you don't get it!(5D's:鬼柳)
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つまり何があっても
あなたと
離れたくないのです
傍にいさせて
「きゃぁああ!!」
「どうした、you?!」
突然聞こえた大声に驚き、声のした部屋へ鬼柳が赴けば、
部屋の片隅でしゃがみこんで蹲っているyouがいた。
駆け寄って「大丈夫か?」と声を掛ける。
「大丈夫か、you…何があった?!」
「む…。」
「む?」
「虫が…!!」
「むし?」
「アレですよ、アレ!!アレが出たんです!!」
「ああ、何だゴキブ…」
「言わないでください!!苦手なんです、本当に!飛ばれたら失神してしまいます!!」
「ハハハ、確かに飛ばれると困るな。」
これもサテライト育ちが影響しているのか、鬼柳は害虫などは全く平気なようだ。
カラカラと笑ってyouの恐怖心を吹き飛ばすと、
彼女の背中に手を添えてゆっくりと立たせる。
「で、退治できたのか?」
「それが…驚いている隙に逃げられてしまいました…。」
「ふーん。」
「ふーんって、ふーんって!怖くないんですか?!まだどこかに潜んでるんですよ!?」
「そこまで怖くはねェかな。出てくりゃ仕留めりゃいいだけのハナシだし。」
「出てくる毎に寿命が縮んでしまいます…。」
「大袈裟だな。そんな怖がらなくても…ま、そこまで言うなら、今度大掃除して駆除スモーク焚こう。」
「そうします!!」
ええ、もう、絶対!!と半泣きで意気込むyouに乾いた笑いを送り、
鬼柳がやれやれと、溜息交じりに言葉を投げ掛けた。
「にしても…。」
「はい?」
「虫一匹で怖がって騒ぐって…you、お前…そんなんでこれから大丈夫かぁ?」
「え…?」
「お前が住んでたシティと違って、この辺りはまだ環境が自然のままだから、虫とかトカゲとかいっぱいいるぞ。」
「・・・。」
「あ…あ…そんな。」
「いや、そこまでビビらなくても…。」
軽く話のノリで出た言葉だったのだが、言葉なく青ざめるyou。
思いの外深刻に受け止められたようで、苦笑しながら鬼柳が彼女を宥めようとする…。
が、しかし。
youはというと、鬼柳の言葉に一瞬は驚愕の表情を浮かべたものの、
すぐにぎゅっと唇を結び、眉を上向きに、宣言するように言葉を返した。
「わっ、わたし…負けません!!」
「おお?」
「怖いですけど、怖いけど……努力します!!」
「どうしたいきなり!?」
「だって…。」
徐々に尻すぼみになっていくyouの声。
どんな理由なのか、と鬼柳が首を斜めに傾けた時、少しだけ震えた声で彼女は呟いた。
「だって、鬼柳くんの傍にいられなくなる方が怖いです…。」
「え。」
「虫だって何だって我慢します…この町で鬼柳くんといられるなら。」
「you…お前…//」
youが放った想定外の嬉しい言葉に、思わずニヤける口を手で隠す鬼柳。
そんな彼の感情を未だ察せていない彼女は、不安気に尋ねる。
「だから、シティに帰れなんて……言わないでくださいね…。」
「い…言うわけねェだろ……つか言えねェよ…//」
「っ、きりゅ…!」
思わず、youをぎゅうっと抱きしめ、愛しさを最大に表現してしまう。
youもその行動が嬉しくて、鬼柳の背にそっと腕を伸ばす。
「you…。」
「鬼柳くん…。」
「・・・。」
名を呼ばれて顔を上に向けると、鬼柳とyouの視線がかち合う。
そのままそっと口付けを落そうとした刹那…。
シャッと、黒い何かが部屋の片隅で素早く動いた。
それを視界に入れたのはyouを見下ろしていた鬼柳で、
黙っていればと後で後悔したのだが、その時は思わず口を突いて「あ」と声が出てしまった。
その一言と動いた視線で全てを悟った\3name1#が、カッと目を見開き、鬼柳から素早く離れる。
「い…いたんですね…?!」
「え、あ…あぁ、うん…。」
「殺虫剤を持ってきます!!」
「ああ…。」
数行前までの甘い空気は何処へやら…。
全て忘れたように殺伐とした雰囲気で自分の傍から離れていくyouに、
がっかりせずにはいられない鬼柳であった…。
「心底…お前を恨むぜ、G…。」
キスをし損ねた罪は重いぞ、と。
再び身を隠してしまった害虫相手に恨み言を呟いた。
「どこからでもきやがれ、です!」
「おーおー、勇ましいことで。」
「?鬼柳くん、何か怒ってます?」
「いや、別に……ちょっとガッカリしただけだ、#nae1#とキスし損ねて。」
「あら……まぁ…//」
「早いトコ倒したいもんだが……さて、何処にいるんだか。」
そう言って何の気なしにyouの手から殺虫剤を回収し、部屋のあちこちを見渡す鬼柳。
youはというと、きょとんとした顔で彼を見上げている。
その反応に理解しかねた鬼柳が「どうかしたか?」と尋ねると、
羨望の眼差しで自分を見上げてくる彼女…。
「え、鬼柳くんがやっつけてくれるんですか!!」
「だってお前…苦手なんだろ?」
「苦手ですが……。」
「なら俺がやった方がいいだろ?」
「ですが…。」
「何だよ。」
「慣れ…はしませんが、今後のためにもわたしが修行をした方がいいのではと思って…。」
「こんなの修行もクソもないだろ…シュッとしてパッと片付けるだけだ。」
「うう、それができないから修行なんじゃないですか…。」
「もういいって、兎に角、絶対俺が退治した方が早い、絶対。確実に。まぁ……見てろ。」
「はい…。」
持っている代物が殺虫剤というところは締りが無いものの、
余裕綽々で害虫退治を引き受ける鬼柳は頼もしく、youは羨望の眼差しを送る…。
と、二度ある事は三度あるとばかりに漆黒のソレが再び2人の前を通り過ぎた。
「ひっ!」
「そこか!」
狙いを定め、強力な一撃を相手に見舞う。
結局本当に、鬼柳の言う通りシュッとスプレーを噴射して、パッと片付け終えてしまった。
「・・・はい、終了。」
「ほ…本当に早い。」
「ったく…どうせなら風呂場にでも出てくれればよかったのによ。」
「どうしてお風呂場なんですか?」
「戦闘範囲が狭いし、武器が多いだろ?」
「なるほど!」
「しかもyouのシャワーシーンも見れるときた!」
「見せません。」
「・・・。」
「見せませんよ。」
「二回言うなよ。」
半分冗談だろ、と投げやりに呟けば、半分は本気じゃないですかとツッコミが入れられた。
youとしては、折角カッコよい姿を見せてくれていたのだから、
下ネタに走らず、そのままそのスタイルを貫いてほしかったのだが、
鬼柳としては、折角youの為に害虫を退治したのだから、
もう少し温和な反応をしてくれてもいいのに、と思い至ったのだった。
「じゃぁ、風呂場に出ても騒がず一人で倒せるか?」
「が、がんばります。」
「ふーん…。」
それ故、悔しさから沸々と悪戯心が芽生える…。
数日後…。
「ぎゃぁあああ!!!!」
夜になり、食後の家族団欒が始まるくらいの時間帯…。
尋常ではないくらいのyouの悲鳴が家中に響き渡った。
「どうした、you?!」
害虫騒動の時と同じように、鬼柳が声のした場所に駆け付ける。
「きっ、きりゅうく…っ!!!」
「you、どうした!」
バスルームのドアを開くと、バスタオルを中途半端に纏ったようなあられもない姿のyouが床にへたり込んでいた。
鬼柳が駆け寄って屈み、目線を合わせてやると、彼女は震えた指で風呂場の中を指差した。
「とっ、っとーっ……!」
「とっとーと?」
「トカゲが…ッ!!」
「ああ、何だトカゲか……どれどれ。」
youの肩をポンと叩き、風呂場へと入れば、確かに其処には小さなトカゲが1匹。
窓枠に張り付くそれの小さな尻尾をぴょいっと摘み上げ、風呂場の窓から外へと放り出す。
「you、もう終わった。」
「っ…!」
「おいおい、まさか…泣いてるのか??!」
「な、泣いてないです!!」
「いやでも…。」
「ちょっとビックリしただけです!泣いてないです…っ!!」
「あー…(どうしよう、今更だけど凄い罪悪感が…)」
そう鬼柳が思うのには理由があった。
というのも、前回の害虫事件でyouへの悪戯心が芽生えた鬼柳は、
外から小さなトカゲを拾ってきて、youの反応を愉しもうと思い、風呂場へ忍ばせておいたのだ。
ちょっとした出来心だったのだが、思いの他彼女を怖がらせてしまったようで、
youの目尻に溜まった涙を見て、鬼柳の良心がズキズキと痛む…。
「あ…えっとyou…その…。」
「本当にっ、驚いただけですから!びっくりしたから涙が…だから、違うんです!」
「え…?」
「あの時みたいに怖いとかじゃ…!!」
「もしかして…。」
「鬼柳くん…っ!!」
「!!!?」
「あの、わたし平気です、平気ですっ!全然平気です!虫がいても何でも…この町が…鬼柳くんの傍なら…!!」
「っ…!!」
未だ、あの時自分が軽く冗談交じりに言った言葉を気にしていたらしいyou。
本当に怖がってからなのか、驚いてからの涙なのかは分からないが、
兎に角、からかっただけにしては過大な釣銭が出てしまったようだ…。
嬉しいやら申し訳ないやら…。
しかし、今自分の行った些細な悪行を言えば空気が悪くなることは必須。
鬼柳は悩んだ末にここは「黙るが吉」という答えを叩き出した。
そっとyouの目尻に長い指をあてて、零れ落ちそうな粒を拭ってやると、
鬼柳はそのまま彼女の身体を抱き寄せた。
「you……虫だって何だって怖がってもいいんだ、別に……俺だってお前がいなくなる方が怖い。」
「鬼柳くん…。」
「虫とかトカゲが多いからって出て行かれたらその方が洒落にならん。」
「だ、だからそれは…!」
「我慢するんだろ、俺がいるなら。」
「っ…はいっ…!!//」
「えらいえらい。」
「!!///」
ぽんぽんと、鬼柳に後頭部を撫でられ思わず顔が赤くなるyou。
抱き締められている時点でその表情が見られることは無いのだが、
何故かとても照れ臭くなり、youは鬼柳の胸に一層強く顔を埋めた。
さて、次に困ったのは鬼柳。
抱き締めているのは全然構わないし、このまま抱き締めていたいとさえ思うものの、
彼女の今の姿は大変目の毒な上、ずっとこの状態だと間違いなく風邪を引くだろう。
「you…その……もうそろそろ…。」
「・・・。」
「肩…身体が冷えてきてる。」
「・・・ぅ。」
「風呂、入りなおせ……もう、トカゲもいないし。」
そう言ってそっと、僅かに身体を離して目を落とすと、
しがみ付くように自分の上着をぎゅっと掴んで見上げてくる恋人と視線がかち合った。
きちんと巻けていないタオルは抱き合っていた所為もあり、大部分の肌色が顕になっている。
否が応でも反応してしまう自分の雄が憎い。
このままでは身体の変化に気付かれて幻滅されかねないと思い、
鬼柳がその場を離れようと身体を動かすと、youの方から待ったの声が掛けられた。
「っ…鬼柳くん…。」
「どうした?」
「あの……。」
「あー…タオルが危ないよな、目ぇ瞑っとくからその間に風呂に戻…」
「一緒に、入りませんか…?」
「ああ、じゃぁ目を……って、え?」
「め……迷惑でしょうか…?」
「いや、迷惑とか……つか、今何て…。」
空耳か聞き間違いでなければ「一緒に入らないか」と言われた気がする。
いやいや、そんなはずは…と、首を振り、youを見ると、
困ったような顔で、しかし頬を真っ赤に染めて俯いている。
「と…トカゲが怖いのではないですよ!?」
「(怖いのか…。)」
「別に一人で戻っても良いんですけど…。」
「いや、入るよ。」
「え。」
「折角だしな……ま、トカゲを追い払った報酬とでも思っとくわ。」
「なる、ほど…。」
「さて、じゃぁ……入るか。」
「・・・。」
「ん?何だ、俺の着替え見たいのか?」
「は!い、いえ!!中に入ります!!//」
先に立ち上がって上着を脱ごうとする鬼柳を眺めていたyouだったが、
指摘されてハッと我に返り、慌てて自分も立ち上がり踵を返す。
と、不意に後ろから腕を掴まれて制止させられた。
「え?」と振り返ると同時に鬼柳に奪われたタオル。
一糸纏わぬ姿になってしまったyouは、目を丸くしてすぐに飛び退くものの、
腕を捕まれているため、風呂場へ逃げ込むこともできずに鬼柳と向かい合う。
「あ…あわ…!//」
「you。」
「は…はひ…?!//」
「つまり、どういうことか分かるよな?」
「どういうことと、は…//」
「トカゲを追い払った報酬。」
「お……お風呂に入る…?」
「ああ、でも……背中流すだけじゃ俺は満足なんてしないぜ?」
「っ…!!//」
「俺を……満足させてくれよ?」
「お、お風呂ひっ、ひとりで入れます!トカゲより今は鬼柳くんが怖いです…っ!!//」
「大丈夫、優しくする。」
「全然大丈夫じゃないですーーー!!」
必死のの叫びも虚しく。
今度は背中を押すようにして鬼柳に無理矢理風呂場へ押し込まれるyouであった。
悪戯した事は内緒のままで
鬼柳
(あー…気持ちよかった。)
you
(疲れを取るために入ったのに…。)
鬼柳
(そう言うなよ……じゃぁ、嫌だったのか?)
you
(そういうワケでは…。)
鬼柳
(そっか、なら良かった。)
you
(でももうお風呂は一緒に入らないですっ!)
鬼柳
(何だと!?)
you
(鬼柳くんの言う通り……お風呂場は逃げ場がなくて武器が沢山あるからです!)
鬼柳
(ははは、俺の言った通りだろー?)
*。゜.*。゜.*。゜.*