荒木荘
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「隣に越してきました、youと申します。」
これが、彼らとの出会い
荒木荘へようこそ!
「遅くにすみません…引越しの荷解きとかしてたら遅くなってしまって…。」
「いや、構わないよ…今のご時勢夜にしか帰宅しない住人も多いものだ。」
夕刻過ぎの訪問にも嫌な顔一つせず、自分に紳士的な笑みを向けてくれる隣人…。
それまで緊張していたyouはホッと安堵の顔を見せた。
「私は吉良吉影、よろしく。you君。」
「はい、吉良さん!これからお世話になります。あの、よかったらこれ、皆さんで食べてください!」
「ああ、これはどうも…ご丁寧に…。」
男は、玄関先で菓子折りを受け取り、目の前の隣人……の、手に視線を向けた。
かっちりとしたスーツを着こなし、大変真面目そうな顔をした吉良。
そんな彼にじっと手を見つめられ、youは不思議そうに顔を見上げる…。
「あの…?」
「その菓子はちゃんと人数分あるのだろうな!?」
「!!」
吉良の背後から身を乗り出すようにして、出てきた何か「黄色」い男。
いや…黄色というよりは金色…に近いようだ。
それは長身の外国人。長身でボリュームのあるブロンドに艶のある唇、非常に色香の漂う「男」。
何より驚くのは、彼のその……服装であった。
「(社会の窓が…開いている…いや、閉まらない仕様なの?いや、仕舞ってほしい!切実に!!ていうか何か知人に似てるから余計に!!//)」
「ん、どうした赤い顔をして……フム…さては、このDIOに見惚れたな?」
「ええ?!ち、ちがいます!//」
「ハハハ!そう照れるな……で、名は何というのだ?」
「あっ、えっと……youと言います。本日からお隣に引っ越してきました。」
「そうか。私はDIOという。気軽にDIO様と呼んでくれて構わん。」
「では・・・で…DIOさ……ん。で。」
「照れずともよいというのに。」
流石に「いえ、照れではなく本心からの拒否です」とは言えず…。
(というか言わせないオーラが漂っている)
無言で頬を赤らめて俯くyouであった…。
そんな彼女に吉良が助け舟を出す。
「DIO、もうよさないか……彼女が困っている。」
「しかし吉良、男ばかりでムサっ苦しい荒木荘に女が来たのだぞ!少しくらいテンション上がってもいいではないか。」
「上げすぎてハイにはならないでくれよ…。」
「分かっている。あれはちょっと血が馴染んだから上がっただけだ…。」
「ならいいのだが。」
何の話かはよく分からないが、どうやらこの荒木荘には自分以外に女性の住人はいないらしい。
この時点で年の近い女性が隣人にいれば、友達になりたいな…などと思っていたyouのニューライフへの憧れは塵と消えた。
少しがっかりした気持ちが顔に出てしまったのか、吉良に「分からない話をしてすまない」と謝られてしまった。
「い、いえ!全然!」
「あまり深くはツッコんでほしくないのだが……この部屋の住人はあと5人ほどいてな…。」
「そうなんですかー……って、5人ッツ?!!」
「・・・。」
この六畳一間にか!!?と、言わんばかりのyouの反応。
確かこの荒木荘は洋室、和室で号室ごと交互になっていたはず。
自分の住むことになった部屋はフローリングの洋間なので、こちらは和室仕様…。
シュール過ぎんだろ!!
「ていうか激狭なんじゃ…。」
「ああ…。」
「(あまり係わり合いにならない方がいい予感が…何かもう既に一人変な人出てきたし…。)」
「変な奴等ばかりだが…まぁ、適当にあしらう感じで仲良くしてやってくれ。」
「あはは……こちらこそ……えっと……も、もうそろそろ遅い時間ですし、今日はわたし、この辺で…。」
「待ちたまえ。」
「Damn!(げぇっ!)」
そそくさと立ち去ろうとするyouの腕を吉良がガシリと掴み…
抑揚のない声色で、彼は言う…。
「今はちょうど全員揃っている。紹介しよう。」
「(ええぇぇ…!!)」
結構です、失礼します…と言う間もなく。
既にDIOの後ろにぞろぞろと人の壁が出来上がっていた。
壁は言うまでもなく、こちらの住人らのようで、皆一様に「誰だ、誰だ」と呟いている。
一人目…浅黒い男性。
服を見る限り、彼は神父様だろう。
「はじめまして、お嬢さん。私はエンリコ=プッチと申します。」
「youです、よろしくお願いします。」
二人目…紫の髪の男の子。
そばかすがちょっと可愛い。
「わあっ、可愛いお姉さんだ!ぼく、ドッピオっていいます!」
「youっていいます、よろしく、ドッピオくん。」
「あっ、ここにはぼくのボスも住んでてですね…ちょっと待ってください、今電話で何処にいるか確認してみます!」
「え、お、お構いなく!」
「とうおるるるるるるるん…ガチャ、もしもし、ボス、ドッピオです!今日、荒木荘にお隣さんが越して来られて、今挨拶をしていたんです!」
「(今…自分でコール音言わんかったか…。)」
「分かったドッピオ、代わろう。はい、ボス!」
「(え、今何か声違…ていうか何でシャツ脱ぐのドッピオ少年…て、え…?)」
「ディアボロだ。お前はオレを殺してくれるなよ?」
「あなた誰ーーーッツ!?」
「夜に大きな声を出すな、喧しい。近所迷惑だぞ。」
「す、すみません……(何で謝ってるの?このツッコミはオカシイの?この人達がオカシイの?わたしの頭がオカシイの?)」
「おかしなヤツだな……さっさと名乗れ。オレはまだ眠っていたいのだ。」
「あ……youと申します……以後お見知りおきを…(そうか…わたしがオカシイのか。)」
「では、挨拶もしたし、オレは中でドッピオと代わる。」
スタスタと部屋の中に入っていったディアボロという男性。髪は鮮やかなピンクで、何故かカビのような模様が入っている。
その威圧感は半端なかったが、何故かそれに相反して儚げに見えたyouだった。
後に吉良が説明して、彼はドッピオと体を共有している、所謂「二重人格」というものなのだと知った。
(だがしかし、体格まで変わっていませんか?という問いには誰も答えてくれなかった…。)
ディアボロも2人目と数えると、次は3人目…。
3人目…長髪の………褌一丁男。
「おお!久方ぶりの女の生餌!」
「え。」
「このカーズ、じっくり味わって食べるとしよう。」
「え…。」
腕を掴まれ、強く引かれたかと思えば、カーズはyouの手を己が腹へと触れさせた。
凄い腹筋だなぁ、などとyouが暢気に見ていると、何故か周りの面々が慌てだし「放せ」だの「食料じゃない」などと騒ぎ始める…。
周囲の困惑した顔を見渡した後、もう一度自分の手に目を向ければ、無くなっていた。
手が。
「ぎ……ぎゃぁあああ!!」
いつの間にかきらきらと星が輝き始めていた綺麗な夜空に、断末魔の悲鳴が響き渡る…。
荒木荘へと続く路地で、雑談しながら歩いていた青年が2人…。
顔を見合わせて、声のした方へと駆け出した。
・
・
・
・
「カーズ!止めるんだ!彼女は贄ではない!お隣さんだ!」
「む?しかしもう一部取り込んでしまったぞ。もう全部吸収して、無かった事にすればいいではないか。」
「大家にバレる!静かに暮らせなくなる!止めるんだ!」
「…大家か…。」
吉良がyouの腕を掴んで、カーズが彼女の体をこれ以上吸収するのを阻止する。
カーズも「大家」という単語に反応し、捕食を諦めたようだ。
どういう事態になっているのか、まったく理解できなかったが兎に角、これ以上身体が侵食される事はないようだ。
あまり冷静には考えされなかったが、youはカーズという存在を「人間ではなく、人間を食べる生き物」と認識した。
だがしかし、それが理解「可」能になったところで、自分の危機的状況に変化はない。
相変わらずカーズと自分の手は繋がったままだし、動かそうにも手の感覚が無いのだ。
新天地でいきなり、手首から先を喪失するという悲惨な事態…。
全て夢であると思いたい…。
ふいにそう考えた瞬間、意識が遠退く感覚に襲われた。
「(あぁ、眠って…起きたら、ちゃんと……手、あるよね……引越しのご挨拶のところから、きっと始まるよね…。)」
「youッ……?!!」
「(あれ…?ディエゴくん…?何でここにいるの……ああ、そっか…夢だから。)」
「しっかりしろ!youッツ!!」
「ディェ……ぉゃ…す、み…。」
ぷつり。
まるでTVの電源を切ったように、youの意識はブラックアウトした。
とんでもない
ゴアイサツ。
words from:yu-a
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