荒木荘
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ようこそ!
奇人変人の巣窟…荘窟へ!!
荒木荘へようこそ!
「・・・・。」
「you…!」
「でぃぇご…くん?」
「気が付いたか?」
薄っすらと光を瞳に取り入れ、youが目覚めた先には心配そうに自分を見下ろす美しい友人がいた。
ディエゴ=ブランドー。
イギリス競馬界の天才ジョッキーと謳われ、圧倒的な馬術と麗しいルックスでその名を世に轟かせる
正に「競馬界の貴公子」と称される存在その人である。
youが彼と出会ったのはつい最近のこと。
お互い、お昼に行くカフェの常連で仲良くなったという単純な理由。
職種が全く違うが故に、愚痴でも何でも気兼ねなく話せるということで親睦を深めていったのだ。
そんなディエゴが何故、自分を心配そうに見ているのか…。
その時ふいに目に入ったのは自分の手をぎゅっと握っているディエゴの手だった。
「……手……。」
「あ、す…すまない…ああ、というか……握っている感覚、あるのか?分かるか?」
どうしてそんなことを聞くのだろうか、と不思議に思いながらもyouは「うん」と小さく頷く。
「よかった……ちゃんと再生したんだな…。」
「…再生……何か…手首がすごく痛い。」
「・・・。」
まだ夢の続きかもしれない…。
そう思い、youは自分の手首に薄っすら見える「継ぎ目」のような線を見なかったことにした。
ゆっくりとした動作で起き上がり、youはディエゴに尋ねた。
「ディエゴくん…ここは……。」
「ここは……えっと…オレの家というか……いや、オレ以外にも住んでるんだが…。」
「・・・・!!!」
辺りを見回し、youの肩が思い切りビクリと跳ねる。
それもそのはず…彼女の寝ている布団の周りには彼女が「夢」で出会った人物たちが勢揃いしているのだから。
真面目そうなスーツの男、吉良吉影。
金髪&股間強調衣装のDIO(様)。
神父のプッチ。
紫髪のそばかすっ子ドッピオ。
そして…
捕食者、カーズ。
カーズの姿を見るなり、youは顔を真っ青にして目の前のディエゴに抱きつく。
「っ…!」
「お、おい…you……//」
「こわい…。」
「ッ……//」
ディエゴに抱き付き、怯えるyouに吉良が近付いて声を掛ける…。
「大丈夫だ、you君…もう、この男には君に危害を加えないようにとキツく言っておいたから。」
「えっと…吉良、さん…?」
「うん、ちゃんと覚えているようだね。君とディエゴの関係は、さっき彼に聞いたよ。元から知り合いだったんだね。」
そう言って、安堵したような顔をyouに向ける吉良。
そしてその吉良の背後から身を乗り出すようにして顔を近づけてくる男。
「you!わたしの事はちゃんと覚えているか?」
「え…と、DIOさん…ですよね……プッチさんにドッピオくんに、今はいないみたいだけど、ディアボロさん…でしたっけ?」
自分を覗き込んでくる他のメンバーの名前を全て言い終えたyou。
否、もう一人いた。
「と……か…カーズさ、ん……。」
ビクビク震えながら、カーズを見上げるyou。
ディエゴにしがみ付く手に力が入ると、
彼もまた、その不安を感じ取って、一層強くyouを抱きしめる。
怯えるyouをじーっと見つめた後、カーズが口を開いた。
「そんなに怯えるな。もうお前を捕食したりはせん。」
「ほ…ほんとですか…?」
「するなと言われた。したら大家の鉄槌が下る。」
「大家さんの…鉄槌…?」
「私は紛れもなく究極生命体だが、大家はそれを更に超越した何かだ。大家を敵に回すくらいなら、私は迷わずお前の捕食を諦める方を選ぶ。」
「・・・はぁ?」
正直、何故大家がそこで引き合いに出されたのかyouには分からなかったが、
周囲の面子が揃いも揃ってうんうんと頷いているので、カーズの言うことは本心なのだろうと理解するに至った。
「兎に角、お前の身の安全はこれで保証されたわけだ。」
「素直に喜べない…けど、よかったです…仲良くしていただけるなら…。」
「大家に誓う。」
そう言ってカーズが伸ばした手。
youは目を見開いて、カーズの顔と手を交互に見遣る…。
そして、恐る恐るその手を取った。
「(吸収されない…。)」
「安心しろと言ったはずだ。」
「は、はい…。」
こうして、何とかカーズ…引いては荒木荘の他のメンバーとも和解することとなったyou。
安堵の息を吐くと、今まで自分を抱きしめてくれていたディエゴが彼女に声を掛けた。
「あー…you。それで…非常に、言いたくはないのだが…さっきも言った通り一応オレもこの奇人変人共と暮らす家の面子に入ってる。改めて、よろしくな…。」
「うん、よろしくディエゴくん……って、ハッ!ごごごご、ごめんなさい!!//」
バッと勢いよくディエゴの身体から離れたyou。
真っ赤な顔で何度も「ごめんなさい」と謝るyouに皆、一様に唖然とした顔を浮かべていたのだが、
最初に我に返ったのであろうDIOが、それはもう嬉々とした顔でyouに迫って来た。
「気に入ったッ!非常に気に入ったぞ!!どうだ、このDIOの女にならんか?ん?」
「な、な…何言ってるんですか?!//」
「う…WRYY…何と初々しい反応……よし、ディエゴ、youを渡せ。」
不遜な態度で物申すDIO。
youに伸ばしてきた彼の手を叩き返し、再び彼女を抱きしめた後、ディエゴはDIOに食って掛かった。
「何が「よし」だ!ふざけるな、お前なんかにyouを渡すかッ!」
「いいだろう、表へ出ろ!粉微塵にしてくれるわ!!」
「ほぉ~、そりゃ大きく出たなぁDIO…でもいいのか?youを起こしちゃダメだってことでカーテン閉じてたけど、今は昼だぜ?どっちが粉微塵になるか言わずもがなって感じだが?」
「WRYYYYY!!!しまったッツ!!」
ディエゴの言葉にショックを受けて項垂れるDIO。
そんな折、ふとyouは思い出す…。
もし今の状況が夢でないのだとしたら、果たして失った自分の手は一体何故消え失せてないのだろうか…と。
「あの…ところでディエゴくん…わたしが夢だと思ってた今が、さっきのが夢じゃなかったなら…わたしの…手…わたし、手をカーズさんに…。」
「ああ、それは…。」
youの問いに答えようとディエゴが口を開いたところで、
全員の背後から澄んだ青年の声が響いた。
「それは僕から説明しましょう。」
「え…。」
「失礼、たった今まで外で友人と電話していたもので……様子を見る限りだと、今の現状を把握した…というところでしょうか?」
「そ、その通りです…。」
「はじめましてyouさん。ジョルノ=ジョバァーナと言います。」
「え、と…はじめ、まして…youです。」
玄関から歩いてきた青年が差し出した手を握り返し、youは挨拶をする。
そうして思い浮かんだ質問を彼に投げ掛けてみた。
「えっと、ジョルノくんもこの家に…?」
「違います。コホン……すみません。住んではいませんが、知人がいるのでたまに顔を出すんです。」
「知人…?」
「ええ…ディエゴさんもそうですが、そこにいる金髪と、あとはカビのような髪の男です…この2人に関しては腐れ縁のようなものですけどね。」
「(大人に向かってのこの毒舌…。)」
こいつぁタダ者じゃねぇ…そう思うyouであった…。
そして、話はジョルノの呼び掛けで本題へと入っていく…。
「それで、youさんの無くなった手がどうして「ある」のか、なんですが。」
「う、うん!」
「僕の能力で治しました。」
「ジョルノくんの……能力…?」
「ええ。」
小首を傾げるyouに、ジョルノは自分の髪の毛をプツン、と一本抜いて掌で握って見せた。
更に、わけが分からない…と不思議そうな顔をする彼女にふわりと綺麗に微笑むジョルノ…。
「見ていてください。」
「うん…。」
「生まれろ…新しい命…!ゴールド・エクスペリエンス!」
「わっ?!」
パァッと金色の光がジョルノの握る手から溢れ、youは思わず目を瞑る…。
光が消えて、そっと…目を開ければ…。
「ひゃぁあ?!!」
開かれたジョルノの掌でうねる「生きた」ミミズ。
驚嘆するyou。
本日何回目かのディエゴに飛びつくという動作を、思わず起こしてしまうのだった。
「これは僕の能力で…詳しく話しても分からないでしょうし…というか、話せないのですが…。」
「すごい…。」
「ざっくり説明すると「物体に命を与えることができる」という感じでしょうか…。」
「そ、そんなことができるの!?」
「ええ、まぁ……その応用で貴女の手を作り出したんです。」
「わたしの…手を…。」
youは呟き、自身の手をじっと見つめる。
先程見間違い…否、見ないようにしていた手首の継ぎ目は「そういうこと」なのだと、理解するに至った…。
「僕が能力を解くと…ほら、元の物体に戻ります。」
「あ、か…髪に…戻った。」
「ですが…今回のように再生させた人体部位(パーツ)はもうその人物の一部になって細胞同士が結合されてしまいますので、基本的には能力を解いても変わりません。」
「・・・取れたりしないの…。」
「しません。尤も、再生させて身体に馴染んでいないのにムリをしたり、僕がすぐに解除した場合はその限りではありませんが…。」
「・・・よく分からないけど、色々ルールがあるのね。」
「ルール…まぁ、そういうことにしておきましょう。少なくとも今はyouさんに掛けた能力を解くつもりはありませんから…安心してください。」
「・・・ジョルノくん…。」
にこり、と…春のような暖かな笑みを浮かべるジョルノに、とてつもない安心感を覚えたyou。
それと同時に、彼の言葉は非常に端的で説得力があると、感動する。
ジョルノに「ありがとう」と言うと、座ったままではあるがyouはその場で深々と一礼した。
「ジョルノくんがいてくれなかったら、わたしは手を失ってたんだね……何てお礼を言っていいか…。」
「いいえ…こちらこそ……僕の…知人とも思いたくない、下劣極まりないド馬鹿共の所為でこんな目に遭わせてしまって申し訳ないです。」
「い……いえ…(ジョルノくん口悪ッツ!!)」
「隣に住むことになって大変でしょうが…出来る限り僕も協力しますから…頑張ってくださいね。」
「うん……本当にありがとう、ジョルノくん。」
「ええ。」
ジョルノにもう一度深々と礼を入れ、笑みを向けるyou。
「まぁ、兎に角…そういうことなんだが、you君…。」
「・・はぁ。」
吉良の無理矢理な台詞に「どういうことだよ!」と、一同皆ツッコミを入れたかったが、
それくらいは譲歩しなければどうにも先へ進めそうにないのを全員悟っているようで、誰も何も言わなかった…。
「君には今後も迷惑を掛けてしまうかもしれないが、隣人同士、仲良くしようじゃないか。」
「は……はぃ…。」
最早強制的とも言える押し付けの一言だった。
(というよりも、吉良の浮かべた胡散臭い笑顔が拒否を認めないオーラを出していた。)
かくして、この荒木荘でのyouと奇妙な隣人達との生活が幕を上げるのだった。
ようこそ荒木荘へ!!
words from:yu-a
*。゜.*。゜.*。゜.*
※ジョルノの能力は原作での詳細が無いため、
この「荒木荘」でのみの独自見解・設定です。