君子殉凶キミに恋する / トリップ
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好きな食べ物
好きな動物
好きな番組…
色々ありますけれども
すきなもの
唐突に、三成に「好きなものは何か」と問われた。
暫し目を瞑って考えれば、ここに遣って来てから暫く疎遠だった物が次々と脳裏を過ぎった。
「ケーキにタルトにロールケーキ、シュークリーム…あとスタバのキャラメルマキアート…それから…。」
「よく分からんが、それは何だ。」
「好きなものです!美味しいものです!」
「全部か?…食べ物ばかりだな。」
「むー、じゃぁ三成さんは?」
「私は食べ物ではない。人だ。」
「人?あー、分かった!どうせ秀吉さんでしょ。」
「いや、違う。」
「あれ、違うんですか?」
きょとんとした顔で三成を見れば、彼はすぐにコクリと首を縦に振る。
君主至上主義の彼にとって、秀吉以外に大事な人間などいただろうかと…。
youは頭にいくつも疑問符を浮かべる…。
「私の好きなものはyouだ。」
「え。」
思いもよらない答えに、嬉しい以上に驚きのほうが勝っていて、
youは思わず大きな声で聞き返す。
「うそっ!一番は秀吉様!じゃないんですか?」
「そうだ。」
「え?え?」
「秀吉様は一番大事な御方だ。」
「え、じゃぁわたしは一体…。」
「貴様は私が拾ったモノだろう。」
「ちょっと!モノってどういうことですか!」
「だから一番好きなモノはyouだ。」
「嬉しいけど納得できなーい!」
「フン…不服なら枠から永久に除外するが。」
「それはダメ!」
どんな状況であれ、三成に好きと言われて拒むことなどyouにはできるはずもなく…。
しかしながら、納得はできないためその内容を詳しく話し合いたかったのだが、
半兵衛に呼ばれているからと言い残し、三成はその場を去っていった。
要は、聞きたいことだけを聞き、言いたい事だけ言って去っていったのである。
・
・
・
「って…言うんですよ!わたしは三成さんの所有物じゃないのに。」
「ふむ。」
三成との遣り取りを終えた後、youは大谷の元に来ていた。
兎に角誰かにこの思いをぶつけたかったこともあるが、
三成と仲の良い大谷なら、三成の質問の意図するものが分かるかもしれないと思ったからだ。
そして話し相手に大谷を選んだのは間違っていなかったと…。
youは知る事となる…。
「大谷さんからも何とか言ってやってくださいようう!!」
「三成はぬしを好きなモノと称したと。」
「そうです。」
「一番好きな。」
「そうです。」
「ヒヒッ…実に三成らしい。」
「もう!」
まともに取り合ってくれなさそうな大谷の反応にyouは頬を膨らませる。
やはり三成を庇っているのだろうかと思ったのだが、
よく分からないことに、ヒヒ…といつもの引き笑いを一つして、大谷がyouに質問をしてきた。
「ぬしは漢字は得手か?不得手か?」
「え?えっと…普通です、多分……皆の字は達筆すぎて読めませんが。」
「では自分で書くといい。」
「何で?!漢字練習ですか?」
「ヒヒ…ほれ、紙と筆を貸してやろう。」
「もう!」
薄い半紙と手紙用の細い筆を机に用意され、前に座らされる。
「何を書くんですか?」
「もの、と。」
「漢字で?」
「左様。」
「はい、「物」。」
「ぬしの知る「モノ」はそれだけか?」
「え…うーん、ああ、あと「者」とか…。」
「ほう…どんな「モノ」だ?」
「えーと「者」はですね………あ!」
「どうした?」
「大谷さん…。」
「ん?」
「ありがとうございますっ!」
勢いよく立ち上がり、youは大谷の部屋から飛び出していった。
バタバタと廊下を走り、先ほど半兵衛の元へと向かった三成を探すyou。
ひとまず半兵衛の部屋のある方へ駆けていくと、
運良く、曲がり角で目的の人物とぶつかる事ができた。
「わぶっ?!」
「っ…誰だ!斬滅す……っ、you?!」
「三成さん!」
「走るな!危ないだろう!」
「ごめんなさい!あのね、でもね!三成さんに会いたかったの!」
「はぁ?」
「あのね……わたしの一番好きなものはね、三成さんだった!ごめん!」
「・・・。」
「好き…すき、一番大好き!」
「わっ、分かったから黙れ馬鹿者!//」
慌ててyouの口を手で塞ぎ、三成は赤い顔で彼女を見下ろす…。
一呼吸置いて、塞いでいた手を離した。
溜息混じりにyouの髪に手を伸ばし、軽く撫でた後
三成は彼女の頭を自分の胸板に押し当てて問う…。
「何でまた急にそんなことを言いに来たんだ貴様は…。」
「わたしのこと、一番好きって言ってくれてありがとうございます。」
「・・・。」
「三成さんの好きな者がわたしで、嬉しいです。」
「…いっ、言っておくが一番敬愛するのは秀吉様なのだからな!」
「うん、でも好きなのは?」
「モノ」は「物」ではなく「者」であるという意図を知った様子のyouを見て、
三成は自分で言った事とはいえ今更ながらに気恥ずかしさを覚える。
じっと自分を見上げてくるyouに照れから、
憎まれ口を叩きそうになるが、ぐっとそれを堪えた。
キョロキョロと周りを見渡して、三成はyouの手を引き
一番近くの部屋に入り、後ろ手に襖を閉める…。
「み、三成さん…?」
「好き、か…。」
「え?」
「好きではないのかもしれん。」
「えぇっ?!!」
「一番…。」
「一番好き、じゃない?」
一気に曇った表情を浮かべるyouに対し、三成は軽く笑う。
そっと両頬に手を添えて、視線を合わせた。
「一番、愛している。」
「・・・っ…//」
素直に「好き」と三成に告げたyouだったが、
それ以上に彼の方が自分に素直に生きる人間なのは間違いないだろう。
驚きと嬉しさと恥ずかしさで腰砕けたyou。
当然のごとく、しゃがみ込んで三成に深く口付けられた。
一番愛する者は君
you
(大谷さんにお礼を言ってこないといけません。)
三成
(刑部に?)
you
(はい!三成さんの言葉のとんちの答えを教えてくれたんですよ!)
三成
((とんち…。))
you
(早速行って…)
三成
(待て。)
you
(?)
三成
(夕餉の後でいいだろう。)
you
(え?まぁ、別に急ぎませんけど。お礼言うだけですし。)
三成
(そうか、では…)
you
(いや、では…って、何で帯解こうとしてるんですか!?)
三成
(伽。)
you
(何一言で軽く済まそうとしてんですか!…や、やですよ!)
三成
(何だと?愛しているのではないのか?!)
you
(いや、好きですけど!)
三成
(ならば言葉通り愛し合う。文句など無いだろう。)
you
(気持ちが同じなら問題無いわけじゃないですよね?!合意があってですよね?!)
三成
(黙れ、所有物の分際で私に意見をするな。斬滅するぞ。)
you
(あーっ!ほらまたそんなこと言う!!)
三成
(フン。)
you
(二回目は流石に怒りますよ!?それにこんなとこで……!)
三成
(誰が怒っても別段怖くも何とも無い。見られてもだ。)
you
(ふーん、じゃぁ秀吉さんとか半兵衛さんに見られたりしても怖くないんですね?)
三成
(・・・。)
you
(はい、帯から手を離しましょうね、三成さん。)
words from:yu-a
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