you don't get it!(5D's:鬼柳)
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欲しい言葉があるんだ
Make love to me.
家の暖房器具のスイッチを入れてふと、youは思う。
自分がサティスファクションタウンに越してきてはじめての冬が訪れようとしている、と。
「そういえば最近夜も冷えるようになったしなぁ…。」
「独り言か、you?」
「あ、鬼柳くん。」
リビングに現れた鬼柳に声を掛けられ、振り向く。
それからyouは暖房器具を付けたことで、この町で初めての冬が訪れたと、感慨深く思ったことを伝えた。
「そうだな…最近布団もあったかいのに変えたしな。」
「部屋の暖房入れて寝ると乾燥するから、寒いけど我慢しないとですし…。」
「はは、何ならいっそ一緒に寝るか?」
「鬼柳くんは普段落ち着いているので、何だか低体温っぽいですが…どうですか?」
「俺、意外と熱血よ?テンション落ち着いたのこっち来てからだし。」
「そうなんですか?遊星さん達と一緒だった頃はどんな感じだったのですか?」
「んー…。」
youの問いかけに、過去の自分を振り返る鬼柳…。
『チームサティスファクションリーダー、鬼柳京介!満足させてくれよ?』
『俺たちはどうやったってサテライトから出ることはできない…。だったらここで満足するしかねぇ!このサテライトでどデカいことやって、満足しようぜ!』
『ヒャーッハハハハハ! 踊れ遊星ェ!死のダンスを!!』
『イッツ…ショータイム!』
「・・・。」
「テンション高めでしたか、鬼柳くん?」
「・・・。」
「鬼柳くん…??」
「あ…うん……高め…だった、かな……多少。」
「多少…??」
思いの外高すぎるテンションだったことを今更ながら認識し、言葉に詰まる。
何が起ころうと、かつての自分をyouには見せられない、教えられないと生唾を飲む鬼柳であった…。
「それより、さっきの話だよ!」
「え?」
「一緒に寝るってやつ!俺、別に低体温じゃないし、俺のトコはベッドサイズが少し大きいし…。」
「でも…。」
「モノは試し!早速今日は一緒に寝てみようぜ!」
そう言って爽やかに笑う鬼柳には下心や他意などは全く垣間見えず、
それならばと、youは共に寝ることを了承した。
そして、日も暮れて夕飯を摂り、入浴を済ませてあとは寝るだけ…となったのだが。
「じゃぁ、オヤスミ。」
「お、おやすみなさい…。」
素直に電気を消し、ベッドに潜る鬼柳と、続けてその隣に入り込むyou。
1つの布団で横に並び、少しドキドキしているyouに、鬼柳が声を掛ける。
「なぁ、you。」
「は、はい!?」
「手、繋いでいいか?」
「あ、はい…。」
「うわ、冷たッ!!」
「わ!鬼柳くんの手温かい!!」
包み込まれた手と包んだ手の温度差にお互い驚き、くすくすと笑いあう。
「もしかして足もか?」
「足も割と冷たいですよ。」
「うわ、冷た!今度寝る用の靴下みたいなの買ってやるよ…。」
「本当ですか?」
「ああ。」
「ふふ、ありがとうございます。」
「やっぱ一緒に寝るの正解だったんじゃないか?」
「そうかもですね。」
「仕方ねぇな……ほんと。」
「え…っ?!」
「これなら、すぐあったかくなるだろ。」
「っ…は、はい…//」
男性より女性の方が冷え性になりがちという一般論よろしく、
まさに同類だった様子のyouを気遣ってか、鬼柳は彼女のからだをぎゅっと抱きしめる。
確かに腕の中は温かく、この状態であればすぐに身体は温もり、眠りに就けるだろう。
しかし、同じ布団の中で恋人に抱きしめられているという事実は刺激が強過ぎたようで、
数分後にスースーと寝息を立て始めた鬼柳とは反対にぎゅっと目を瞑っても眠れないyouだった…。
結局、その日以来夜になると、鬼柳に手を引かれ同じベッドで寝ることになってしまった。
一人で寝ると伝えても、冷え性気味であることを指摘され「遠慮するな」と連行されるのだ。
しかし、数日間寝床を共にしているにも関わらず、
鬼柳がyouに手を出すことは全く無く、それが余計にyouを戸惑わせていた。
今日も今日とて、鬼柳に手を引かれて、彼のベッドにいるのだが
やはり特に手を出してくることはなく「おやすみ」の言葉の後に照明を消される。
「あの…鬼柳くん…。」
「ん?」
「わたし……。」
「どうした?」
「・・・。」
「you?」
「あの、わたしって……!!」
「??」
「……な…なんでもないです…//」
「はぁ…?」
「おやすみなさい…。」
「・・・。」
ばふっと布団を被り、頭まですっぽりと見えなくなったyou。
その膨らみを上から見つめ、鬼柳はフゥ…と軽い溜息を吐くのだった…。
・
・
・
・
次の日、朝の挨拶も普通に交わし、仕事を済ませ、他愛無い会話をしながら夕飯を食べた。
各々ゆっくり風呂にも入り、上がってきた後にリビングで共に決闘の練習をして楽しむ…。
そんな充実した平穏な一日を過ごした2人だったが、
決闘の練習が一段落し、時計に目を遣るともう就寝の時間になっており、
今までの穏やかな時間から一変…妙な沈黙が漂い始める……。
「……そろそろ、寝るか…。」
「・・・そう、ですね。」
「・・・片付けるか。」
「はい……あ、これ鬼柳くんのカードです。」
「おう、さんきゅ……。」
「・・・。」
「・・・。」
「あの、鬼柳くん……。」
「ん?」
「わたし、今日は……部屋で寝ますよ。」
「だーめだ。いつも一緒に寝てるけど、お前マジ冷たいぞ。」
「あ、温かくして寝ます…。」
「でも乾燥するから暖房付けたくねぇんだろ?」
「そうですけど…湯たんぽみたいなのとか…。」
「それ時間経ったら効果ねぇじゃん。」
「それは……そうですけど…。」
「ほら、行くぞ。」
「うう…。」
何とか鬼柳の誘いを断りたかったyouだったが、
結局ほぼ強制的に会話を終了させられ、丸め込まれてしまった。
そしてやってくる就寝の時間…。
最近ルーチンワークになっている、鬼柳の「おやすみ」の挨拶の後の消灯。
布団に入り、目を閉じた鬼柳に、youが恐る恐る呼び掛ける。
「き…鬼柳くん……。」
「・・・ん?」
「あの……あの、あの…!!」
「何だ…?」
「あの…っ…あのですね!」
「あの、しか言えてねぇぞ…。」
「いや、あの……その……わ…わたし…は…。」
「・・・。」
「…っ……なんでもないです…。」
「・・・。」
「おやすみなさい…。」
昨日と同じように、何かを言葉にしたいが、言い噤むyou。
言いたい事があるなら言え!と、言いたくなるような、もどかしく中途半端な発言だが、鬼柳には何となく察しが付いていた。
というより、寧ろ、その続きを言わせたいが為に今日まで我慢してきたのだと言えよう。
言葉を諦めて、眠りに就こうとするyouに、
そうは問屋が卸さないとばかりにベッドサイドの淡い灯りだけを点け、鬼柳が待ったを掛ける。
「you。」
「?」
「言いたいことがあるなら、言えよ。」
「えっ!?あ、いえ…その…。」
「言えよ……何かあるんだろ。」
「あ…。」
「・・・。」
「や、やっぱりだめです……言えません…//」
「言えって…。」
「い、やです……むりです……嫌われたく、ない。」
「嫌われる?何か隠し事か?」
「いえ、そんなんじゃ……。」
「だったらいいだろ?」
「よく、ないです……鬼柳くんに、幻滅されたくない…。」
「しねぇよ幻滅なんて……だから教えろ…何て言いたかったんだ?」
「う…。」
「you……教えてくれ。俺は多分、ずっとその言葉を待ってた。」
「え…?」
「言ってくれ、youの口から聞きたい言葉なんだ。」
ベッドサイドのオレンジの照明は柔らかに互いの顔を照らし、その表情を映し出す。
鬼柳はそっとyouの髪に手を伸ばし、優しく梳いた。
「鬼柳くん…。」
「ああ。」
「わたしって……その……//」
「ん?」
「魅力……ないですか?」
「あるよ。」
「え。」
ずっと尋ねることを怖がって、遠慮して、時間を費やしてやっと紡いだ問い掛けに、鬼柳は間髪入れずに即答した。
きょとーんと、目を点にして口をあんぐり開くyouに、鬼柳はポンポンと言葉を続けていく。
「うん、ある。すげー、ある。めちゃくちゃ、ある。」
「え、あの…!」
「毎日スゲーしんどかったんだぜ、隣で寝てて。」
「えっと…?」
「髪はいい匂いするし、抱きしめる身体は柔らかいし、擦り寄られるわ、胸は当たるわ…本当、苦行だったよ、ありゃ。」
「は……はぁ…//」
「つーまーり、抱きたくてたまんなかったってことだよ。」
「え?え?!」
「当たり前だろ、好きな女が隣で無防備に寝てるんだぞ?!据え膳食えぬ男の辛さが分かるか?!」
「えぇ?!で、では何故ずっと…///」
「下心ありで一緒に寝ようって言っても、お前来ないだろ。」
「・・・ですね。」
「だから、我慢したんだよ……youが許す…っつーか、youが俺を求めてくれるまでな。」
「っ…?!//」
「・・・やっと、求めてくれたな。」
「きりゅ…くん…//」
「っし、じゃぁそろそろ最後の仕上げだ。」
「仕上げ…?」
「俺の求めてる言葉、言ってもらえるか?」
「え、な…なん??」
「「抱いてくれ」って、youの口から聞きたい。」
「は?!!//」
「ホラ、言えって。言わなきゃ延長戦だぞ。もやもやするぞ。明日からすげー空気悪くなるぞ。」
「もう!いじわる!!//」
「それだけ聞きたかったんだよ……ほら、この可愛いお口で言ってごらん。」
「うぅ?//」
鬼柳はふっと笑みをうかべ、その長い指でyouの唇に沿ってなぞる。
それだけも十分心拍数が上昇するというのに、気が付けばいつの間にか肩に腕が回って抱き寄せられ、額をコツ、と鬼柳にくっ付くけられていた。
吐息がかかるくらいの近い距離で、視線を合わせられ、言葉を紡がされる…。
「鬼柳くん…。」
「ああ。」
「わたしのこと……だ…抱いてくれません、か…?//」
「ああ……!!」
「は、はずかしい……です…//」
「っ…ダメだ俺……。」
「え。」
「今日、寝かせられねェかも……。」
「!?!」
「あ、でも、身体はすげー温まること間違いないぜ?」
「もう、鬼柳くんっ!///」
鬼柳のからかう言葉に恥ずかしそうに小さな怒りを表すと、
「抱けなかった日の間分するからな」と驚愕の台詞が頭上から降り注ぎ、思わず絶叫するyouなのであった…。
No night goes by without thinking of you.
鬼柳
(you、1つだけいいか?)
you
(な…なんですか?)
鬼柳
(金輪際一緒に寝ないとか……言わないでくれよ?)
you
(それは鬼柳くんの出方次第かと…。)
鬼柳
(ぐぬぬ。)
(※君を想わない夜なんてない)
*。゜.*。゜.*。゜.*