世界の温度 /トリップ
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全てが終わってしまった日
文字通り
私は全てを失った
世界の温度
00:the loser
あの日、あの関ヶ原で…
私は秀吉様の仇である家康を斬滅すべく戦った。
その途中、まだ家康に辿り着いてもいないのに私は倒れた。
否…私は倒されたのだ。
奥州の伊達政宗に。
「・・・・。」
奴は私が家康を憎むのと同じように私に対して憎しみを抱いていたのだという。
かつて小田原の役で私に大敗を喫したことが、そのきっかけだったと…。
そして私は家康を討つ前に伊達に討たれた。
しかし、奴は私を殺さなかった。
家康への憎しみを抱いたまま、
秀吉様の仇を討てなかった無念を抱いたまま、
無二の友を失ってしまった焦燥感を抱いたまま、
私は独り、残ってしまった。
寄る辺無く明日を生きる日がもう幾日も過ぎた。
生きているのか
死んでいるのか
地面に倒れた衝撃で「生きていた」のだと分かったが…。
「もう、疲れた…。」
目を閉じたら逝けるだろうか?
私と共に在った故に潰えた蝶の元へ。
私に軍略を教えてくださった方の元へ。
私に全てを与えてくださった
あの御方の元へ。
・
・
・
・
「・・・・。」
すっと目を開けば、見慣れない天井。
確か倒れたのは屋外だったはずだと、石田三成はぼんやりと思う。
それでも、はっきりしない頭で考えついた答えは、やはりここは死後の世界だということだった。
「地獄というのは、存外現世と変わらん場所なのだろうか。」
ぼそりと呟いた言葉は思ったより部屋に響いた。
目覚めたばかりだというのに、とても目蓋が重たく感じ、三成は再び目を閉じる。
地獄に居るというのに、随分とふてぶてしい性格をしていると…閻魔に怒られるだろうか?
そんなことを薄れ逝く意識の中で考えたのだが、そこで閻魔とは遥か遠い声色が聞こえた。
「ここは此処ですよ。」
柔らかな声が脳内に浸透し、温かな手が額に添えられてぬくもりが広がる…。
ほっと安堵したような表情を浮かべて、三成は二度目の眠りに落ちていった。
御嗤い下さい
敗者に似合いの
死に方を
words from:yu-a
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