君子殉凶キミに恋する / トリップ
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ふわり ひらりと
舞い落ちてくる花びらを
掌に掬い上げた
君がいるということ
「きれーーい…。」
「・・・。」
「三成さん、凄いよ!ハンパないよ!凄く綺麗だよ、桜!」
「…ああ。」
「反応薄いよ!」
「貴様が煩いだけだ…もっと大人しく観賞できんのか。」
「でも、皆騒いでるよ?」
そう言ってyouが指差したのは、花見を楽しむ京の町人たちの群れ。
そう、いつぞやの約束通り、youは三成と2人で京まで花見に来ていた。
否、結果としてそうなる予定なだけで、実際は京の御所に秀吉からの文を届ける役目を三成が仰せ付かい、
それにyouが便乗してきた…ということ。
「京の人間は年中頭の中が祭りのようだな。」
「酷い言い様ですね…京の人たちに総スカンくらいますよ。」
「知るか。」
「でも、こんなに綺麗なんだもん…浮き足立つ気持ち、凄く分かるな。」
「・・・。」
「そう思いませんか?」
「思わん。」
「さいですか。」
どうやら、そもそも感性が一般人とは違うらしい。
三成に白けた視線を送り、youは呆れたような溜息を吐いた。
youの態度に特に何も反応をせず、三成はただ任務を全うすべく御所を目指す。
今回は特に密書等ではなく、定期見舞いのような内容の文でそれほど重要なものではない。
だからこそ、従者も付けないままに2人旅ということができたのだが、それでも三成にとっては
「秀吉に任された」ということ自体が重要なものとなる為、任務を遂行するまでは常に気を張っているようだ。
それ故、折角の2人きりの遠出なのに行き路で、好き合った者同志の会話等は全く皆無。
それどころか、ピリピリした雰囲気を容赦なく撒き散らしていた。
三成のそんな態度に、いい加減うんざりしてきたところでやっと先ほど京入りを果たし、御所まで辿り着く…。
・
・
・
「やぁーっと終わった!」
「秀吉様…この三成、お預かりした書をお届けする任を今確かに遂行いたしました!」
「・・・。」
これぞ武士の誉れ!と言わんばかりに目を輝かせ、空を見上げる三成。
恐らくは空に秀吉の顔でも思い浮かべているのだろう…。
十中八九そうだろう、と…youは思ったが、何もツッコミは入れなかった。
「you。」
「ん?」
「行くぞ。」
「え、あ、うん、何処に…?」
「まずは宿だな……折角だから京の桜を堪能して帰るのがいいだろう。」
「わーいっ!お花見ー!」
両手放しで喜ぶyouに軽く呆れた笑いを浮かべ、三成がその前を歩き出す。
それにyouも続いて、2人は都のとある宿屋へと向かった。
宿の宿泊名簿に名を書き入れたところで部屋を借りる数を女将に尋ねられた。
三成の性格上、静かな環境を好むため、
旅の道中、町や村で宿を借りた時は全て別々の部屋を借りていた。
そのため、今回も2部屋借りるのだろうと思っていたyou。
しかしながら、何故か京のこの宿では思わぬ言葉を三成が女将に返した。
「一室で頼む。」
「かしこまりました。二階の一番奥が空いてますから、そこへどうぞ。」
「分かった。」
部屋の場所を伝えられ、三成はスタスタと歩き出してすぐに突き当たりの階段を上っていく。
youもハッと我に返り、三成を追いかけた。
そして、既に部屋に入ってしまっている三成の背中に大きな声で問う…。
「ちょ、み、三成さん?!」
「…何だ、騒々しい。」
「どどっどどうして同じ部屋?!もしかして、お金無くなりそうなんですか?!」
「…馬鹿が、要らん心配をするな。」
「で、でも!」
「特に理由は無い。ただ、もう任務は果たした故、気を張る必要が無くなった…それだけのことだ。」
「そっ…か……あは…っ。」
「何が可笑しい…。」
「ううん、嬉しいだけ。」
「・・・。」
荷物を置いて、畳の上に正座する三成。
youも同じように部屋の隅に荷物を置いて、三成の隣に腰を下ろした。
じっと三成を見つめ、くい…といつもの銀と紫色の陣羽織を軽く引いて呼びかける。
「みつなりさん。」
「…何だ。」
「ありがとう、大事な任務なのに…連れてきてくれて…。」
「いつも与えられるような重大な任ではなかったからだ。」
「うん、でも…ありがと。」
「フン…まぁ、事情はどうあれ、この時期に京に来れる…貴様は…運が良かったな。」
「うん!とっても嬉しい!」
「まだ明るい、暫く休んで外に出るか。」
「そうですねっ!あー、桜を眺めながらお団子食べたいなぁ~。」
「花より団子か…趣の無い…。」
「むー!そんなことないですよ!」
少し頬を膨らませ、三成をじとーっと睨む。
しかしながら、微塵の怒気さえ感じられないその表情。
三成は鼻で笑いながらyouを見下ろす。
と、するりと腰にyouの細い腕が回され、三成の表情は驚きのそれへと変化した。
「なっ…?!」
「大事なのは何処で見るとか、何を食べながらとか…そんなんじゃなくて……誰と何をするか…だから。」
「!」
「わたしは…三成さんとお花見できることが、うれしい…です。」
「…っ…。」
「で、お団子も…一緒に、食べたいです。」
「…貴様は…。」
抱きついたyouの身体をべりっと引き剥がし、正面に向き合わせる。
きょとんとした表情で一度首を斜めに傾けると、そのまま三成に押し倒された。
当然動揺するyouの耳元に三成は唇を寄せて囁く。
「花見は明日行くことにした。」
「あ、明日って…え?だって今から…。」
「団子も明日だ。買ってやる。」
「え、ホント?やったー、ありがとう!」
「変わりに…私に貴様を食わせろ。」
「は い ?」
「花見は明日、今日は伽、拒否は認めない。」
「そんな無茶苦茶な!」
抵抗の色を見せ、身じろぐyou。
そうはさせまいと、三成は彼女の着物の帯に手を掛ける。
「黙れyou!貴様が悪いのだ、観念しろ!」
「わたし?!どうしてよ!」
「道中…ずっと我慢していた中、私を燻るようなことを言うからだ!」
「が…我慢…してたんですか?」
「部屋を別けていただろうが。」
「え、でもそれは…三成さんが一人のほうがいいからじゃ…。」
「確かに煩いのは嫌いだが……私とて男だ。好いた女と同じ部屋で…何日も耐久できるわけじゃない。」
「だからいつも部屋を別に…?」
「…以前の私なら別段全く問題無かったのだがな。」
「いや、その方が逆に普通の男じゃないと思うけど。」
「なら話が早いだろう、大人しく私に抱かれろ。」
「ちょ…っ、と!そんな台詞三成さんが言うとか…!//」
「・・・可笑しいか?」
「…反則です…//」
「・・・決まりだな。」
まだ日が燦々と京の町を照らす中、宿の一角では夜の営みが始められる。
雰囲気に流された節にyouは少しだけ苦い顔をしたが、
それでも天井を背景にした三成が愛しくて、嫌な思いは抱かない。
結局のところ、この不埒な行為でさえも
彼女の言う「誰と何をするか」のカテゴリに当てはめてしまえば、
三成を拒否することなどできないのだから。
即ち重要事項の前提は
君がいてくれるということ
you
(んー…おいしい!)
三成
(よく食べるな…。)
you
(だって流石京の都なだけあって、お団子も美味しいんだもん…。)
三成
(何処もそんなに変わらんだろうが…。)
you
(えぇ?!全然違いますよー?)
三成
(はぁ、そうか……いや、もういい。)
you
(桜も綺麗だし、お団子も美味しいし、最高です!)
三成
(確かに、この京の桜は本当に美しい。)
you
(三成さんが隣にいてくれるから、相乗効果で更に凄く綺麗に思えます!)
三成
(分けの分からんことを…。)
you
(お団子も、普段よりもっと美味しいのです!)
三成
(では私も…。)
you
(え…っ…?!//)
三成
(秀吉様の隣であれば、今よりもっと桜も団子も味わい深くなるのだろうな。)
you
(・・・三成さん…それ酷い!)
三成
(私の中では秀吉様が何にも勝るからな。)
you
(フンッ、じゃぁ帰りの道中は行きと同じ禁欲スタイルでお願いしますからね!)
三成
(何だとッツ?!)
you
(家に帰って秀吉さんに頼めばいいじゃないですかっ!)
三成
(秀吉様はお忙しいのだ!)
you
(って…否定せんのかいっ!)
三成
(そっ…そうだな!そうだっ!違うぞ、断じて!//)
you
(・・・(怪しい…))
三成
(そっ、そのような目で私を見るなッ!//)
words from:yu-a
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