中に、youがフォローに入るのだった…。
「さっき、家康さんと焼き芋してたんです…それはそのおすそ分け。」
「成程、あい分かった。」
「まだ温かいので、よかったら冷めないうちに食べてくださいね!」
「ではそうする……。」
「お茶持ってきますか?」
「よい、それより折角だ……早速、書を部屋で読むがよかろ。」
「じゃぁ……お言葉に甘えます!」
ぺこりと一礼し、youは三成と共に大谷の部屋を出た。
どうやら、本を貰えたのが相当嬉しかったらしい…。
目を輝かせながら、鼻歌を歌いながら、youが廊下を歩くので、
三成は思わずふっと、笑みを零してしまうのだった。
「よかったな。」
「はい!」
「刑部に感謝することだ。」
「勿論!今度何か城下でお礼を買います!何がいいですかねー…甘味とか?」
「そうだな……甘味と上質な茶でも渡せばいい。喜ぶだろう。」
「じゃぁ、わたしと三成さんのお茶菓子も買って、3人でお茶しましょうよ!」
「・・・時間が許せば、それもいいだろう。私の茶菓子は要らんがな。」
「また好き嫌いする…でも、やった!凄く楽しみ!」
先に楽しみな予定ができたことに喜んでいると、
いつの間にか三成の部屋へと到着していた…。
そんな、大阪城で三成に与えられている部屋は広く、しかしながら物が無い。
余計な物…ではなく、本当に必要最低限な物しか置いていないといった状態だ。
だからこそ際立つ、その場に似つかわしくない物…。
「これ、何ですか……手拭?」
「それは鍛錬の最中に秀吉さまにいただいた手拭だ……家宝と言っても過言ではないな。」
「マジですか……じゃぁ、あれは?」
「あれは紐だ。」
「見りゃ分かります。」
「荷を括るために探していたところに、たまたま通りかかった秀吉様からいただいたのだ。」
「何でそのタイミングで紐を持ってたんですか…秀吉さん。」
「そんなことは知らん。」
「あ、そう。」
そういったように、殺風景な部屋に飾られている奇妙な物が多々…あるのだが、
三成のファン根性にそれ以上は言及せずに着席するyouなのであった…。
そんなこんなで、三成がいつも使っている文机に書を置き、
わくわくしながらページをめくった……が、しかし。
「ま…まったく読めん。」
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに…。」
「これが「れ」?「の」とか一体化して読めないよ……メモるから、紙とペン貸してください!」
「紙はあるが……ぺんとは何だ?筆のことか?」
「そっか……筆しか無いのか……じゃぁ、しょうがないから筆で!細いやつ!」
教えてもらう立場にしては図が高い!と、思わず舌打ちしそうになった三成だったが、
意外にもyouが真剣に書に目を向けているので、何も意見せずに紙と筆を用意してやった。
貸してもらった筆で、本文と意訳を書き写し、
別の用紙にあいうえお表を自作で書き込んでいく。
「えーっと、いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに…?」
「どの帝の御代のことであったか、女御や更衣たちが大勢お仕えなさっていたなかに…。」
「いずれ=どのくらいの……あまた=たくさん、は分かる……さぶらひたまひけるって、仕えるってことなの…か。」
「・・・そうだ。」
「次の「いと」は「とっても」ですよね?」
「ああ。「やむごとなき際」は「高貴な身」だ。」
「じゃぁ、とっても高貴な方がいて…?」
「違う「あらぬ」で否定を示している。「大変高貴な身ではない」から「たいして身分は高くない」と考えるのだ。」
「あー…成程……遠まわしな言い方だなぁ…。」
「平安の時代に作られたものだからな……今とは言い回しも大分違っている。」
「わたしの場合、更にそれの上をいってるんですケドね。」
「諦めろ。」
「うー、まぁいいんですけど。比べると色々不便で大変だけど、三成さんと離れる気なんて皆無だし…。」
「・・・当たり前だ。私の元を去るなど、許さん。」
「ですよねー!」
「でも嬉しいです」と、後に言葉を足して、三成の肩に頭を預ける。
別段三成も怒ったり、跳ね返したりする事は無かったため、
暫くその体勢のまま、原文を読み進めていく・・・。
そして、一時間ほど経過した頃…。
「…なほ拠り所なく心細げなり。」
「そのまま?拠り所がなくて、心細い…?」
「ああ…「やはり頼りとする人がなく心細い様子である。」と言ったところか。」
「このフレーズ…この時代に来た時のわたしみたい。」
「それは・・・今もか?」
じっと、澄んだ瞳で自分を覗きこんでくる三成…。
youは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにふわりとした笑みを浮かべて言った。
「まさか……だって三成さんがいてくれるじゃないですか。」
「・・・。」
「そりゃ最初は…事ある毎に斬滅するだの首を刎ねるだのって、超怖かったけど…。」
「・・・ぅ。」
「わたし「この世界では三成さんしか頼る人がいない」って、すっごく泣いた…。」
「・・・。」
「「だから三成さんだけを信じる」って言った時…言ってくれましたよね。」
「私を裏切るな、と。」
「うん……「お前が私を信じ、裏切らない限り…私はお前を裏切らない」って。」
「相違無い。」
「そうです……わたし、三成さんにだけはウソ吐かない。裏切らない。あ、軽く吐く嘘くらいは許してね?」
「そんなことは分かっている。」
「だから……だから、これからも……わたしの事…捨てずに、傍に……っ!?」
「馬鹿か、お前は。」
「み、つな……//」
過去の言葉を引き出すにつれてどんどんと曇っていったyouの表情を見兼ねた三成。
突然、机に向かっているその身体を思いっきり抱き寄せた。
「裏切らないから傍に置くのではない、私が貴様を好いているから傍に置くのだ。」
「すっ……ご……ぃ、ああ…もう…っ//」
「・・・勘違いするな。」
「っく……何、もう……しあわせ…です……っ…!」
「・・泣くな…馬鹿。」
身体を動かし、youは三成の体温を確かめるようにしっかりと抱きつく。
そんな彼女の柔らかな髪を梳くようにして撫でる三成の手つきがあまりにも優しいので、
youは胸の奥を更にぎゅっと掴まれた気持ちになる。
それはとても切なくて、けれども言葉に出来ないほどに愛しいものだった。
翠から黄色に
碧から朱色に
色づくのは貴方の言葉
三成
(切りの良いところで止まっていることだ、今日はここまでとするか。)
you
(はい、三成先生!)
三成
(もう夕刻だ、今日はもう秋探しは終わりでいいだろう。)
you
(はい!とっても楽しい一日でした!)
三成
(明日も何かするのか?)
you
(予定は未定です……けど?)
三成
(明日の修練は夕刻にする。)
you
(珍しい!)
三成
(だからyou、次は私に付き合え。)
you
(付き合えって…え?)
三成
(明日は陽の高いうちに山の環境調査に行く。)
you
(山ですか。)
三成
(不服そうだな。)
you
(いや、山登りも秋らしいっちゃらしい……ん?あれ、山登り…。)
三成
(山が色付き始めて暫く経つ……今は紅葉が見事だろう。)
you
(紅葉狩り!!)
三成
(聞くまでもないだろうが・・・付いて来るか?)
you
(聞くまでもないです!)
words from:yu-a
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